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榴岡天満宮 様

意匠をこらした名工の技が随所にみられる威風堂々とした佇まい

宮城県仙台市宮城野区榴ヶ岡にある学問の神「菅原道真公」を祭神とする合格祈願神社の榴岡天満宮様。仙台の天神様として広く人々に愛されている。伊達政宗公が仙台城を造営する際に榴岡天満宮の樹木が使用されたり、松尾芭蕉が榴岡天満宮を参拝した際は「ここ玉田よこ野つつじが岡はあせび咲くころ也ここに天神の御社など拜て其日はくれぬ」という句を読むなどというエピソードもあるという由緒ある古社である。
ここ榴岡天満宮様で平成13年1月から始まった、拝殿及び本殿の改修工事と社務所新築工事もいよいよ大詰めとなり、7月末の完成に向けて着々と作業が進んでいる。
拝殿及び本殿の銅板屋根は5月下旬に完了し現在2ヶ月が経過した訳だが、銅は空気に触れると酸化を始め、光沢→赤橙色(現在)→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青(りょくしょう)色と銅独特の色調変化の過程を見せる。一般的に「緑青」とは表面に酸化第一銅や酸化第二銅ができる事で、銅板の耐食性が増し、塩基性炭酸銅や塩基性塩化銅等の様々な化合物が複合生成され水に溶けにくい安定した保護膜を指す。これから10年、20年…と経過した時代に応じた変化を見せてくれるだろう(立地環境等により変化の仕方は異なる)
又、これまで入母屋造りだった拝殿の屋根正面には三角形の出窓のような形状の飾りの「千鳥破風」を造作し、より格調ある荘厳な造形を達成したと共に、戦時中に金物を徴収した際に取り外されたと思われる主棟部分の「神紋」と破風板飾りも新たに取り付けられ、当時あったであろう本来の姿を取り戻した。
今回、拝殿の屋根だけではなく老朽化した躯体部分の修復も行なった訳だが、測量機器のない時代に作られたものにも関わらず当時の「宮大工」たちの繊細な技術が数多く散りばめられており、その継承を受け継ぐ為にも、痛んだ柱の修復にも一本の釘をも使用せず大阪城の表門である大手門と同様の「蟻継手」と「殺し継手」を用い、後に残る強度ある改修を行なった。
無事新築完成した社務所も、拝殿だけでなく今ある授与所とも意匠を合わた外観。災害の際は地域の方々にも解放できる大広間も設ける等、「神社」としてだけではなく「防災の拠点」としての役割も担う。三百年以上の歴史がある榴岡天満宮。これからも地域の人々に愛され、親しまれる神社として新たな歴史を刻んでいこうとしている。