相続登記をしないとどうなる?
2024.06.21
相続登記をしなければ一体どうなってしまうのかを見ていきましょう。
相続人が増えて権利関係が複雑になる
それでは相続登記を長い間放置した場合にはどのようなことになってしまうのでしょうか。
長期間相続登記をしなければ、相続人の数が 膨大に増えてしまって、権利関係が複雑になってしまいます。
例を挙げると所有者が亡くなってその相続人が子供3人としましょう。
相続登記をしないままその子供3人が亡くなった場合、またその子供(所有者の孫)が相続人となります。
その子供も亡くなったとすれば 一体どうなるのでしょう。
それぞれの3人の子供の孫が全員集まって、全員の合意がなければ相続登記を行うことは事実上 かなり困難になってしまいます。
このような現象が起きれば、いつまでもその土地が誰のものでもない状況が起き、そこで普段付き合いのないもの同士が財産のことでトラブルになり兼ねません。
そういった意味でも相続人は相続登記を早くする必要があるのです。
それが最も複雑にならずに無駄な時間と費用を掛けずに済むということです。
親戚同士にもかかわらず財産を巡ってのトラブルを避けるには、所有者が亡くなった場合、相続人の相続登記を迅速に行うことが最良の結果につながるのです。
簡単に売却できない
不動産の相続登記をしないということは登記簿上は亡くなった所有者のままになっています。
そのため不動産を売買することはできません。
また、不動産を担保に提供したりすることも、所有者と登記簿上の所有者が一致していないとできないということになります。
相続登記をしないまま相続の権利がある人が、今は売却するつもりがないので放置してしまうというケースがよくあります。
しかし、いざ売却しようとした場合に他の相続人と連絡がつかなかったり、手続きに協力が得られなかったりした場合には売却は不可能になります。
つまり相続登記を放置すると、売却や担保提供ができないということになるため注意が必要なのです。
差し押さえや共有持分を売却されることも
複数の相続人の中には借金をしている人がいる可能性もあります。
その相続人の債権者が相続人に代わって法定相続による相続登記を申請して、借金をしている相続人の持ち分を差し押さえることもできます。
またその相続人も自分の持ち分を売買したり、担保提供したりすることが可能です。
そのため相続登記をしないで放置している間に、本来の相続人ではない第三者が権利関係に入ってくることもあるのです。
このような理由で今回不動産登記の義務化が施行されることになりました。
迅速に相続登記をすることは、ある意味自分の財産を守ることに繋がり、家族間や親戚同士の揉め事を回避することに繋がります。
相続登記の手続きが面倒で費用も掛かるので放置する人が多いですが、実は放置すると無駄な費用と時間、家族間のトラブルに繋がるということです。
相続に直面している方は、3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料が科せられますので必ず行いましょう。