お客様の声と施工事例

寺社・大型建造物もクラシタス

曹洞宗 光明寺 様

あまりに大きかった震災によるダメージ

滑り落ち、粉々に砕けた屋根瓦。そしてなにより衝撃的だったのは、寺社の顔とも言える本堂正面の「向拝」そのものがない・・・。あまりに痛ましい姿に我が目を疑った。東北に建つ多くの建造物同様、光明寺様もまた、東日本大震災によって大きな傷を負ったひとつだ。
亘理伊達氏の初代当主・伊達成実の菩提寺である大雄寺。その13ある末寺の一つとして建立されたのが、この光明寺だ。慶長13年(1608)、大雄寺第四世にあたる本州梵達大和尚により、宮城県亘理町に開山。建物は、昭和45年の国道6号線バイパス開通にあたり建て直されてはいるが、曹洞宗の禅寺らしい厳かさをにじませる寺院だ。
しかし過日の震災を受け、本堂の入口から手前に張り出す向拝が倒壊。屋根瓦が落ち、漆喰壁には大きなヒビが入るという打撃を受けてしまった。そこでかつての威容を取り戻すべく、2012年4月から3ヵ月に及ぶ修復工事がスタートしたのだった。

ひとつ一つの造作に職人たちが傾ける熱意

まず着工を急いだのは、本堂屋根の修繕だ。これまでの瓦は、躯体に相当の負担がかかり、何より地震で落下した場合に危険が大きい。そこで新たに採用したのが、ガルバリウム鋼板で形成された「瓦王(ガオウ)」だ。瓦を6枚重ねた形状にプレスしたこの鋼板は、本物の瓦同様の仕上がりで、重さは瓦の約10分の1となる。なにより落下の心配から開放されるメリットは代えがたい。
そして、あの倒壊した向拝の再建。顔となる部分故に、担当・菊池の「どの角度でも美しく見えるようにしたい」という情熱が惜しみなく注がれ、計画段階から大工と共に原寸の設計図を描き、屋根の反りや丸み、破風の大きさなどを何度も検討した上で工事着手となった。完成した大唐破風の屋根を戴く、引き締まった顔つきの向拝にはそんな想いが刻まれている。
又、屋根工事の他にも、ご住職の「お寺にいらっしゃる皆さんが、最も長く時を過ごす場所を安心且つ快適に」という想いから、剥がれやヒビ等大きくダメージを受けた本堂内部の漆喰壁も新たに左官工事を施すと共に、これまで狭く不便だったトイレも、ご高齢の方に配慮した広いスペースと快適性を確保。震災前の姿を取り戻すだけではなく、車椅子の方でも安心して利用できる快適な空間へ生まれ変わった。
「ここへ到るまでには、安田会長をはじめとした、曹洞宗光明寺護持会の支えも大きかった」と言う大友住職の言葉を受け、安田氏も「申し分のない仕上がりになりました」と満足気な笑みを浮かべる。ご住職様、護持会様、そして関わらせて頂いた弊社スタッフ。全ての想いを乗せ、一度は絶望を味わった寺院が再び、その輝きを取り戻した。