オール電化にリフォームするメリットや注意点!床暖房は温水循環式を!
2022.02.09
オール電化にリフォームするメリットや注意点!床暖房は温水循環式を!
オール電化には賛否両論ありますが、コンロなど火を使わないので安全性の面でオール電化にされたい方も多いと思います。
具体的にどのような部分にメリットがあるのでしょうか。
また床暖房にしたい場合には、オール電化の場合どうすればいいのだろうという疑問もあると思います。
今回はオール電化を導入する場合の注意点も紹介し、オール電化への切り替えで押さえるべきポイントや床暖房の紹介を解説します。
オール電化の設備
調理や空調給湯などの熱源は、従来であれば電気とガス灯油などで使い分けすることが一般的でしたが、これを全部電気でまかなうシステムがオール電化なのです。
オール電化を導入すると、その他に熱源を利用することがなくなるので光熱費を割安にしたり、太陽光発電と組み合わせて省エネに貢献することもできます。
オール電化に変更する際に、どのような部分が変わるのか、主にオール電化設備について解説します。
・IHクッキングヒーター
電磁波を利用して熱を発生させることで直火を使用せずに調理できる器具が、 IH クッキングヒーターです。
コンロで火を使用しないため安全性が高く、平らな設計で掃除もしやすいということが大きなメリットです。
さらに熱伝導率が高く光熱費を削減できることもメリットの一つでしょう。
IH クッキングヒーターを設置する際には、200 V の電源が必要なため IH 用にブレーカーを200Vに変更する工事を同時に行うことが必要です。
・床暖房
電気代が安い夜間に蓄熱剤を温めておき、需要が大きい昼間に放熱するシステムを取り入れるため光熱費を押さえて床暖房を使います。
エコキュートで温めたお湯を循環させる方法も使えるだけではなく、部屋全体を温められることがメリットです。
・エコキュート・電気温水器
室外に大きなタンクを用意して、タンクに汲み上げた水を電気の力で沸かすことができるのがエコキュートと電気温水器です。
どちらも仕組みは変わりませんが、コンパクトな電気温水器と比較するとエコキュートの設置にはスペースが必要です。
そのためマンションでオール電化にリフォームする際は、エコキュートを設置できない可能性があるので注意が必要です。
オール電化にリフォームするメリット
オール電化へのリフォームにはそれなりの費用がかかりますが、初期投資を行ってでもオール電化を導入するメリットは本当にあるのでしょうか。
オール電化にした場合に、日常生活でどのような効果を実感できるのか具体的な例を挙げて紹介します。
・ 光熱費を節約できる
ガス代と電気代は、それぞれ使用した料金とは別に基本料金がかかりますが、電気料金だけにまとめることでガスの基本料金が不要になります。
総務省が行った家計調査では、電気とガス灯油を合わせた年間平均使用額は23万円以上ですが、オール電化の家庭は約19万円と割安です。
電気代は需要が少ない夜間や深夜に安くなるという特徴があります。
この時間をうまく利用して、お湯を沸かしたり貯めたりできることもオール電化のメリットです。
昼間の電気代が高い時間帯であっても、安い深夜電力で沸かしたお湯を使用することができるので、電気代の節約につながります。
ただし電気を使用する時間帯は、各家庭によって異なるため昼間に電気をたくさん使う家庭の場合は反対に電気代が高くなる可能性もあります。
・電気は災害時の復旧が早い
日本は地震や台風などの災害が多い国で、そのたびに電気やガスなどのライフラインが停滞し、復旧まで時間を要することが多いです。
特にガスはガス漏れの安全確認が必要なので供給の再会には非常に長い時間がかかってしまいます。
一方、電気は早く供給が再開されるため、災害の際でも日常生活に戻りやすくなるというメリットがあります。
・火災保険料が割引される場合がある
保険会社によっては、オール電化住宅の火災保険料を割引しているところもあり、通常のプランで契約を結ぶよりも保険料が安くなることがあります。
割引の適用条件は保険会社によってさまざまなため、内容を確認する必要がありますが、暮らしに必要な保険料を削減できることは非常に大きなメリットといえるでしょう。
・太陽光発電と相性が良い
電気代は昼間は高くて夜間が安いという特徴があります。
太陽光発電を導入すると、料金が高い昼間の電気は自家発電によって補うことができます。
設置費用は高額で初期費用はかかりますが、使い切らなかった分の電気は安くなったとはいえ、売電することが可能なので黒字化されるケースもあります。
オール電化にリフォームする際のポイント
オール電化を取り入れる際にはいくつかのデメリットもあります。
メリットとデメリットを見極めて、自分のライフスタイルにオール電化がマッチする場合には、本格的に導入を検討してはいかがでしょうか。
・ IH コンロのため調理器具が限定される
オール電化に切り替えるとガスコンロを使用できなくなり、 IH クッキングヒーターを使用した調理に限られます。
中華料理のような強い火力を必要とする調理を行っている方にとっては、若干の物足りなさを感じる可能性もあります。
また電気を通さない調理器具を使用できないので、 IH 非対応の土鍋など IH クッキングヒーターで使うことは不可能です。
こういった調理器具を使用したいのであれば、別にカセット式コンロなどを用意する必要があります。
・ ガスによる暖房器具が使えなくなる
ガスを燃料にする暖房器具が使えなくなるので、過去に使用していた器具がある場合は何らかの形で処分しなければなりません。
エアコンはそのまま使い続けられますが、床暖房がガス式の場合は全体のシステムを変更する必要が生じます。
・ 停電の時には熱源が断たれる
災害時以外での停電が発生することがありますが、何らかの理由で電気の供給がストップしてしまうと家全体の熱源が断たれてしまいます。
ガスを併用している家庭なら、電気だけ止まってもガスを使用する調理などは使えますが、オール電化の場合はそれが出来ません。
これはオール電化の最大の弱点でもありますが、それを解消するためのシステムが整えられつつあります。
オール電化の普及に合わせて停電時にも利用継続できる機器も増え始めていますから、丁寧に対応できる機器の導入も検討すると良いでしょう。
床暖房には大きく分けて2種類のタイプがある
床暖房には複数のタイプがあり、代表的な2種類に分類すると電気ヒーター式床暖房と温水循環式床暖房に分かれます。
それぞれのメリットとデメリットはあるので、まず両方の特徴について詳しく見ていきましょう。
・電気ヒーター式床暖房
電気を使って温めるタイプの床暖房です。
床材もすぐ下に発熱体又は蓄熱体を設置し、そこに電気を流すことによって加熱していきます。
長所として考えられるのは温まるまでの時間が短く、素早く暖房効果が感じられることや小さなスペースに対しても設置できる柔軟性がある事です。
一方で短所になりやすいのが、温度のムラが生じやすく低温火傷を負う可能性があることです。
・ 温水循環式床暖房
温水循環式床暖房は使用したい場所にパイプを設置し、温水をパイプに流すことで床から部屋全体を暖めるタイプの床暖房です。
電気を通して加熱するだけではなく、ガスや灯油を使用して加熱する場合があることも特徴のひとつです。
オール電化住宅には温水循環式床暖房が理想的
電気を熱源にしてすべてのエネルギーを賄うオール電化住宅に、床暖房を採用する時は温水循環式床暖房が相性が良いと考えられています。
電気ヒーター式床暖房にも多数のメリットが備わっているようなのですが、温水循環式床暖房が相性が良いのは、高額な電気代がかかりやすい昼間の時間帯に電気を使わずに床暖房を利用できることなどが挙げられます。
・エコキュート・ヒートポンプ式床暖房ならさらにメリットがある
オール電化住宅の場合は電気を熱源とするエコキュート、あるいはヒートポンプ式床暖房を選ぶことでより大きなメリットがあります。
エコキュートの床暖房は、床に設置したパイプにエコキュートを使用して沸かしたお湯を流し床暖房としての役割を果たすタイプの製品です。
またヒートポンプ式床暖房の場合は、仕組みそのものはエコキュートと同じですがエネルギー源として大気熱を利用することが特徴的です。
二酸化炭素を排出しないエコロジーな床暖房で、選択方法としてこれからオール電化を始める方にはエコキュートが適しています。
初めから多くの機能が備えられているエコキュートを採用することにより、新しく熱源機を設置することなく床暖房が実現するからです。
既にオール電化住宅であり、これから床暖房を採用したいという人にはヒートポンプ式床暖房が良いでしょう。
オール電化済みの場合、すでに設置してある危機が多機能型エコキュートに付け替えられなければならず、工事を含めたコストがかさみやすくなるためです。
ヒートポンプ式床暖房を採用すると、熱源機と床暖房パネルを設置するだけで床暖房を手に入れることが可能です。
エコキュート床暖房のメリット
エコキュート床暖房を導入するメリットについて解説します。
・ コストを削減できる
第一のメリットがコストの削減です。
安価な深夜電力で沸かしたお湯を使用して、床暖房を使えるのでランニングコストが安くなります。
オール電化を選択した場合は、日中に電気を使うと電気代が高くなるというデメリットがあるのですが、反対に夜間に利用する電気代は割安になるという特徴があります。
エコキュートでは電気代が安い時間帯にお湯を使用できるので、電気代を削減して床暖房を使用できるのです。
・熱源機の設置スペースを削減できる
床暖房を設置する場合、熱源機が必要となり熱源機のためのスペースを用意しなければなりません。
最初からエコキュートを導入しておくと設置スペースを削減できるので、土地や建物にゆとりができるので床暖房を実現することができます。
・ 快適性と安全性が向上する
床暖房を導入すると、ストーブなどを使用しなくなり火事のリスクを軽減することができます。
特に小さな子どもがいる場合、 ストーブなどは火傷などのケガのリスクも出てくることになりますが、床暖房ならそのような危険が軽減し安全性を確保することが可能です。
部屋全体を暖める方法としてはエアコンも有効ですが、エアコン特有の空気が乾燥しやすくなるというデメリットが床暖房にはないため、気管を痛めたり肌が乾燥したりすることもありません。
温風が頭に直撃することもなく、足元から優しく温められることも床暖房ならではのメリットといえるでしょう。
ヒートポンプ式床暖房のメリット
ヒートポンプ式床暖房のメリットを紹介します。 エコキュートとは異なるメリットを備えており、有力な選択肢になることは間違いありません。
・ リフォーム工事がほとんどいらない
ヒートポンプ式床暖房を導入するために必要な工事は、熱源機を設置することと床暖房のパネルを張り替えることに限られます。
そのため、リフォーム工事も長い時間がかからず費用も抑えられるのです。
・ エコキュートより広い範囲を温められる
エコキュートの場合は、温められる面積が一定以下に限られてしまいます。
そのためヒートポンプ式床暖房の場合は、エコキュートと比べておよそ3倍の範囲を温められるというメリットがあります。
・ガスより大幅にコスト削減できる
都市ガスを使用して床暖房を稼働した場合と比べるとランニングコストを60%以下にまで削減することができます。
エコキュートほどではないですが、数十年という期間にわたって使用することを考えれば非常に魅力的です。
・ 湯切れがしにくい
エコキュートの場合は深夜電力で沸かしたお湯を利用するため、お湯を全て使うと床暖房を稼働できませんが、ヒートポンプ式床暖房の場合は湯切れの心配がありません。
まとめ
オール電化はメリットもデメリットもありますが、各家庭の状況によりランニングコストを抑えられ節約につながるシステムです。
オール電化の家庭の場合に追加で床暖房を導入する際には、温水循環式床暖房がおすすめです。
温水循環式床暖房はエコキュートとヒートポンプ式床暖房の2種類に分かれ、双方のメリットとデメリットを考えてどちらを導入するべきかを検討しましょう。
まずは業者に相談することから始めましょう。