自分の理想を形にできる技術を習得することが目標

クラシタス大崎支店
吉田 尚子

  • 運命は運でなく掴むもの

    大学を卒業し職人の道で働く入社8年目の吉田尚子。 「女性が職人!?」と驚かれることだろう。 実は吉田、高校の修学旅行で訪れた京都で人生観が変わった。歴史ある建築物の金閣、銀閣、五重塔・・・パソコンやトラックもない時代にどんな技術でこれらが造られたのか? そんな疑問から、いつしか自分もこんな精緻な仕事を手掛けてみたいと強く思うようになり、高校卒業後は埼玉県にある「ものつくり大学」へ進学。大学在学時には木造実習として実際に建築現場で働く大工職人のもと、東屋造作等への挑戦や、体力で男性に負けたくない!と大学3年間、空手に打ち込む等、強い気性が磨かれていった。 出身は岩手県奥州市衣川。大学卒業後はこれまで自分が生まれ育った地元東北で仕事を通して恩返しがしたい!と切望し、住宅の改修や寺社仏閣を手掛けている当社に入社を決め、クラシタス初の女性職人の道を歩みだした。 入社当時、現場に行けば先輩職人からは「女性には無理!」と言わんばかりの対応。又、それ以上にお客様から「大丈夫?」と言われることも多かったと振り返る。心配の気遣いとは分かっていながらもそれが「とにかく悔しかった。」と当時を思い出します。認めてもらう為には、技術を習得するしかないと、とにかく必死に食らいついた3年間の日々でした。 4年目を迎える吉田は「今はもどかしい時期」だと言います。10人の職人がいれば10通りの納め方があると言われる世界。熟練の職人さんの下で日々観察し、「こんな風にしたい!」という自分の理想にまだまだ技術が追い付いていないことに、日々鍛錬と模索を繰り返しています。

  • 腕に技術だけの世界ではない

    職人として一番学んだこと、それは「お客様とのコミュニケーションがものづくりには一番大切」だという事実。 入社前には、職人=寡黙・余計なことは言わない、というイメージがあったが、いざ現場で感じたのは「お客様の希望をいかに具体化出来るか?」はそのイメージを職人が共有し「想いをくみ取る」という技術が必要だということ。 2016年には国家資格である工業板金技能士2級を取得し、着々と職人としての道を自ら切り拓いている吉田。この職人の道を自分で決めた時に両親から言われた「泣き言は言うな」という一言。その約束と自分の運命を掴もうとするその目にはもはや一点の曇りもない。