寺社・大型建造物もクラシタス

浄土真宗本願寺派 正教寺 様

この壮麗な「倶會堂」北海道美唄市でも交通量の多い国道12号線沿いに建ち、その存在感から見る人の足をも止める。北海道では積雪が多い事もあり、建物に掛かる負荷軽減の為に「本瓦葺き」をあまり目にする事はなく、その重厚な佇まいと風格が多くの人を惹きつけてきた。

本瓦から銅板への選択

しかし、道内でも降雪量が多い地域である美唄の厳しい風雪に晒された事による屋根の傷みは激しく、特に平成24年にあった豪雪では美唄市観測史上最大となる167㎝の積雪を記録し、その時に受けたダメージが改修を決定的なものとした。
改修に向けて検討に入ったが、大きな選択の問題に直面した。これまで通り本瓦葺きで改修を進めるか。それとも銅板葺きか。檀家様の想いやこれからの維持管理等、様々な検討材料をもとに議論を重ねた結果、これまで同様の瓦を思わせる佇まいを残しつつ、割れにくく、軽さと厳しい風雪に十分耐えうる強度も持ち、更にバックアップ材を併用し、断熱効果もある「段付き本瓦葺き銅板屋根」の採用に至った。

銅葺きの長所を 最大限に活かして

通常の一文字葺き(平板葺きの一つ。平板を屋根面の水平方向に一直線になるように葺く工法)とは異なり、銅板の一つ一つに谷と山を作り、本瓦を一枚一枚重ね合わせたような谷部の段差が、重厚な佇まいと伝統美あふれる豪華な味わいをかもしだす。熟練の技と経験が作り出す屋根の流れに沿った曲線は古の美そのものである。
改修後「周りは皆、本瓦葺きだと思っている」という銅板技術が生み出だしたクオリティの高さに永岡ご住職にご満足頂く事が出来た。

銅が生み出す力

これまで寺院のシンボルとなってきた本瓦。その風格を残した上でこれからの新しい歴史を作っていく新たな銅板屋根。時が経つにつれ、銅の成分が空気に触れる事で酸化し、緑色の皮膜をつくり、より強度な表面を自己生成していく。緑青と呼ばれる銅自らが育み続ける「永続力」こそが、ここに集まる人々の信仰心の源となっていく事だろう。