寺社・大型建造物もクラシタス

曹洞宗長音寺 様

未曾有の震災が 地域の姿を変える

日本三景松島の東に位置する長音寺様。600余年に及び、この地域を見守り続けて来た歴史ある古刹を、2011年3月11日東日本大震災が襲う。10m以上の大津波は海岸から1kmも離れていない距離にあった長音寺様の本堂や会館、そして野蒜地区全域を飲み込み、地域は壊滅的な惨状となった。100人を超える檀家様と当時のご住職様も犠牲となり、先行きの目処も立たない、そんな時だった。津波に流された本堂の屋根の中から、泥だらけになりながらも、慈悲の眼で衆生を見つめておられる優しい表情のご本尊様が見つかったのだ(写真下)。その一条の光明が、残された檀家様や被災後も屋外で法要を続けてこられた後継となる秋山ご住職様の心の支えとなり、「復興」への強い思いを込め震災前と同じ場所へ再建する運びとなった。

希望を糧に困難の中 辿り着いた再建

震災後混沌の中での再建は、平坦な道のりではなかった。長音寺様のあった場所は現在市の条例で津波防災第2種区域に設定されており、建物の構造に規制がかかっているため、居住せず法要や葬儀のみ行う事を想定し設計することに。沢山の方々のご厚意により困難を乗り越え、地鎮式、そして遂に上棟式を無事迎えることが出来た日は「何とかここまで辿り着いたと感極まるものがありました」と秋山ご住職様が話す。上棟式では檀家様ら200人以上が集まり、再建を喜び工事の無事を祈った。

古里の 心のよりどころ

長音寺様の現在の敷地には『鎮魂の鐘』や、継承者がいなくとも花や木に囲まれて永眠できる『マイメモリー樹木葬』などもある。震災の影響で環境は大きく変わった。後継者を亡くしたり、無事でも各地に散ってしまった被災者は多い。そのような方々が安心して眠ることが出来る場所をつくりたいとの想いから樹木葬霊園を設置するに至ったそうだ。「お寺が古里の心のよりどころとなるよう願っています」と話す秋山ご住職様。震災から7年の月日を経て見事再建する長音寺様は、これから復興のシンボルとなり、この町と人々を末長く見守り続けることだろう。