寺社・大型建造物もクラシタス

曹洞宗 亀向山 龍泉院 様

樹齢380年の 銀杏の名所

宮城県石巻市にある龍泉院様。大正、昭和期には「お寺を見るなら松島の瑞巌寺、石巻の龍泉院」と地元の人々に広く親しまれていたという。その歴史は古く、開山は天文元年(1531年)。境内の池から竜神が現れ石となった伝説があり、その竜石は不開の秘宝として今も残されているという。現在は樹齢380年の銀杏の大木(石巻市指定文化財)の名所として知られ、秋には多くの人が訪れる。

地元で愛された山門を守る 緻密で繊細な技術

その参道の入り口にある山門は1850年代に建てられたもの。当時から多くの人を迎え入れてきた門であったが、重い瓦を支えていた上、地盤の傾斜もあり、徐々に傾きが顕著になってくるようになった。そして東日本大震災でいよいよ危険となったため、対策を検討していたという。古くから多くの人に親しまれ、地域の誇りにもなっていた立派な山門への思い入れは地元でも強かった。どうにかこのまま残せないか。それが希望だったという。そんな折、弊社営業の菊池と知り合い、相談をするように。多くの寺社の改修経験もさることながら「問題に真摯に向き合ってくれる人柄が信頼できた」とご住職様は依頼したきっかけを振り返る。
山門の傾きを直すにあたっては、技能五輪(厚生労働省・JAVADA主催)の建築大工部門のメダリストである若手の宮大工をはじめ、寺社改修のスペシャリストが集まった。傾きを直すには、一度山門を持ち上げて、八本ある柱の長さをそろえる必要がある。そこでジャッキで山門を持ち上げ、水平に近づけるように調整する。釘を使わず木で組まれた山門は、少しでも力加減を誤ると、山門の組木が外れてしまい、元に戻りにくくなる。そのため豊富な経験が求められた。また、屋根を瓦から銅板へと葺き替えし、重量軽減と耐久性を持たせた。そして山門の柱や屋根の妻側には、木部を守る役割もある隅木包みや破風飾りと呼ばれる飾り金物を施した。これらは全て、ひとつひとつ職人が型を取って手打ちするものであり、その美しさは寺院の見所のひとつになる。

安らげる場としての寺院に

その出来映えに、ご住職様はもちろん、檀家の皆様からも驚きと感激の声が上がったという。その美しさを絵に描いてくれた方もおり、今は本堂に飾られている。また、弊社との付き合いはその後も続き、雨漏りのあった向拝や庫裏の屋根などの修繕を重ねている。
「先祖参りに来られる方々が、四季折々の桜や青葉、紅葉や銀世界を見て、静かに安らげるように」とご住職の奥様は寺院への思いを語る。開山から約500年、山門は200年。その歴史と思いを職人の技術で繋ぐことができた修繕であった。