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ヒートショックってなに?そのサインと起きた時の対処法 facebook

冬になると、入浴中やトイレで突然倒れる事故がニュースで取り上げられます。
その原因の一つが“ヒートショック”。
高齢者に多いと言われますが、実は若い人にも起こり得る危険な現象です。

今回は、ヒートショックの原因や症状、そして起きた時の対応について、できるだけわかりやすくお伝えします。

 

●ヒートショックとは?
ヒートショックは、急激な温度差によって体がストレスを受ける現象です。

例えば、暖かいリビングから冷えた浴室やトイレへ移動した際、血圧が急激に上下し、心臓や血管に大きな負担がかかります。
重篤な場合は、心筋梗塞や不整脈などが引き起こされ、命にかかわることもあります。

これは、高齢者だけでなく、若い方にも起こりうる危険です。
特に生活習慣病をお持ちの方や疲労が溜まっている方は注意が必要です。

予防のポイントは、室内の温度差をできるだけ少なくすることです。
これだけでも体への負担を大幅に軽減できます。

 

●ヒートショックの前段階のサインとは?
ヒートショックは突然起こるだけではなく、前兆となる症状が現れることもあります。
例えば、次のようなサインがある場合は注意が必要です。

・入浴中やトイレで「めまい」「立ちくらみ」を感じる。
・入浴中やトイレで意識がもうろうとしてくる
・体が一時的にだるくなる

少しでもおかしいなと感じたら、入浴中はすぐに湯船から出る、暖かい部屋に戻るなど適切な対応を取りましょう。

 

●ヒートショックが起きた場合の対応
もしヒートショックが起きた場合、迅速で適切な対応が命を守るカギとなります。ここでは入浴中にヒートショックが起きた時の周囲の人が取るべき対策を紹介します。

1. 助けを呼ぶ
浴槽の水を抜いて、大きな声で周りに助けを求めます。

2. 安全確保
浴槽から引き上げられるなら出し、難しい場合は体が沈まないよう工夫します。
そして、すぐに救急車を呼びます。

3. 意識と呼吸の確認
肩をたたきながら声をかけて反応を確認し、反応がなければ呼吸を確認します。

4. 必要に応じて心臓マッサージを行う
呼吸がなければ胸を押して心臓マッサージを始めます。人工呼吸ができるようであれば、胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返し行います。

素早く対応することが、命を守るために大切です。

なお、胸骨圧迫の方法などは以下のページが参考になります。
いざというときのために 応急手当の知識と技術を身につけておきましょう(政府広報オンライン) (外部リンク)

 

●ヒートショックを防ぐには
ヒートショックは、住まいの温度差を減らすことで予防できます。

特に、暖かいリビングと冷えがちな浴室やトイレ、廊下などの寒暖差を小さくする工夫が大切です。
具体的な対策としては以下のようなことが挙げられます。

・浴室や脱衣所を暖める:入浴前に浴室を暖房で暖めたり、湯温を40℃以下に設定する。
・寒い場所を暖かく:脱衣所や廊下に暖房器具を置いて寒さを軽減する。
・断熱性能を高める:二重窓や断熱ガラスを導入する、壁や床に断熱材を追加する、断熱性の高いドアに交換する。

これらの対策で室内の温度差が減り、健康面や光熱費の改善にもつながります。
まずはできるところから家全体で快適な温度環境を目指したいですね。

参考:
消費者庁:高齢者の事故を防ぐために
高齢者の事故に関するデータとアドバイス等[PDF: 629KB]
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_055/assets/caution_055_211208_0002.pdf

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