スレート屋根から雨漏りした場合の対処方法!原因や修理方法を徹底解説!

2022.02.09

スレート屋根から雨漏りした場合の対処方法!原因や修理方法を徹底解説!

 

スレート屋根の雨漏りの原因は、耐用年数に達しているか塗装のメンテナンスを怠ってしまっているからです。

あまり雨漏りの状況がひどい場合は、葺き替えもしくはカバー工法が必要です。

スレート屋根は耐久性があまり高くないため、比較的劣化しやすい屋根材といえます。

直射日光や雨風により表面が傷みやすく、劣化した状況で放置しておくと雨漏りや下地の腐食の原因になります。

そこでこの記事では、以下について詳しく解説します。

 

・スレート屋根の性質と特徴

・スレート屋根の雨漏りの原因と症状

・スレート屋根の雨漏り修理方法

・雨漏り修理業者の選び方

 

この記事では、最も一般的に使用されている屋根材であるスレート屋根が、雨漏りした時に困らないよう原因と修理方法や業者の選び方まで分かります。

 

 

スレート屋根の性質と特徴

 

雨漏りの本題に入る前に、スレート屋根とはどのような屋根材なのか簡単に解説します。

スレートとは、セメント成分に繊維質の材料を織り交ぜて作られた薄い板状の屋根のことです。

スレート以外に、カラーベストやコロニアルなどの商品名で呼ぶこともあります。

近年、新築住宅の屋根に最も多く使用されており一般的で屋根材メーカーが作るデザインやカラーバリエーションも豊富です。

また、スレートが普及しているのには、低コストで施工しやすいことも要因の一つです。

耐久性はそれほど高くはありませんが、優れた塗料の開発で遮熱効果のある屋根材もあります。

 

スレート屋根の雨漏りの原因と症状

スレートは耐久性があまり高くないため、比較的劣化しやすい屋根材といえます。

直射日光や雨風により表面が傷みやすく、劣化した状況で放置しておくと雨漏りや腐食の原因になります。

 

スレート屋根が雨漏りする主な原因として

・釘孔の広がり

・塗膜の経年劣化でひび割れや反り

・棟板金の不具合

・谷板金の不具合

・スレート間の詰まり

・ケラバ部分の不具合

・施工不良

スレート屋根で雨漏りが発生した時の原因とその症状について詳しく解説します。

 

釘孔の広がり

 

スレート屋根はスレートを重ねてある構造になっているため、固定には釘が使用されています。

釘はスレートの下にある防水シート(ルーフィング)と下地の板(野地板)まで貫通しているため釘孔が広がると雨水が下地まで侵入します。

釘は通常スレート屋根材の下に隠れているものなので直接雨水は当たりません。

しかし、経年劣化などの要因で釘が錆びたり緩みが出てきたりします。

雨水は釘孔から下地へと侵入し、その雨水は釘の位置で滞留します。

釘は防水シートを貫通して野地板まで打ち込まれているため、その釘孔から雨漏りを起こします。

やがて小屋裏に雨漏りが起こり、室内の雨漏りへと繋がっていきます。

他にも釘孔から雨水が侵入し、防水シートを通過して野地板に流れ、野地板の継ぎ目で雨漏りすることもあります。

どちらであってもスレート屋根の場合は、水が滞留する釘の構造と釘の劣化により雨漏りが発生しやすといえます。

 

スレート屋根のひび割れと反り

 

スレート屋根は表面の塗装による塗膜で水を弾いています。

その塗膜が経年劣化で剥がれてくると、スレート屋根材そのものが水を含んでしまいます。

水を含んだスレート屋根材は、膨張し天気の良い日に乾燥して収縮を繰り返すのです。

膨張と乾燥を繰り返すことで、ひび割れや反りの原因になり、雨漏りが発生します。

また、ひび割れの原因として踏み割れがあります。

屋根の施工時やメンテナンスの塗装時、テレビアンテナや太陽光パネルの設置などで業者が屋根を歩きます。

その際に、軽微な目に見えない程のひびが入る場合があります。

何年か経過するとそのわずかなひび割れが、大きくなり雨漏りに繋がることもあるのです。

他の屋根材と比較すると耐久性は劣るので、耐用年数が近付けば葺き替えかカバー工法を検討することをおすすめします。

住宅の寿命を考えればその方が得策といえるでしょう。

 

棟板金の不具合

 

スレート屋根の中には、切妻屋根や寄棟屋根があり頂上部分には棟板金があります。

屋根の頂上にあるため、雨風の影響を受けやすく損傷しやすい部分です。

棟板金は、近年ステンレス製のビス留めを使用しているところもありますが、ほとんどの古い住宅は釘で固定されています。

経年により釘に緩みが生じて、台風などで強風が吹けば飛ばされてしまうこともあります。

棟板金がしっかりと固定されていないと、隙間から雨漏りを起こしてしまうのです。

棟板金は金属製なので雨水が中に侵入することで錆が発生し穴が開いてしまうこともあります。

その穴も雨漏りの原因の一つです。

棟板金は大きな台風の後は、トラブルが発生していることもあるので屋根専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

 

谷板金の不具合

 

屋根形状が複雑な場合、屋根の傾斜がお互い下りになっている谷部分が存在します。

その谷部分には、谷板金という雨水を受ける大きな樋のような板金が設置されています。

屋根の谷板金は、雨水が集中するところなのでダメージが大きく傷みやすい場所なのです。

谷板金に穴が開いてしまったり、大雨で溢れてしまったりするトラブルがあります。

その場合、下地の防水シートが劣化していなければ良いのですが、損傷があると野地板に染み込み雨漏りが発生します。

また、ゴミが詰まりやすい部分でもあるので、雨水をせき止め谷板金から溢れて雨漏りを引き起こすこともあります。

谷板金も金属製なので錆に弱いため、ステンレス製に交換することがおすすめです。

 

スレートの隙間の詰まり

 

スレート屋根は構造上、屋根材の下に雨水が入り込むことがあります。

そのために屋根材の隙間から雨水が排出される仕組みになっているのです。

その隙間が閉ざされてしまうと、屋根材の下に潜り込んだ雨水の出口がなくなります。

その結果、排出されない雨水が溜まってしまい、釘孔や防水シートが損傷している部分から雨漏りが起きるのです。

よくある事例として、塗装した後に雨漏りが発生する場合があります。

その原因は、スレート屋根材の本来雨水を排出する出口を塗料によって塞いでしまっていることがあるのです。

そのような事態にならないよう屋根の塗装をする場合は、雨漏りの知識が豊富な屋根の専門業者に依頼することをおすすめします。

 

ケラバ部分の不具合

 

ケラバとは、屋根の軒先で外壁からはみ出した部分を指します。

ケラバには軒先の雨仕舞い部分に水切り板金が設置されています。

その水切りの中に、土埃や木の繊維などが固まって詰まっていることがあるのです。

詰まった土埃が原因でスムーズに雨水が流れずに溢れてしまい、防水シートから野地板まで到達します。

その状況が続くと常に野地板は湿った状態になり、いずれ腐食し穴が開き雨漏りを起こします。

屋根の軒先であるケラバ部分は、棟板金と同じように雨風の影響を受けやすい部分なので、雨漏りの原因にもなりやすいといえます。

屋根は形状により様々な場所に雨仕舞いの板金が設置されています。

雨仕舞い部分は、雨水の侵入の可能性が高く水に弱いところなので、雨漏りしていないか点検することが必要です。

 

施工不良

 

スレート屋根の施工は、容易にできるため正確な知識を持たずに工事を請け負う業者もいます。

必要な水切り板金を省略してしまったり、屋根の勾配を全く考えていない業者もあり一見問題がないように見えても、実は雨漏りの原因となることが多いのです。

施工不良が起きやすい場所として、屋根と外壁の取り合い部分が挙げられます。

屋根業者と外壁業者が異なるため、継ぎ目である取り合い部分がおろそかな施工になっているのが原因です。

屋根の修理やリフォームを検討する際は、専門の屋根業者に相談することをおすすめします。

 

スレート屋根の雨漏り修理方法

 

スレート屋根の雨漏り修理には部分的な補修や塗装、 葺き替えやカバー工法があります。

それぞれの修理方法は特徴が異なるためしっかりと理解しておくことが大切です。

それぞれの修理方法について解説します。

 

部分補修の場合

 

スレート屋根の部分補修は、まだ葺き替えの時期に達していない場合、ひび割れや破損した部分を補修する方法です。

ひび割れの場合は、シリコンやシーリング材などで充填してひび割れを塞ぎ、破損している場合は破損部分を交換します。

スレート屋根は、下から順に貼っていく施工のため一部分のみを取り外すことができません。

交換部分を切り取って、新しいものを上から貼り付ける作業を行います。

スレート屋根の素材はひび割れが起きやすい屋根材なので、定期的に屋根の専門業者に点検してもらうことをおすすめします。

 

屋根塗装の場合

 

スレート屋根材は、原料がセメントでできているため屋根材そのものに防水性はありません。

塗装することで、塗膜の厚みが防水性能を持たせています。

塗装は経年劣化で徐々に塗膜が弱くなり、耐水性がなくなるため定期的な塗装工事が必要です。

塗料の種類によっても耐久性は様々ですが、おおよそ10年から15年程度が一般的です。

スレート屋根によくある軽微なひび割れなどは、屋根全体を塗装することで充填され雨漏りのリスクを下げます。

スレート屋根に塗装をする手順は、高圧洗浄機で古い塗装を剥がし、傷んだ部分があれば部分補修した後全体の塗装を行います。

スレート屋根は、塗装のメンテナンスが最も必要な屋根材なので、引き伸ばしにしていると雨漏りの原因になるので注意が必要です。

 

葺き替えの場合

 

葺き替えとは、既存のスレート屋根を撤去し下地も含めて新しいものに交換することです。

スレート屋根の耐用年数は、およそ20〜30年といわれています。

耐用年数が近づいていれば、塗装のみでは雨漏りのリスクに対応できません。

それ以上使い続けるのは難しく、劣化が激しい場合は葺き替えが必要でしょう。

また、下地の防水シートの耐用年数はおよそ20年で、野地板の耐用年数はおよそ30年といわれています。

それぞれの耐用年数を考えると30年が一つのボーダーラインになるでしょう。

築年数が30年以上の住宅の場合は、葺き替えも検討することをおすすめします。

 

カバー工法の場合

 

カバー工法とは、既存の屋根材の上から防水シートを敷き新しい屋根材を被せることです。

屋根のカバー工法で最も多いのは、スレート屋根の上からのカバー工法です。

スレート屋根は厚みがなく、フラットに近い形状なのでカバー工法に向いています。

カバー工法は、既存のスレート屋根を撤去する作業手間や処分費用も不要なのでコストも安くできます。

少しでもコストを抑えたい場合は、カバー工法はおすすめです。

カバー工法は、既存の屋根の上から防水シートであるルーフィングを敷いて、新しい屋根材を被せるので屋根材が2重になる分、雨漏りする確率も下がります。

しかし、築20〜30年の住宅の場合は下地の野地板の状況が心配です。

小屋裏などから野地板の状況が点検できるのであれば業者に見てもらいましょう。

他にもアスベストを使用したスレート屋根にもカバー工法がおすすめです。

2004年以前に建てられた住宅のスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。

アスベストの処理代金は高額になるため、スレート屋根はカバー工法を選択することが多いのです。

カバー工法は、雨漏りが発生している場合、下地である野地板が腐食している可能性があるので十分に検証した上で行うことが重要です。

下地に損傷があるとせっかく新しく屋根を新設してもしっかりと固定できません。

固定できなければ台風などの際、強風で屋根がめくれ上がる可能性もあります。

カバー工法は、下地が確認しにくいので雨漏りが続いていたり損傷が気になる場合は、葺き替える方が賢明かも知れません。

詳しく丁寧に点検をしてくれる屋根専門業者に相談しましょう。

 

まとめ

 

スレート屋根で雨漏りを発見したら、まず原因の究明が必要です。

その原因が、正確でなければ適切な修理工事ができません。

雨漏りは、見えない部分で進行している可能性があるので、特に築年数の古い住宅はまずはしっかりと点検することをおすすめします。

雨漏りは、住宅の寿命を短くしてしまう最も危険なトラブルのひとつです。

スレート屋根で、雨漏りを発見したらできるだけ早く業者に相談しましょう。