マンションのスケルトンリフォームとは?メリット・デメリットや注意点を解説!
2022.02.09
マンションのスケルトンリフォームとは?メリット・デメリットや注意点を解説!
スケルトンリフォームとは、間取り変更や住宅の機能性アップなどより自由度の高いリフォームを行うことです。
しかし、スケルトンリフォームを行うには、内装や衛生設備をすべて撤去し骨格のみの状態に戻す必要があります。
そのためにスケルトンリフォームは、戸建限定のものでマンションではできないと思われている方が多いようです。
今回は、マンションでもスケルトンリフォームが可能で、一般的なマンションリフォームに比べて何が違うのかを徹底解説します。
マンションでもスケルトンリフォームを行うことは可能
スケルトンリフォームは、戸建住宅だけではなくマンションで行うことも可能です。
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションは、柱や梁、構造壁で構成された頑丈な骨格に軽量の鋼材や木材などを使った間仕切りの壁を組み合わせた作りになっています。
マンションそのものを支えているのは、鉄骨やコンクリートの骨格なので、間仕切り壁を撤去しても建物の強度に影響を与える心配はありません。
マンションの間取り変更が制限されるのは壁式構造
柱や梁の構造体なら壁を取り払っても構造に影響を与えることはありません。
しかし、低層マンションなどで採用されていることもある壁で支える壁式構造の場合、構造壁を撤去したり移動することは不可能です。
マンションの工法は建物の表面だけを見ても分からないので、不動産業者や管理組合に訪ねて事前にチェックしておくことが必要でしょう。
スケルトンリフォームのできるできないは、建物の構造によって決まるものなので、条件を満たしていればマンションでもスケルトンリフォームを行うことは十分できるのです。
しかし、骨格以外に変更することができない項目として、パイプシャフトがあります。
通常マンションでは住戸内に上階の配管が通ってるので縦配管は移動することが困難といわれています。
リフォームの規模が異なる戸建てとマンション
戸建てと同じようにマンションでもスケルトンリフォームを行うことは可能です。
しかし、戸建てに比べると集合住宅であるマンションは、リフォームできる範囲に制限があります。
マンションでスケルトンリフォームを行う際は、リフォームができることとできないことをあらかじめチェックしておきましょう。
マンションのスケルトンリフォームでできる三つのこと
マンションのスケルトンリフォームでできる主な三つの内容について解説します。
・間取りの変更
間取りの変更は、構造上撤去しても問題のない仕切り壁は取り外すことが可能です。
二部屋を一部屋にしたり、大きな LDK を作ったり、逆にウォークインクローゼットの新設や小さな書斎を作ったりもできます。
また、水廻りも極端な移動は配管の勾配の問題があるのでできませんが、許容範囲で移動は可能なので業者に確認してもらいましょう。
例えば、システムバスと洗面所を入れ替えたり壁付けのキッチンを対面キッチンに変えたりする程度であれば、それほどの移動距離はなくリフォームできます。
玄関収納を作ったり、壁をふかして間接照明を作ったりと自分らしい空間を実現することができるのです。
・ 内装を新しくする
間取りの変更と同様に、内装もすべて新しく変えられるので、インテリアに統一感を持たすことができます。
家の中の雰囲気は、内装で印象が変わるのでスケルトンリフォームによって自分らしさを十分に表現することができます。
しかし、床の素材はマンションの規約で制限がある場合が多いので注意が必要です。
・水廻り設備の新調
キッチンやシステムバストイレや洗面台などの水廻り設備の新調などを行うことができます。
間取りの変更で多少の移動ができますが同じ場所なら同じサイズの設備の入れ替えは容易にできます。
水廻りの設備は年々進化しています。
毎日の生活で使用する頻度も高く快適な暮らしを左右する場所でもあるのです。
機能性を向上させる
スケルトンリフォームでは、機能性を向上させることもできます。
断熱材を追加したり入れ替えることで、室内の気密性や断熱性がアップし冷暖房効率が上がるため省エネ効果も期待できます。
また防音、遮音性の高い床や壁などの建材を変更すればデザインだけではなく機能性を高めることが可能です。
楽器を使用する人であれば、防音対策を施したレッスンルームを作ったりとスケルトンリフォームを行えば色々な自由度の高いリフォームができるのです。
将来を見据えてバリアフリーに出来る
スケルトンリフォームなら間取りも床材も全て変更できるので、家のバリアフリー化も可能になります。
リフォームする時点では不便を感じていなくても、将来を見据えておくことは大切です。
例えば転倒防止のために床の段差をなくすことで、将来万が一車椅子生活になったとしても対応できる空間になります。
冬場のヒートショック対策として、空調設備の設置や生活動線を考えましょう。
できるだけ廊下を無くして、部屋から脱衣所、脱衣所からお風呂へと温度差のないように暖房することが必要です。
特に脱衣所が寒い場合、熱い湯船に入る温度差でヒートショックを起こしてしまいます。 脱衣所に暖房を入れお風呂も事前に温めると部屋から入浴するまでの温度差を最小限に保つことができるでしょう。
他には廊下をなくすことで車椅子の移動が容易にできるようになります。
部分リフォームでは不可能な バリアフリー化がスケルトンリフォームでは可能になるが特徴でありメリットです。
見えない部分の劣化に対応できる
スケルトンリフォームは、構造部分を目視で確認できるため劣化や腐食などの修繕が可能です。
マンション特有の壁面の結露やカビ等が発生していた場合は健康面でも不安になります。 スケルトンリフォームをする場合には、目に見えない部分の点検ができるため、すぐに対策を考え修繕が可能で安心できる暮らしにつながります。
バルコニーやベランダのリフォームは難しい
マンションの多くにはバルコニーやベランダが付いています。
通常はその居室の住人しか使用しないので、専有部分と思われがちですが、火災などが起こった場合は避難経路として用いられるため、実際は共有部分とみなされています。
しかし、実際には専用部分として使用していることが多いのではないでしょうか。
劣化や損傷が見つかった場合は修繕や取り替えが必要ですが、個人が勝手にリフォームすることはできないため、管理組合などに依頼して修繕を行うことになります。
しかし、一部屋だけバルコニーの手すりやデザインが変わると景観が損なわれる可能性があるため、自由にリフォームするのは難しいということになります。
マンションのスケルトンリフォームのメリット・デメリット
中古物件のマンションを購入した時やライフスタイルの変化に伴って住みにくくなった時にリフォームを考えるでしょう。
マンションをリフォームする際に、事前に知っておくべきメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット①:住みたい場所で理想の住宅を手に入れられる
分譲マンションの多くは立地条件が良い場所に建てられています。
その立地条件が気に入っているのに理想の間取りがない場合、スケルトンリフォームによって作り変えることができます。
古い中古マンションをスケルトンリフォームによって、間取りや内装の変更だけではなく安全性や機能性を向上させた住宅にすることが可能です。
場所を優先して物件を選んだ結果、住まいの問題や不満があったとしてもスケルトンリフォームによって解決できるのです。
メリット②: 中古マンションは既存しているためイメージしやすい
中古マンションは新築のマンションとは違い、すでに実際に建っているわけなので眺望や環境を確認することができます。
新築マンションの場合は、計画地は確認できても実際にまだ建っていないことが多く想像で購入しなければなりません。
その点中古マンションは実際に部屋に入り、日当たりや風通し、騒音などもある程度確認することは可能です。
そのためリフォームを計画する場合に、イメージしやすいことがメリットです。
既存のマンションの部屋を確認しながら計画を立てれば、より自分らしい家づくりが可能になります。
メリット③:光熱費のランニングコストが削減できる
マンションをスケルトンリフォームすることによって、断熱性と気密性がアップすることにより光熱費が削減できます。
エアコンも年々省エネ仕様になっているので、空調設備を新しくすることにより、さらに光熱費を抑えることも可能です。
メリット④:平面だけではなく空間デザインも自由にできる
天井の高さも上げることが可能なので、間取りだけではなくスキップフロアや小上がりを作ることで、段差を活かした収納も可能になります。
平面だけではなく立体的な見方からも、空間をデザインできる自由度の高さがスケルトンリフォームの魅力です。
デメリット①:マンションには制約がある
マンションのリフォームの話には何度も出てきていますが、共用部分のリフォームはできません。
また構造的に問題がなくても、管理組合の規約で禁止されていることはマンションによってあります。
しかしリフォーム会社の経験豊かな発想と技術力があれば、窓を二重にして好みのデザインを可能にしたり、玄関ドアも室内側は統一感を持たせるリフォームが可能な場合があります。
制約を守りながら理想のリフォームを可能にできるように業者と相談することが必要です。
デメリット②:工事中は仮住まいが必要
マンションに限ったことではありませんが、スケルトンリフォームの場合仮住まいが必要です。
全ての荷物を保管する場所と、数ヶ月暮らせる仮住まいを探すのは大変です。
解体撤収工事から完了まで工事期間は短くても3ヶ月程度はかかるのでその間の仮住まいの家賃も発生します。
リフォーム業者に相談すれば仮住まいも紹介してくれます。
デメリット③:部分リフォームに比べて費用が高くなる
スケルトンリフォームは、柱や梁などの構造躯体以外全てを取り払って下地から作り直すため、部分リフォームと比べるとどうしても費用が高くなります。
さらに前述したように仮住まいが必要となるため引越し費用と家賃も加算されてしまいます。
しかし、それに見合う価値のあるリフォームになるでしょう。
スケルトンリフォームを成功させる三つのポイント
スケルトンリフォームを行う際に押さえておきたい三つのポイントを解説します。
・現状の住宅への問題点と理想の暮らしを把握する
リフォーム会社に相談する前に、今住んでいる住宅への問題点とこれからどのような住まいにしたいかをまとめておくことが必要です。
漠然と想像しているだけではなく、実例などから理想の家の画像を保存したり、取り入れたい設備などはチェックしておきましょう。
自分たちの要望を早く理解してもらい、良い提案をもらえるようにすることでスムーズに打ち合わせが進んでいきます。
今後のリフォーム会社との打ち合わせに役立つので、事前の準備は重要です。
・今後のライフプランを考えておく
スケルトンリフォームは大掛かりなリフォームなので頻繁に行うものではありません。
スケルトンリフォームを終えた住宅に数十年暮らすことを前提に工事をしなくてはいけません。
現在の自分や家族のことだけではなく、先を見通したライフプランを立てて、そこから必要なリフォームも考えておきましょう。
今後のライフプランについてリフォーム会社に伝えておけば、プロとして依頼主も気づかなかったリフォームプランを提案してもらえることもあります。
期待以上の仕上がりを目指すためにもリフォーム会社に自分の希望と未来設計を明確に伝えましょう。
・スケルトンリフォームに詳しいリフォーム業者を選ぶ
スケルトンリフォームは通常のリフォームとも新築とも違う知識と技術が必要です。
業者は見積もりの安さだけではなく、希望するリフォームの工事実績が豊富で親身に相談に乗ってくれる業者を選びましょう。
大規模な変更を伴うリフォームに対応できるように設計士・インテリアコーディネーター・施工管理士が在籍しているリフォーム業者が安心です。
さらにアフターメンテナンスがしっかりしている業者なら工事完了後も安心して住み続けることができます。
一生で何回もない大きな出費となるリフォームなので、後悔なく完成させましょう。
まとめ
マンションではスケルトンリフォームは難しいと思われがちですが、構造以外の間仕切り壁なら撤去できるので自分たちのライフスタイルに合った居住空間を作ることが可能です。 管理規約に沿って工事すれば問題はありません。
リフォームを成功させるために、スケルトンリフォームで叶えたい住宅の理想像を明確に持ち、自分や家族のライフプランを考えた上で、信頼できるリフォーム業者に相談することが大切です。