寒い冬、浴室や脱衣所、トイレの冷えにお悩みではありませんか?
冷えた場所から暖かい部屋に移動すると、体に大きな負担がかかることがあります。これが「ヒートショック」と呼ばれる現象で、血圧の急上昇や心臓への負担を引き起こすリスクが高まります。
でも、窓の断熱対策をするだけで、家中の温度を安定させこのリスクを減らすことができます。
今回は、手軽にできる方法からリフォームまで、窓を通じたヒートショック対策をご紹介します。
●窓が家の暖かさを左右する
実は、家の中で一番熱が逃げやすいのは「窓」です。
住宅全体の熱損失の約58%が窓からと言われており※、断熱性能が低い窓は暖房しても室温が下がりやすい特徴があります。
特に、10度以上の温度差があると血圧が急上昇し、ヒートショックのリスクが高まります。
窓の断熱性を高めれば、室温が安定し、健康リスクを減らせるだけでなく、家全体が暖かく快適になります。
●窓断熱のおすすめ対策
窓を見直すと、家族みんなが快適に過ごせる空間が実現します。
1. 内窓(二重窓)や複層ガラス
・内窓(二重窓):既存の窓の内側に窓を追加する方法です。断熱効果だけでなく、結露や防音にも効果的です。
・複層ガラス:2枚のガラスの間に空気層があり、冷気や熱の出入りを抑えます。一般的に窓枠ごと交換する必要がありますが、スッキリとした見た目に。
2. 特殊ガラスを活用
・Low-Eガラス(金属膜入りガラス):複層ガラスの内側に熱を反射する効果のある膜をコーティングしているものです。断熱性能が高く、夏は涼しく、冬は暖かくなります。省エネ効果が高いので長い目で見ると経済的です。
3. 樹脂フレームの採用
アルミ製の窓枠よりも断熱効果が高く、結露も防ぎやすい樹脂フレーム。見た目も自然でおしゃれです。
●リフォームなしで始められる断熱対策
すぐにリフォームが難しい方でも、以下の工夫で窓の断熱性能を向上させることができます。
・断熱シートを貼る:窓ガラスに貼るだけで冷気を抑える効果があります。手軽で、賃貸住宅でも取り入れやすい方法です。
・厚手のカーテンを使う:窓にしっかりした厚手のカーテンをかけると、外気の冷たさが伝わりにくくなります。すそが床まで届くタイプを選ぶとより効果的です。
・ハニカム構造のブラインド:空気を含む構造で断熱性が期待できます。設置が簡単でデザイン性も兼ね備えています。
●特に対策が必要な場所はここ
家の中でも寒さが気になる場所から優先的に取り組んでみるといいでしょう。
・浴室や脱衣所:寒い脱衣所に入ると血圧が急変しやすくなります。断熱窓を取り付ければ暖かさが保たれ、リラックスしたバスタイムを楽しめますよ。
・トイレ:短時間の利用でも冷えた空間にいると体に負担がかかります。暖房と合わせて窓の断熱対策をすれば快適さが大きく変わるでしょう。
・寝室:夜間の冷え込みを防ぐことで、暖かく安定した室温を保てます。断熱窓を取り入れると、寒さで目が覚める心配も減り、質の良い睡眠がとれるようになります。
●補助金制度を活用しよう
断熱窓の設置には初期費用がかかりますが、多くの自治体で補助金制度が利用できます。
リフォーム費用の一部が補助されるため、経済的な負担が軽くなりますよ。
「自分の家が補助金の対象になるの?」「どうやって申請するの?」といった疑問がある場合は、リフォーム会社に気軽に相談してみましょう。プロのサポートでスムーズに進められますよ。
●まずは小さな一歩から
窓の断熱対策は、暖かい家を実現するだけでなく、家族の健康を守るための大切な取り組みです。
「どこから始めたらいいかわからない」という方も、まずは浴室や脱衣所など、冷えやすい場所から対策をしてみてはいかがでしょうか。
※出典:
(一社)日本建材・住宅設備産業協会ホームページ
https://www.kensankyo.org/