寺社・大型建造物もクラシタス

臨済宗妙心寺派 淨勝寺 様

源義経・家臣の菩提寺として創建

淨勝寺様は源義経の家臣である佐藤継信、忠信兄弟の菩提寺だ。創建は建仁元年(1201年)。2人の母養光尼が菩堤を弔うため建立したもので、当時は養光寺と称された。
後に五輪塔を安置し、多くの宝物を寄進し絢爛さを誇ったが、年を経て衰退。元和年代に入り仙台燕沢・善応寺の通玄和尚が「安養山 淨勝寺」と寺号を改め、松島瑞巌寺の末寺として中興した。また亨保8年(1723年)には、伊達吉村公が五輪塔に手をかけ、佐藤継信・忠信兄弟の忠死を偲んだという記録も残っている。

格式を感じさせる立派な渡り廊下を

淨勝寺様とクラシタスとの関係は1997年に遡る。「破風ぎわで硬い銅板をなめらかな曲面(箕甲・みのこう)にできるのは、クラシタスしかない」という評判を聞いた当時のご住職が、その手腕を見込み、本堂および山門の屋根葺き替えを依頼したことがきっかけだった。以来、厚い信頼を頂いて現在に至っている。
今回の依頼内容は「新設する渡り廊下の設計および施工」だ。本堂から墓地への動線はもともと杉が生い茂り、冬には足元が凍結し、大変危険でもあった。そこで渡り廊下を新設する際に、弊社にお声掛け頂いた。
屋根材には、1997年の施工で葺き替えた本堂の銅板屋根の色と合わせ、鈍色のガルバリウム鋼板を採用した。見た目は本瓦葺きさながらだが、非常に重量が軽く、建物の躯体に負担を掛けないようになっている。静かに威容を漂わせるのは、大棟に入れた寺紋である三引両紋、そしてゆったりと曲線を描く箕甲だ。設計条件上、屋根の高さをあまり高くできなかったため、箕甲の角度を大きく取ることで、厳かで格式高い屋根が完成した。
「予算など限られた条件の中で、最高のものができたと満足しています」と鈴木貴博ご住職は話す。
「見た目が立派なのはもちろん、クラシタスさんの仕事が丁寧なことにも驚きました。破風板の下に見える、雨押えの柱にまで鋼板を巻いて化粧をしている。ひとつひとつの細工が本当に精緻なんですね」。

多彩な可能性を持つ「新しい舞台」

鈴木ご住職は、気仙沼一帯の地域活性に尽力する方でもあり、様々な地域活性イベントに協力。初夏には女性部の助力の下「アジサイまつり」も開催し、盛況を博した。
「渡り廊下はちょっとしたイベントの場としても活用出来るんです」と鈴木ご住職は笑顔を見せる。檀家の方たちにとって、そして地域の人々にとって、意義深い場所になる。「街のためにできること」を常に探る鈴木ご住職の目に、この渡り廊下は「新たな可能性を秘めたステージ」としても映っているようだ。