冬の寒さが厳しい季節、冷えた浴室やトイレに入るのが億劫に感じることはありませんか?
こうした冷えは、不快なだけでなく、急激な温度変化による「ヒートショック」を引き起こし、健康リスクを高める可能性もあります。
特に高齢者がいる家庭では、対策を講じることが大切です。
今回はヒートショックを防ぐ浴室やトイレの断熱方法やアイデアをご紹介します。
なによりもまず寒暖差を減らすことがヒートショック予防の基本です。
浴室や脱衣所を温め、体への負担を軽減しましょう。
入浴前に脱衣所や浴室を温めることで、急な温度変化を抑えることができます。浴室暖房乾燥機があれば便利ですが、ない場合は、浴槽にお湯を張る際にシャワーを使ったり、湯をかき混ぜて蒸気を立てたりすると効果的です。
浴室の窓は、DIYでポリカーボネートを使った二重窓を作ったり、断熱フィルムを貼るのがおすすめ。
床には断熱シートやマットを敷くだけで冷気の侵入を防げます。
また、脱衣所に小型ヒーターを置くと、手軽に暖かさを保てます。
冷たいトイレは快適さを損なうだけでなく、急な血圧上昇を引き起こすこともあります。
暖房便座を活用したり、小型のセラミックヒーターを置いたりして、空間を暖かく保ちましょう。
湯温は41度以下、入浴時間は10分以内が目安です。
高温で長時間の入浴は体温を上昇させすぎるため、意識障害や溺水のリスクが高まります。
湯船に浸かる前にはしっかりかけ湯を行い、体を温めてからゆっくり入浴しましょう。
水圧がかかっている状態から急に立ち上がると、血圧の急激な低下により脳の血流が不足し、一時的な意識障害を引き起こす可能性があります。
浴槽の縁や手すりを利用し、ゆっくりと立ち上がりましょう。
食後は血圧が下がりやすく、飲酒後も同様に血圧が不安定になるため、入浴は控えましょう。
また、服薬後の入浴も避け、体調の悪いときは無理をせず休むことが大切です。
入浴中に万が一体調を崩した場合、早期に発見してもらえるよう、入浴前に家族に知らせておきましょう。
これだけでも安心感が増します。
より快適で安全な空間を求めるなら、断熱リフォームも検討してみましょう。
浴室には壁や床の断熱性能を高めたユニットバスを導入することで、効率的に暖かさを保つことができます。
また、脱衣所やトイレに内窓を設置することで、冷気の侵入を抑え、室温を一定に保つことができます。
寒い季節だからこそ、ちょっとした工夫で家族みんなが安心して過ごせる環境を整えておきたいですね。
毎日の暮らしに少しずつ取り入れて、今年の冬を健康で快適に乗り切りませんか?
参考:
消費者庁:高齢者の事故を防ぐために
高齢者の事故に関するデータとアドバイス等[PDF: 629KB]
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_055/assets/caution_055_211208_0002.pdf