寺社・大型建造物もクラシタス

東海山 皓聖寺 様

鉄の港町を見守る 近代的な「鉄」の寺

〝小さな・下り路〟という意味を持つアイヌ語の『モ・ルエラニ』を語源とする、北海道室蘭市。明治5年の開港以来、港を中心に製鉄・製鋼・造船など北海道の中心的な工業都市として発展してきた。
この街にある皓聖寺様は、昭和10年に開教し、昭和30年に旧本堂を建立。以来企業城下町として栄えたこの街を見守ってきたが、本堂・納骨堂の老朽化と、檀家様の高齢化に対応するためのバリアフリー化に改修では対応しきれないため、平成23年新しく建て直すことをご決断。この春完成を迎えた。
「同じ宗派のご寺院様からしっかりとした仕事をすると聞き、クラシタスの匠継舎(※弊社寺社事業部)さんにお願いしました」と話すのは、この寺院の三代目である東海林ご住職様だ。完成後の外観は、3階建ての鉄骨造りで一見誰もが寺院とは分からないだろう。伝統的な寺院と比べると一風変わった佇まいだが、このような造りになったのには実は深い理由があった。

妥協なき 機能性へのこだわり

北海道では本州のような境内墓地が少なく、代りに境内に納骨堂を設けるのが一般的だ。階層を分けて造る場合は1階に納骨堂、2階に本堂を配置する事が多いが、皓聖寺様では逆に配置。これは、納骨堂にお参りに来られた方に本堂にも足を運んで貰える様にとのご住職様の想いからだ。階上に重量のある納骨堂を配置し大空間を造るには、鉄骨造りにする必要があった。
また、檀家様に負担となる冷暖房のエネルギー消費を抑えるため、壁面には高い断熱性能を長期間持続する断熱材を選定。屋根にも遮熱率の高い鋼板を採用し、色についても遮熱性の高さと外観を考慮し緑青色を選択している。さらに、外壁には太陽光が当たる事で汚れを分解し、超親水性により雨水が洗い流す機能を持つ、光触媒の外壁材を採用した。
こうしてご要望に叶う必要な大きさを確保し、機能性を優先した結果、必然的にこのような造りとなったのである。

「全てイメージ通りの仕上がりに満足しています。外観を見て驚く檀家様も多いですが、中に入ると皆さん一様に気に入って下さるんですよ」。そう語るご住職様が施工するにあたり最もこだわったのが、山号額の設置である。以前の寺では鴨居に直接設置していたが、重さで鴨居が曲がってしまい襖が開閉出来なくなっていた。そこで今回は鉄骨に細工を施し、天井から吊り下げることに。永い年月を経ても檀家の皆様が困らないように、というご住職様の願いが込められている。

時を越えて 寄り添い続ける

少子高齢化が進む室蘭市。時代の変化と共に、寺院に求められるものも刻々と変化している。未来を見据え、使う人に真の意味で寄り添い利便性を究めた皓聖寺様は、末長く人々の心の拠り所としてあり続けることだろう。