古民家の魅力に迫る

2019.03.28

日本の伝統建築である古民家。

今でこそ誰もが知っている「古民家」ですが、言葉の定義をご存知でしょうか。

一般的には「50年経過した建物」とされています。

意外と当てはまる建物は多いのではないでしょうか。

一般社団法人全国古民家再生協会としては「昭和25年の建築基準法制定時に既に建てられていた〈伝統建造物の住宅〉すなわち伝統工法とする」と定義しており、2019年時点で築69年以上の建物が該当します。

皆さんが想像しているTHE古民家のことですね。

こんにちは。古民家鑑定士1級の山形支店小関です。

昨今注目を浴びている古民家の魅力と再生方法について触れてみましょう。

まずは魅力から。

【魅力1】なんといってもその趣と温もりのある雰囲気。空間に身を置くだけで落ち着きますね。

【魅力2】当前ながら自然素材。むしろ時代から言って自然素材でしかないのでシックハウスなんて無縁。

【魅力3】広い。とにかく部屋数があり子育て世代こそ古民家はおすすめ。

【魅力4】耐久性抜群。実は100年経過した太くて立派な木材は建築当初より強度があり、数百年強度は増し続けるのです。

【魅力5】安い。日本の税法上建物の価値は底をついており、古民家が点在する地域は比較的土地も安かったりします。

 

次に不安点

【不安1】寒さ

高温多湿な日本の夏を「いかに快適に過ごすか」に焦点を当てて造られた古民家の冬は暖房だけでどうにかなる寒さではありません。

断熱自体昭和55年からの浅い歴史ゆえに古民家の冬は極寒です。

そもそも昔は空間を暖める暖房方式ではなく、こたつや火鉢などの局部暖房が主流でした。

冬は開放的な空間が逆効果をもたらし、空間暖房には向きません。

ただ、断熱リノベーションをすることでその悩みも解消されます。

床・壁・天井に断熱材、気密シートを施し、断熱サッシへの変更、適切は暖房方法を選択することで、古民家の開放感のある空間はそのままに、暖かさが手に入ります。

【不安2】耐震性

コンクリートがあるわけもない時代なわけで、当然基礎はありません。

建物が石に乗っているだけ。

それでも実績として幾度の大地震も乗り越えてきた古民家は「免震構造」(一般社団法人日本免震構造協会)なのです。

現代のビルなどにも採用される免震構造は地面に固定しないことで地震の揺れを吸収する構造です。

古民家は職人の技により釘を1本も使わずに組みあがっており、茅葺き屋根や瓦屋根で重みでどっしり構え、固めない伝統工法は地震の衝撃をあえて建物を揺らして吸収。

地震大国日本において昔の知恵には驚かされます。

今の基準に合わせるには固めて耐える「耐震」にする必要があり、基礎や耐力壁など大掛かりな工事が必要です。

【不安3】材料の古さ

古民家に使われている木材は「古材」と言われ、読んで字の如く古い材料です。

古いと聞くと耐久性が不安になりますが、心配ご無用。

世界最古の木造建築物と言われる法隆寺は築1400年。

木は年月を重ねるほど強度が増すので、新築より築100~200年の古民家の方がよほど材料は強くなっています。

木材としての強度は、700~800年まで強度が増し続けるのです。

一方コンクリート寿命は諸説あるものの、しっかり管理されたもので120~150年と言われているので、いかに木材の寿命が長いかお分かりいただけるのではないかと思います。

いかがでしたでしょうか。

ケースバイケースですが、ほとんどは「古いから」「大きすぎるから」「使いづらいから」という理由で解体されてしまう古民家。

専門家の意見を取り入れ適切な再生方法で施工することにより現代にマッチした至極の空間に生まれ変わります。

現代の技術を以てしても「時」が造り出した強度と味わいは残念ながら再現することはできません。

魅力をそのままに、不安を解決しながら日本の伝統文化を守っていきたいものです。

(山形支店/小関)

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私たちが目指すのは「壊れたから直す」「古くなったから新しくする」という
修繕・修復の他に
お客様のご要望と夢を追求し、
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