住宅は梅雨で劣化する?雨や湿気から家を守る方法を徹底解説!

2021.07.02

梅雨の時期になると、ジメジメと湿度が上がり、不快指数もピークに達します。
雨が降り湿気が多い環境は、住宅にとって決して良くありません。
自分の家は大丈夫なのか、湿気で劣化してはいないだろうか、何も対策しなくても良いのかなど心配になるものです。
湿気で住宅の寿命が短くならないように、そして快適な生活を送るために、梅雨の湿気対策は必要不可欠です。
湿気により建物のどの部分にダメージがあるのか、どのような方法で住宅を湿気から守るのか見てまいりましょう。

 

梅雨に湿気が溜まる仕組みと対策!

梅雨の時期は、どんより曇っている日が多く、いつ雨が降り出すか分からない状況です。
日光が入らない環境では、溜まった湿気は取り除かれないまま室内に留まってしまいます。
窓を開け換気をしても、風通しが悪ければ、空気の循環も上手くいきません。
風通しが悪い場合は、扇風機やサーキュレーターで空気の流れを作って循環させる必要があります。

湿気で懸念されることの一つにカビやダニの発生が挙げられます。
窓の周辺や壁紙、エアコン内や水廻りの洗面・浴室などさまざまなところにカビは発生します。
面倒ではありますが、サッシや窓枠は、常に水滴を拭き取り、埃を溜めないようにしなければなりません。
ダニは梅雨の時期にソファやカーペット、布団などに発生します。
カビやダニは人体に悪影響を及ぼし、アレルギーを誘発し鼻炎や喘息、肺炎につながる可能性もあるので注意が必要です。

 

梅雨の湿気による住宅への影響!

・フローリングが湿気で劣化するリスク

木製のフローリングは湿気を吸収しやすく、伸縮が起こるためにきしみが生じます。
そのことで腐食が進行しやすいため、対策としてリフォームが必要になります。
もし床を踏んだ時に柔らかく感じたら、湿気を吸い込み腐食が始まっている兆候かも知れません。
まずは小まめな換気で空気を循環させ、エアコン除湿や除湿機で室内の湿度が上昇しないようにすることが必要です。

また、洗面脱衣所やトイレなど水廻りの床によく使われているクッションフロアは、湿気の影響で接着剤が剥がれてしまうことがあります。

接着剤が剥がれるとクッションフロアと下地である材木との間に湿気が溜まります。

隙間に湿気が溜まると下地である材木が腐食し、床が沈んだり、最悪の場合には抜けてしまうこともあり、大変危険です。

違和感を感じたらすぐにクラシタスにご相談ください。

窓口はこちら

 

・床下の材木が、湿気で腐食やシロアリ発生のリスク

普段あまり見ることのない床下ですが、梅雨の時期は湿気がよく溜まる場所です。
最近の住宅は、底と枠で構成されたプール型のベタ基礎が主流ですが、逆T字型の布基礎の場合もあり
床下の環境も構造によってさまざまです。
床下には、建物を支える土台となる重要な材木が存在します。
その重要な材木が梅雨による湿気で腐食してしまうと、床や柱が傾いてしまいます。


続いて、湿気の多い場所で気になるのがシロアリの被害です。

シロアリは浴室や洗面脱衣所など湿気の多い場所に発生しやすく、床下の材木を餌にして柱まで食い尽くしてしまうこともあります。

柱や梁までシロアリの被害が及ぶと、床や壁を破って大掛かりな補修工事が必要となりますので、予想外の出費が生じてしまいます。

シロアリ
対策として、定期的に床下の点検をすることをおすすめします。
材木の腐食とシロアリ被害の有無を確認し、早期に発見することで修繕費用を抑えることができます。

また、材木にどれだけの水分が含まれているかを示す含水率の計測も効果的です。
含水率の数値で床下の湿度が適正かを判断することができます。

 

・基礎のコンクリートにエフロやクラック発生のリスク

鉄筋コンクリート造の住宅だけでなく、木造住宅の基礎部分にも実はコンクリートが使用されています。
一見コンクリートと湿気はあまり関係がないように思えますが、コンクリートの内部には細かい毛細管が存在し、
湿気を含んでしまう特性があります。

コンクリートの内部に湿気が入り込むと、結露することがあり、液体化してしまうとコンクリートの中から
水酸化カルシウムが溶け出してしまいます。
水酸化カルシウムを含んだ水がコンクリートの表面に出てくる現象をエフロといいます。
このエフロが発生するとコンクリートの強度が弱くなり、老朽化を進めてしまう原因となります。

コンクリート内部に鉄筋が入っている場合は、錆びにもつながり弱くなってしまうと強度が心配になります。
住宅の基礎部分にも注目し、コンクリートにエフロが起きていないか、強度が落ちて
大きなひび割れ(クラック)はないかをチェックする必要があります。

是非クラシタスにお申込みをして外からと床下内部の点検を実施してください。
お申し込みはこちらから。

 

 

梅雨対策に必要な簡単にできる湿気対策!

梅雨対策は、湿気を室内に溜め込まないことが重要です。
湿度が高いままの状態で放置していると、材木の老朽化が進み住宅寿命を縮めます。
空気を循環させて、出来るだけ湿度を下げることを心がけましょう。
ちょっとしたことで、結果が変わってきますので毎日気が付いた時に行うことをおすすめします。
続く項目では具体的な梅雨の湿気対策について解説します。

 

・屋内の空気の循環を良くする

雨の降らない日は、窓を全開にして空気を循環させましょう。
その際、キッチンのシンク下の扉やカップボードの扉、洗面脱衣所の収納、シューズクロークの扉など
開けられる扉は全て開けるとより効果的です。
このことで湿気によるカビや臭いの発生を抑えることができます。
日中は開けておき、湿気の多くなる夕方には閉めるのがポイントです。

 

・クローゼットや押入れ・収納を換気する

梅雨の時期は、着用した衣服に湿気が溜まっていることがあります。
外出時にそのままクローゼットに収納してしまうと他の衣服まで湿ってしまいます。
帰宅して脱いだ衣服はしばらくの間部屋で乾燥させてから収納することをおすすめします。

部屋の湿度が高い場合は、エアコンの除湿機能やサーキュレーターなどを使って衣服の湿気をとりましょう。
またクローゼットの扉は閉めっぱなしにしないで、窓を開けた時には風を通して湿気を取り除くことが重要です。
加えて押入れや収納も普段は閉めていることが多いので、時々開けて空気を入れ替えましょう。
特に洗面脱衣所などの収納は湿気が溜まりやすいので、タオルやパジャマなどの衣服類に
悪臭やカビが発生しないようにしっかりと換気をしましょう。

 

・エアコン除湿や除湿アイテムの活用

室内の除湿には、エアコンの除湿機能や除湿機を活用します。
また、水廻りには換気扇や換気機能を使用することで、湿気対策を行うことができます。
その他トイレやクローゼットなどの密閉された場所では、炭や除湿剤をおくことで湿気を取ることができます。
狭いスペースでは、除湿アイテムを上手く利用することがおすすめです。

 

 

リフォームによる湿気対策!

本格的に住宅を守り、住宅寿命を延ばすためには、リフォームによる湿気対策が必要です。
特に木造住宅は、湿気の影響を受けやすい性質があります。
大切な住宅の建材が湿気で腐食したり、シロアリの被害にあっては元も子もありません。
長く住める状態を維持するためには、定期的なメンテナンスがかかせません。

 

・リフォームによる床下の湿気対策

最も見えにくい場所である床下は、湿気が溜まりやすい場所でもあります。
床下における湿気対策のリフォームとして以下の対策があります。

 ・地面に防湿シートを設置する

 ・床下に換気扇を設置する

 ・湿気を吸収する床下調湿材を設置する

「防湿シートの設置」は、地面から上がってくる湿気を防止します。
特に河川の近くや水脈があるような、地盤そのものに湿気が多い土地に有効です。

「床下換気扇」は、外気を循環させることにより床下の湿度を下げる効果があります。
床下の風通しが悪く、空気の循環が良くない住宅の場合は特におすすめです。
但し、空気の入り口と出口を計算して設置しなければ、効果的に循環しません。ご検討の際は是非クラシタスにご相談ください。
ご相談はこちらから

「床下調湿材」は、木炭やゼオライトという調湿材があり、湿度が高くなると湿気を吸収する性質があります。
木炭などの調湿材は、湿気を吸収した後に、乾燥をさせれば湿気を放出するので、半永久的に使用することができます。
梅雨対策の一つとして床下の湿気対策リフォームをすることは、住宅寿命を伸ばす重要なポイントのひとつです。

 

・リフォームによる窓サッシの湿気対策

梅雨の時期は、窓からの湿気も気になります。
この湿気によりサッシや窓枠まで、カビが発生しやすい状況が生じます。
最も効果的な対策は、二重サッシにリフォームすることです。
既存のサッシの内側に樹脂製のサッシを取り付ける工事の場合は、比較的簡単に施工できます。
サッシを二重にすることによって、湿気防止をはじめ断熱効果や冬の結露防止にも威力を発揮します。

 

・リフォームによる壁の湿気対策

住宅の湿気が多いということは、住宅の断熱性が低いことが原因の一つです。
築年数が経過している場合は、断熱材を新しく取り替えることで、住宅寿命を延ばすことができます。
他にも、室内の湿気の調節方法として調湿作用のある内装材にリフォームすることもおすすめです。

例えばエコカラットや珪藻土を壁に施工することで、湿気が吸収されて乾燥時には湿気を放出する調湿効果が期待できます。
微小な孔が無数に開いているため、活性炭のような調湿効果があるためです。
エコカラットや珪藻土は脱臭効果や断熱効果に加え、不燃性もあるため安全で安心な素材です。
また珪藻土の壁紙は、工期が短く手軽に張り替えられる利点もあります。
特にトイレや洗面脱衣所など、湿気の多い施工するとより効果的です。

 

・リフォームによる室内干しの湿気対策

梅雨の時期に困るのが、外に干しても乾きにくい洗濯物です。
乾燥機を使うのも良いですが、衣類につく臭いや縮みが気になります。
そこで室内に洗濯物を干すスペースを作り、乾燥機を設置すれば臭いや縮みも気にせず、花粉やP M2.5などの対策にもなります。
天井に格納できる物干しユニットをつけることもできるので、洗濯物を取り入れた後は、格納すれば見た目もスッキリします。

 

 

一戸建て外周りの梅雨対策!

新しい住宅であればあまり心配は要りませんが、築年数の経っている住宅の場合、梅雨の時期には雨漏りが心配になります。
「屋根は大丈夫なのか」「外壁サイディングのコーキングが劣化して雨水が壁の中に入っていないか」等、雨水に対する対策を
講じなければなりません。
屋根と一言で言っても、屋根材の劣化や屋根の側面にある破風板・雨樋が付いている下地の鼻隠しなど、雨風をダイレクトに
受けてしまう部分も老朽化していないかチェックする必要があります。

特に築年数の古い住宅では、破風板や鼻隠しは建材として木を使用している場合が多く、日々紫外線や雨風にさらされ大きなダメージを受けています。
破風や鼻隠しが老朽化していれば、建物内部に雨水が侵入してくる可能性があり、内部の材木を腐食させたり、雨漏りの原因にもなります。
また、雨樋が老朽化していて亀裂が入っていたり、金具が外れていたりと雨樋としての機能が果たせない状態になっている可能性もあります。

まずは、雨樋・破風・鼻隠しなどの屋根に付随する部材を含めて、屋根の点検を依頼することをおすすめします。
外壁も同じように、モルタルの外壁ならクラックが入って雨水が侵入していないか、サイディングならコーキングが劣化し
硬くなって防水の役割を果たしていないかなども点検を依頼し、早めに対処することが重要です。
ご依頼はこちらから。

 

 

マンションでできる梅雨対策!

一般的に戸建住宅よりもマンションの方が、湿気は溜まりやすい傾向があります。
理由は、気密性が高すぎることと、一戸建てに比べて窓が少ないため空気の通り道が作りにくいことが原因です。
特にコンクリート構造のマンションは、新築の場合コンクリートの水分が抜けておらず、完全に水分が排出されるまで
10年程度かかるといわれています。
特に最初の3年は水分量が多く、結露などに悩まされます。

そこで対策ですが、マンションの窓を2カ所ほど開けて空気の通り道を作り、循環させます。
またクローゼットや収納スペースも扉を開けて換気を怠らないようにします。
衣服など詰め込みすぎないことも、湿気対策には重要なポイントです。

その他、室内に大きな観葉植物をたくさん置いたり、水槽などがあれば湿気は増しますので、あまり多くなりすぎないように注意が必要です。
上記の対策を講じても、湿気に困った場合は、調湿効果のある内装材にリフォームすることをおすすめします。
但し、マンションの場合は、共用部分と専有部分に分かれていますので、リフォームが可能な場所に制限があります。
管理規約に基づき、許可が必要なマンションもありますので、リフォームする際は事前の確認が必要です。
手軽な湿気対策が希望であれば、珪藻土の壁紙に張り替えたり、エコカラットなどの調湿材にリフォームすることがおすすめです。

 

 

まとめ

住宅にとって湿気は、悪影響を与える原因の一つです。
重要な材木を腐食させたり、シロアリの被害があると、劣化だけではなく住宅自体の強度も失われます。
そこで地震や災害の対策としても、梅雨時期の湿気対策が必要です。
この機会に早目の
点検を依頼し、傷んだ箇所を早期に修繕することをおすすめします。
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