コウモリを駆除せずに追い出すには?リフォーム対策ってどんなものがあるの?

2022.02.09

コウモリを駆除せずに追い出すには?リフォーム対策ってどんなものがあるの?

 

家の周辺に小動物のフンが落ちていたりしていませんか?

それはコウモリが家に住み着いていることが原因かも知れません。

コウモリは家の換気口などから侵入し、屋根裏などに住み着きフンや死骸が散乱していることもあります。

コウモリを発見したらどのように追い出せば良いのでしょうか。

今回は、コウモリの侵入を防ぐ対策や業者に依頼する際の注意点などについて紹介します。

 

コウモリの生態と知っておくべきこと

 

日本に生息するコウモリの中で、家に侵入して被害をもたらすのはアブラコウモリという種類です。

アブラコウモリの生態や特徴などを解説します。

 

・アブラコウモリの生態と特徴

 

アブラコウモリの生態

・体長5cm程度

・色は黒・こげ茶

・住み着く場所は屋根裏・屋根瓦の下・換気口内・外壁の中・エアコン室外機・給湯器など

・活動する時期は4月〜10月(11月〜3月は冬眠する)

・行動する時間帯は夕方〜朝の夜行性で昼間は寝ている

・寿命はオス:1年〜5年 メス:5年

 

アブラコウモリの特徴は体長が5cm程度で黒褐色とこげ茶色で、大人しく人に噛み付いたりはしません。

平野部や市街地に生息し夜行性で、蚊や蛾、ハエなどの昆虫類をエサにしています。

主に屋根の瓦の下や換気口、屋根裏、軒下、壁の隙間、戸袋、シャッターの隙間など1〜2cm程の隙間があれば簡単に侵入します。

本来アブラコウモリが一度に出産するのは1〜3匹ですが、近年の温暖化が影響し繁殖力が強くなっています。

またコウモリは群れになる習性があるので、50〜200匹の群れになっていることもあります。

 

・コウモリは勝手に駆除できない

 

コウモリは「鳥獣保護管理法」という法律によって守られているため、許可なく捕獲したり殺傷したりすることは違法となります。

許可なくコウモリを捕獲したり殺傷すると、1年以上の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

単なる害虫のように扱ってはいけないので注意が必要です。

「鳥獣保護管理法」とは、国内の動物の生態系を維持するために定められている法律です。

この法律は鳥類や哺乳類などを許可なく捕獲や殺傷すること禁止しています。

そのためコウモリを駆除するということは、捕獲したり殺傷したりすることではなく、家から追い出すということです。

 

コウモリによる家の被害

 

コウモリが家に住み着くと、どのような被害があるのか解説します。

 

・コウモリの羽音や鳴き声による騒音

 

コウモリは夜行性のため、日が沈んでから夜中にかけてバサバサと羽音がしたり、キーキーという鳴き声が聞こえたりする騒音被害があります。

コウモリの鳴き声は通常超音波と呼ばれる人間の耳には聞こえない音なのですが、危険を感じた時などに人間にも聞こえる鳴き声を発します。

コウモリが鳴くと気になり、寝付けなくなるほどの睡眠被害が出る深刻な問題です。

 

・コウモリのフンによる異臭と衛生的被害

 

コウモリによる最大の被害はフンによる異臭と衛生的な被害です。

コウモリのフンにはさまざまな菌が含まれており、崩れると空気中に菌が舞い上がります。

その菌の粒子を吸い込むと感染症やアレルギーを発症し、衛生的な被害を出してしまうのです。

またコウモリは群れを作る習性があるため、集団で活動し屋根裏や壁の中などで大量のフン被害が発生します。

そのためひどい場合は屋根裏の一部が真っ黒になるほどの量になり、異臭が部屋にまで入ってきます。

コウモリのフン被害は、健康被害と家の汚染に深刻な問題となっているのです。

 

・コウモリに寄生しているダニやノミの発生

 

コウモリには大量のダニやノミが発生します。

・コウモリマルヒメダニ

・コウモリマダニ

・コウモリトコジラミ

などが発生します。

そのダニやノミは屋根裏から柱を伝って室内に侵入してきます。

ダニやノミは暖かく湿度の高い布団などに入って体中を刺し、かゆみや腫れなど皮膚に被害を与えます。

コウモリによる二次被害も深刻な問題です。

 

・感染による病気

 

・ハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱、ハンタウイルス肺症候群)

腎症候性出血熱とは急な発熱、頭痛、嘔吐などの症状があり、目の充血、発赤などが見られることもあり重症になると死亡する可能性もあります。

ハンタウイルス肺症候群とは急な高熱、筋肉痛があらわれ呼吸困難状態となり、死亡例も多く見られます。

 

・アルボウイルス感染

コウモリが媒介するダニが引き起こす感染症で、出血熱や脳炎などの症状があらわれます。

 

・ ヒストプラズマ症

コウモリのフンを含んだ土壌や埃の中の菌を吸い込むと感染し、主に肺炎の症状があらわれます。

症状が出ないか症状が軽い場合が多いですが、高熱や咳呼吸困難になる場合もあります。

 

このように2次被害のリスクが高いため、コウモリを見つけたらすぐに駆除したいと考えがちです。

しかし個人が勝手に捕獲することが禁止されているため、駆除業者に依頼するのがよいでしょう。

 

コウモリ駆除業者に依頼する

 

コウモリは自分ではなかなか家から追い出せないので、駆除業者に依頼するのがおすすめです。

業者に依頼するといくらぐらいかかるのか、どこへ頼めば良いのか解説します。

 

・コウモリ駆除業者の費用の相場

 

コウモリ駆除業者に依頼した時の費用の相場は、被害規模により違いますが被害箇所が1ヶ所の場合は2〜3万円、被害箇所が複数ある場合は10〜30万円かかることもあります。

被害状況や駆除する場所によって金額の幅があるので、事前に調査し見積もりを確認しましょう。

 

・コウモリ駆除業者の選び方

 

コウモリの駆除業者はネットで調べればたくさんありますが、悪徳業者も多いので注意することが必要です。

依頼する前に無料の見積もりや調査が可能かどうか確認しましょう。

見積もりの内容がどのような作業があり、その作業にいくらかかっているのか明確に説明してもらうことです。

また、作業後の保証があるのか内容を確認しておきましょう。

以上の項目をしっかりと確かめた上で契約することをおすすめします。

 

コウモリが侵入しないための対策

 

コウモリはどうすれば侵入を防げるのか、侵入しないための対策を解説します。

 

・コウモリの侵入経路をふさぐ

 

コウモリの侵入対策は、換気口などの侵入経路を塞ぐことです。

コウモリは、1〜2cmほどの狭い隙間があれば侵入し、例え追い出したとしても侵入口をふさがなければ再度戻ってきます。

追い出した後は、しっかりと侵入防止対策をすることが重要です。

最もコウモリが侵入しやすい換気口に金網をはめ込み、侵入経路を遮断するのがおすすめです。

換気口や戸袋など空気を通したい場所には、通気させることも必要なので金網で対策するのが良いでしょう。

 

・外壁を張り替える

 

コウモリを寄せ付けないようにするには、外壁を張り替えることです。

コウモリはザラザラした引っ掛かりのある外壁があると侵入しやすくなります。

例えば、モルタルや窯業系サイディングなどの表面はコウモリにとって都合の良い外壁なのです。

そこで、おすすめなのが表面がツルツルした金属サイディングです。

引っ掛かりがないためコウモリが滑って留まりにくく侵入する確率が低下します。

コウモリでお困りの人には、金属サイディングに張り替えるのも一つの対策ではないでしょうか。

張り替えよりもコストを抑えたカバー工法も可能なので検討することをおすすめします。

 

コウモリ駆除には最適な時期がある

 

コウモリの駆除には最適な時期があるのです。

コウモリは7月から8月の子育て時期と11月から3月の冬眠時期では、営巣する個体数が多く巣から全てを追い出すことが困難になります。

この時期を除いた春と秋くらいに追い出すのが最適な対策時期だと言えるでしょう。

追い出しが難しい時期でも工事は可能ですが、その場合は内部に残ってしまったコウモリに対しての薬剤処理等が発生します。

将来にわたってしっかりとしたコウモリ対策をお考えの場合は業者に相談しましょう。

 

コウモリの弱点を知ろう

 

基本的な整体や対策時期がわかったところでコウモリと弱点を確認しておきましょう。

以下の三つは巷で噂のコウモリの弱点です。

本当に対策に取り入れることができる弱点かどうか紹介するので参考にしてください。

 

・ 光が苦手

・ミントの香りに弱い

・紫外線に弱い

などが挙げられます。

 

・光ではなく光を反射するものが苦手

コウモリは光そのものを嫌がるのではなく、光を反射する CD 、DVD 、アルミホイルなどを嫌がります。

その理由はコウモリが人間には聞き取れない超音波を反射、反響させることによって周囲の物との距離などを把握しているからです。

ベランダや軒下に CD やアルミホイルなどが吊るされていると、コウモリの出す超音波が錯乱して方向がわからなくなることがあります。

そのため行動しにくい場所ということで嫌がって避ける傾向があるのです。

ただし光の反射や超音波を使った駆除グッズは、コウモリが慣れてしまう可能性があります。

長期的な対策としては不十分なので、効果のあるうちに別のグッズや業者の依頼を検討しましょう。

また暗い場所でコウモリに遭遇した場合は、光を当てることも有効な対策になります。

強力な光が目くらましになるので、その場しのぎですがとっさの対策として覚えておいて損はありません。

 

・ ミントよりもハッカが効果的

コウモリはハーブ系の強い香りも嫌がります。

そのためミントの香りのするものが対策に使えるという噂がありますが、ミントの香りが苦手という説は正確かどうかは不明です。

本当に効果があるとされているのはハッカの香りなので、コウモリ対策にはハッカ油を用いることをおすすめします。

ハッカ油はミントよりも強い香りがしますが、人体には無害です。

スーッとする香りが苦手でなければ試してみる価値があるかもしれません。

ただしハッカは猫の体には良くないとされているので、ご自宅で猫を飼っている場合は別の対策を検討しましょう。

 

・ 紫外線ではなく天敵を避けている

コウモリが紫外線を嫌うという噂は、コウモリが夜行性であることから発生したようです。しかしコウモリの活動の時間帯が夜なのは、紫外線を避けるためではありません。

明るいうちに外に出ると、体の小さなコウモリは天敵に狙われやすいので、安全のために夜間に活動しているのです。

市街地に現れるような小型のコウモリの多くは、目がほとんど見えておらず前述したように超音波を頼りに飛行しています。

そのため外が明るくても暗くてもあまり活動のしやすさには関係ありません。

 

コウモリ退治には忌避剤が効果的

 

コウモリの弱点を利用した対策は一時的なものとしては有効です。

しかし長期的な効果が期待できないものもあるので、より高い効果を得たい場合は忌避剤を使ってみましょう。

忌避剤には三つの種類があります。

それぞれの特徴を解説しますので、使いやすいと思うものを使ってみてはいかがでしょうか。

 

・ スプレータイプ

コウモリの嫌がる臭いが含まれたもので、使い方は住み着いている場所に噴射するだけです。

メリットは初心者でも簡単に使え、小さな隙間の中にも使えるところです。

またスプレータイプは一度噴射しただけだと約3〜6時間で効果が切れてしまいます。

コウモリが逃げ出したら、効果が切れる前に侵入口を塞ぎ被害の再発を防ぎましょう。

 

・ 錠剤タイプ

コウモリが嫌う成分ナフタリンが含まれた薬剤がおすすめです。

住み着いている場所にまいておくだけで効果を発揮します。

即効性はない為スプレーと併用するとより効果的です。

メリットは約一か月間の効果が持続することです。

効果が永続的でないので、スプレータイプと同様に侵入口を塞いで再発防止対策をする必要があります。

スプレータイプと併用する場合は、即効性のあるスプレータイプでコウモリを追い出したところに錠剤タイプを設置して侵入口を塞ぐ流れが理想的です。

 

・ ジェルタイプ

視覚・嗅覚・触覚・味覚の4つの 感覚を刺激して コウモリを追い払います。

コウモリ専用のものではなく、ハトやカラスなどの鳥対策のグッズとして販売されているものが一般的です。

メリットは効果の持続期間が1〜2年で忌避剤の中では最も長く持続します。

小さなトレーにジェルを入れる必要があるので、設置に少し手間がかかりますが追い出して戻ってくるコウモリがいる場合にも使えます。

侵入口を塞いだ後、ジェルタイプを進入口や住みかになりそうな場所に置いておくのがおすすめの使い方です。

 

まとめ

 

コウモリの侵入は悪臭や騒音だけではなく、人体に影響する健康被害も深刻な問題です。

建物の劣化を早めることもあり、放置することは危険です。

コウモリは自分で勝手に駆除することは違法なので駆除業者に依頼しましょう。

追い出した後は再び侵入されないように、侵入経路を塞ぐことや外壁を見直す対策を考えることが重要です。