寺社・大型建造物もクラシタス

曹洞宗 轉輪山 眞源寺 様

歴史ある町の信仰の 象徴としてふさわしい姿を 取り戻すために

宮城県大崎市松山。伊達家の本城だった岩出山の近辺にあったため、城下町として栄え、歴史の中で重要な役割を担ってきたエリアだ。この場所に建つ眞源寺様は、古くよりこの町に暮らす人々を見守り、支えてきた。
そんな眞源寺様より今回依頼されたのは、本堂の屋根工事だ。ご住職はこう語る。「以前の屋根は経年劣化や雪などの重みにより軒先が下がってきていました。そこで日本古来の伝統建築の美の一つである軒先の反りを入れて、躍動感のある飛翔する鳥の姿に近づけられればと思っていました」。
寺社の屋根に特有の構造体で『桔木(はねぎ)』というものがあるが、事前査で予想以上に細いことが判明した。担当した菊池は語る。「寺社の屋根は家屋に比べて軒の出が長いため、その軒を桔木で支えるのですが、この細さでは雪が積もるとたわんでしまう。そこでこれをすべて差し替えることにしました」。こうして工事がスタートした。

ご住職自ら手がけた 懸魚が映える向拝に

屋根は反りのある形状に仕上げることとなったが、特に曲線にあわせて葺く「箕甲(みのこう)」が、大きな技術の見せどころのひとつだ。「反りと丸みを一体化させる…まさに〝3次元の世界〟でよ。仕上がりの美しさはもちろんですが、上手く施工しないと屋根材と屋根材のハゼ(つなぎ目)が徐々に離れてきてしまう場合もあります」と菊池はその難しさを語る。
また屋根の形状変更にあわせ、寺の顔となる向拝も新しく作り直すことになった。正面にはご住職自らデザインしたというイヌワシをモチーフにした懸魚(げぎょ:飾り板)を配しつつ、優美な曲線を持つ唐破風屋根の向拝とした。「釈尊が法を転じた(轉輪山の由来)と言われる霊鷲山(りょうじゅせん)をイメージして創作した懸魚でしたが、檀家様からもこの寺ふさわしいと好評を頂きました」とご住職も満足気な様子だ。

新たに生まれ変わった 町の信仰の象徴

「菊池さんの対応は非常に誠実で、檀家の役員の方々に対してもわかりやすく工事の概要を説明してくださるので、みんなが納得のいく工事になりました。出来上がりの立派さに、思わず屋根を拝む檀家様もいたほどですよ」とご住職が語る。
向拝の下で羽ばたく「鷲」が霊鷲山での釈尊の轉法輪の象徴として仏法を守護し、御本尊や諸佛諸菩薩と共に、寺を檀家を、そして地域全体の幸せを見守る。そんな願いのこもった新たな信仰のシンボルとして、これからもこの町を支え続けてゆくのだろう。