寺社・大型建造物もクラシタス

曹洞宗 寶藏寺 様

開山から660年の由緒正しき寺院

旧神岡町の中心地から南外村方面へ向かった先に建つ、入母屋造りの本堂。杉木立の中、落ち着いた風情を漂わせる寶藏寺は、文和三年(1354年)に開山された寺院だ。境内には秋田県で最も古いとされる推定樹齢950年のケヤキがそびえ、その歴史の長さを物語る。本堂は開山以来、戦火による6度の火災に見舞われ、現在のものは大正11年(1922年)に建立されたものだが、その虹梁に見る細微な彫刻や優美な破風に、厳かな威容と品格を漂わせている。

屋根材の強度に仕事の確かさを感じて

寶藏寺様の工事は今回で三度目。最初の工事は、約30年前の位牌堂の屋根工事に遡る。現在、寺を営む第二十九世中沢宏哉住職は、先代住職から「クラシタスに頼めば間違いない」と薦められたと語る。
約20年前、寶藏寺様は巨大台風に見舞われ、本殿の屋根に被害を受けた。「当時はトタンを葺いていたのですが、まるでトタン板が手裏剣のように飛んで行くほどの被害だったようです。その際の屋根修繕も、前回の位牌堂工事の仕事の丁寧さから、クラシタスさんに依頼したと聞いていました」。
台風で被災した屋根は銅板屋根へと葺き替えた。前住職は「クラシタスの銅板はしっかりしたものを使っている。檀家さんからもお褒めの言葉を頂き、工事をして本当に良かった」と。周囲が薦める理由を目の当たりにし、いっそう信頼感を強くした。その想いは現住職にも受け継がれ、困ったときにはすぐ相談できる、良好な関係を長年築いてきた。

重さ200㎏超の鬼瓦を「はぜ組み」で

ここ数年、位牌堂の鬼飾りからパラパラと破片が落ちてくるようになった。鬼飾りは幅3m以上、重さ230㎏と非常に大きなもの。高さ20mの位置から、そんな大きなものが落ちてきたら危ない。と、平成26年の春、修繕に着手することを決めた。
担当の菊池は工事をこう振り返る。「以前の鬼飾りは、クラシタスが施工した鬼飾りではなく、当時の流行りもあり、屋根に対しやや大きすぎました。そこで少し小さくして、上品でバランスの良い鬼飾りにしようとご提案したんです」。これまでのイメージを大切にし、雲型を採用。フィルムに原寸で写したものを間近に確認していただき、しっかりとご納得頂いた上で着工に至った。
しかし現場調査を行ってみると、さまざまな事実がわかってきた。以前のものはハンダ付けしていたせいで強度がやや弱かった。そのため、隙間から水が入り、土台が一部腐り始めていたのだ。そこで屋根と鬼飾りを「はぜ組み」で隙間なく噛み合わせる事で強度を増した。
200㎏以上の鬼飾りを20mの高さまで持ち上げ、ぴたりと載せるのは至難の業だ。しかしチームワークと手際の良さで、無事新たな鬼飾りを屋根の頂きに載せ、ようやく工事は完了した。

この先何年もの時を経て増す風格

中沢住職様は満足気にこう話す。「クラシタスさんの仕事は本当に気持ちがいい。施工そのものはもちろん、片付けも綺麗なんです」。それを受け、菊池も照れながらこう話す。「ベテランの職人さんがていねいで良い仕事をしてくれたおかげです」。
工事完了直後には真新しく輝いていた鬼飾りも、風雪を受ける中で、しっくりと屋根に馴染んできた。今後は、より重厚な面持ちへと変化していくだろう。この先、時を経るごとに風格を増していく。その荘厳な佇まいが、寶藏寺様の遠い未来の姿を思わせた。