スタッフ紹介

見よう見まねで技術を磨いた修行時代


クラシタス会 塗装工事担当
佐藤 茂一さん

新天地を求めていた中、出会った職場に縁を感じた

「塗装工事の仕事は、お客様が見ても成果がすぐ分かるでしょう。だから楽しいんですよ」と無邪気な笑顔を見せる佐藤さん。しかしその裏には、苦労を重ねた修行時代がありました。
出身は宮城県丸森町。阿武隈川で川遊びに親しみつつ、豊かな自然の中で育ちました。その後社会に出て医療器具の精密金型を作る工場に勤めましたが、その恵まれた大きな体格を活かせるような仕事がしたいと考え、会社を5年程で退職。その後、トラックの運転手を目指そうと思っていた折、ある人から声がかかりました。「塗装店に勤める、高校時代の先輩が『とにかく人手が足りない。時間があるなら、アルバイトしに来い』というんです」。この誘いに、直感で面白そうだと感じた佐藤さんは23歳の時にその塗装職人としての扉を叩きました。

「最初から最後まで自分で」
そこにやりがいを見出し
修行を重ねた日々

半年間はひたすら掃除、下地作り、ペーパーがけの毎日。手の皮が薄くなり、熱くて湯呑みも持てなくなる程。それでも佐藤さんは辛い毎日の中にもやりがいを感じ、この仕事が自分に向いているという確信があったそうです。
工場勤務の場合、関わるのは大きな工程の一部のみですが、この仕事で一人前になれば、最初から最後まで自分の手で仕上げられます。重責を負う代わりに、大きなやりがいも得られる。そう思えば過酷な修行も辛くはなかった、と笑います。
塗装工は、技術と知識が同時に問われる仕事です。塗る環境と材質、仕上げ方に合わせ、多種多様な塗料から適したものを選び、さらにハケやローラー、コテ、噴霧器など、数ある道具を選択します。そして最も難しいのが「調色」。塗料は乾くことで色が濃くなるため、その分を計算し、いかに元の色へと近づけるかが職人の腕の見せ所です。今ではこの調色ができない職人も増えているのだそう。「師事していた親方というのが職人気質な人でしたから、手取り足取り教えてくれるわけじゃない。『見てただろう。じゃ、やってみろ』の繰り返しですよ。私も負けず嫌いというか、『俺ならできる』という思い込みで、喰らい付いていった感じですね」。こうして一つひとつ技を身につけていったといいます。

大切なのは「下地」と「掃除」
親方が日々説いていた
基本を見失わずに17年

10年ほど務めたある日、親方に声をかけられました。「そろそろ独立してはどうか」。家庭を持ち、いよいよ家を建てようかという時期。独立するには良いタイミングだと考えた佐藤さんは、ほどなく独立を決意しました。
仕事のポリシーを訊ねると、こんな言葉が返ってきました。「親方が口を酸っぱくして言っていたのが『職人は皆スピードを気にするが、そんなものは後から自然と付いて来る。どんなに技術を身に付けても基礎である下地作りと掃除を絶対に怠るな』ということ。塗った所がいくらきれいでも、周囲が汚れていては台無し。独立して早17年になりますが、この言葉は今でも忠実に守っていますよ」。その力強い言葉に、修行の日々が、佐藤さんの確かな血肉となっていることが伝わってきました。