マンションの防音リフォーム、工事種別や効果と費用を徹底解説!

2022.02.09

マンションの防音リフォーム、工事種別や効果と費用を徹底解説!

 

マンションで生活していると、生活音やテレビの音などで近隣に迷惑かけていないか気になりませんか?

上下左右に別宅が存在する以上は、自分たちの発する生活音と逆に他からの騒音も気になるものです。

お互い様といえる範囲なら良いですが、うるさくて安眠を妨害したり、されたりでは人間関係も崩れていきます。

一戸建てとは違い壁一枚で仕切られているマンションにとって、騒音問題は誰にでも起こる可能性があります。

この記事では、快適なマンション生活を確保するための防音リフォーム方法、リフォーム費用、リフォーム時の注意点を徹底解説いたします。

 

マンションで防音リフォームをするメリット・デメリット

 

マンションの防音リフォームとひとくくりにしても

 

・床のみの防音

・壁のみの防音

・窓のみの防音

・防音室を用いる

・部屋全体の防音化

 

とさまざまな種類があります。

 

それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか紹介します。

 

床防音リフォームをするメリット・デメリット

 

床の防音リフォームのメリットは、衝撃を吸収する床材を用いるため足音や洗濯機の音などを最小限にしてくれることです。 

振動の響きを抑え、音や揺れを吸収して騒音問題を防ぐことができます。

デメリットとしては、比較的高額なのでカーペットを敷く簡易的な方法より費用が高くなるところです。

防音リフォームする範囲や防音の素材によって金額が異なるため、予算を提示して業者と相談しましょう。

 

壁防音リフォームをするメリット・デメリット

 

壁を防音リフォームすることで、外部の騒音を抑えたり、テレビの音や子供の声を防ぐことができます。

最大のメリットは、壁の反射を防ぎ、音が振動として室外に漏れないことです。

壁を防音化するためには、壁に吸音材や遮音シートを施工します。

吸音材や遮音シートを入れることで、音の振動として室外に漏れることを防ぐことができるのです。

デメリットは吸音材や遮音シートを施工することによって、壁に厚みが増してしまうため部屋が少し狭くなることです。

全ての部屋の壁を防音リフォームすると全体が狭くなってしまうため、騒音になりやすい場所だけ防音リフォームするのがおすすめです。

 

窓防音リフォームをするメリット・デメリット

 

窓で防音リフォームするには、単板ガラスを複層ガラスに交換したり二重サッシにする方法が効果的です。

二重サッシにすることで、気密性がアップし屋外から伝わる騒音や室内の音漏れを緩和します。

工事も通常、最短で1窓30分から1時間あれば施工することが可能です。

音だけではなく断熱性と防犯性も上がるので、価値の高いリフォームになるでしょう。

デメリットとしては、マンションは共用部分のため、工事には許可が必要です。

二重窓で既存のサッシの内側に設置するとはいえ、規則で許されない場合があります。

業者と相談してマンションの管理規約を確認してから工事をしましょう。

 

 

防音室を用いた防音リフォームをするメリット・デメリット

 

防音室リフォームのメリットは映画や音楽鑑賞、楽器演奏を楽しめるスペースが実現できることです。

組み立て式の防音室なら大規模な工事が不要で、部屋全体を防音室にするより低コストで手軽にできます。

しかし、防音室を設置するスペースが必要なので部屋が狭くなることがデメリットとなってしまいます。

大きなリビングがあるならその一角で防音室を設置するか、1部屋を潰して設置するかですが楽器の演奏など集中できるスペースにしたいものです。

費用を抑えて防音効果を出したい場合はおすすめです。

 

部屋全体の防音リフォームをするメリット・デメリット

 

部屋全体を防音リフォームするメリットは、部屋のスペースを最大限に使用し、より完全な防音効果が期待できるところです。

デメリットは完全に防音ができますが工事範囲が広くなり、組み立て式防音室より費用が高くなるところです。

完全に天井、壁、床に防音工事をしないと、楽器の演奏や大音量のシアタールームとして使用できません。

費用が高くついても広く部屋のスペースを取りたい場合はおすすめです。

 

 

マンションにおける防音リフォームの主な箇所と費用

 

マンションの防音リフォームについて、床・壁・窓・防音室設置や部屋全体を防音室にする方法があります。

それぞれの費用や効果について解説します。

 

床の防音リフォーム

 

フローリングには遮音等級という床の音の伝わり方を示す指標があります。

遮音等級の数字が小さいほど防音性が高くなります。

L-40であれば足音、物の落下衝撃音などはほとんど聞こえないですしマンションの生活状態は、気にせずに生活できます。

L-45はサンダルで歩く足音は聞こえるので少し気をつける。

L-50はスプーンを落とす音は聞こえるのでやや注意する。

L-55はスリッパで歩く足音は聞こえるので注意しないといけない。

L-60は箸を落とした音は聞こえるので何とか我慢できる程度。

L-65は硬貨を落とした音は聞こえるので我慢できない。

 

マンションの管理規約では、遮音等級L-45以上の規定が多いです。

リフォームする際は管理規約の防音規定を確認してリフォーム業者に相談しましょう。

 

床の防音リフォーム方法とは

 

床の防音リフォームの方法には3つあります。

 

・遮音フローリングに張り替える

既存の床材を撤去して、新たに遮音フローリング材に張り替えます。

 

・遮音マットを床材の下に敷く

遮音マットを敷き、落下などの衝撃音や振動をマットが緩和します。

 

・床材下に吸音材を敷く

断熱材としてよく使われるグラスウール素材を床材の下に敷き詰めることで吸音効果を発揮します。

 

床防音リフォームの方法別効果と費用

 

遮音フローリングに張り替える場合は、床材自体に吸音性があるので効果があります。

費用の相場は、25万〜30万円(6帖)程度です。

遮音マットを床材の下に敷く場合は、衝撃音をマットが緩和し効果を発揮することです。

費用の相場は、30万〜60万円(6帖)程度です。

床材下に吸音材を敷く場合は、吸音材が音を吸収することで効果が出ます。

費用の相場は、35万〜80万円(6帖)程度です。

既存のフローリングの上貼りではなく、撤去して張り替えると床の高さがそれほど変わらずに今までと違和感なく生活できます。

 

壁の防音リフォーム

 

壁の防音リフォームは、大きく分けて2つあります。

 

・壁内に吸音材と遮音シートを施工する

グラスウールなどの吸音材や遮音シートを壁内に入れる方法で壁内で音を吸音します。

 

・換気口を防音仕様に取り替える

換気口は音漏れの最大の原因なので、防音仕様に取り替えることで緩和されます。

防音仕様の換気口は換気の性能を落とすことなく、音漏れを防ぐ効果があります。

 

壁防音リフォームの方法別効果と費用

 

壁内に吸音材と遮音シートを施工する場合の効果は、空気中に伝わる音を遮断し、室内の反射音を吸音し音漏れが防げるところです。

費用の相場は、おおよそ18万〜25万円(16㎡)程度です。

また、換気口を防音仕様に取り替える場合の効果は、換気口を防音仕様にすることで換気と防音両方が可能になるところです。

費用の相場は、おおよそ2万〜5万円(16㎡)程度です。

 

遮音シートや吸音材(グラスウール・ロックウール)のグレードによって価格は変動します。

 

また、防音換気口についても屋外キャップのみ取り替えの場合や屋内換気口も取り替えの場合もありますのでタイプにより価格は変動します。

 

窓の防音リフォーム

 

窓の防音リフォームの方法は大きく分けて2つあります。

 

・防音仕様の窓ガラスに交換する

 

現状単板ガラスから複層ガラスの防音仕様に交換する方法です。

複層ガラスにすることで音の軽減が期待されます。

サッシのタイプによりガラスの厚みなど制限がありますので業者に相談しましょう。

 

・二重サッシにする

 

既存のサッシの内側にもう一つサッシを取り付けます。

屋外の騒音も軽減できて室内の音漏れを緩和できます。

他にもあらゆる効果があるので、トータル的に考えても二重サッシのリフォームはおすすめといえます。

 

窓防音リフォームの方法別効果と費用

 

防音仕様の窓ガラスに交換する(複層透明ガラス標準仕様)場合の効果は、室内からの音漏れ、屋外からの騒音問わず空気の振動で伝わる騒音を緩和するところです。

費用の相場は、約6万円(腰窓180cm×90cm )約9万円(掃き出し窓170cm×180cm)程度です。

また、二重サッシにする場合の効果は、気密性が上がり、2つの窓ガラスの間で空気中の音が反射し、反復されることによって音が緩和されるところです。

費用の相場は、約7万円(腰窓170cm×110cm)約13万円(掃き出し窓170cm×200cm)程度です。

 

防音室設置による防音リフォーム

 

防音室を設置する場合のリフォームについて解説します。

 

・防音室を設置するリフォームとは

 

組み立て式防音室にはDIYで組み立てる簡易式のものから、業者に組み込んでもらうものまでさまざまです。

ギターや管楽器など狭いスペースでも演奏したい人は、自分で組み立て可能な市販の防音ボックスがおすすめです。

本格的に楽器の演奏をする人や大きい音が出る楽器に関しては、プロの業者に依頼した方が後々問題が起こらないでしょう。

 

・防音室設置の効果と費用

 

防音室設置の費用(組立費込み)は、小型(0.8帖〜1.7帖)で55〜140万円、中型(2.0帖〜3.5帖)で85〜180万円、大型(3.5帖〜4.3帖)で125〜250万円程度です。

防音室を部屋に設置することで直接部屋の壁や床に音の振動がない分、遮音性が高まり部屋の外への音漏れが軽減される効果があります。

 

部屋全体の防音リフォーム

 

部屋全体を防音リフォームする場合を解説します。

 

・部屋全体の防音リフォーム方法

 

部屋の床・壁・窓を工事して既存壁との間に空気層を作ることで防音効果を上げます。

防音室は防音効果のある建材で部屋全体を囲うようなイメージで作ります。

 

・部屋全体の防音リフォームの効果と費用

 

部屋全体の防音リフォームの費用相場は、6帖で160〜300万円以上、8帖で180〜400万円以上、10帖で260〜500万円以上です。

全体に防音工事をするため、遮音、吸音ともに性能がアップし最も防音効果が上がります。

防音の程度と広さや構造によって価格は変動しますので目的に応じたリフォームを検討しましょう。

 

マンションでの防音リフォームする際に初心者が気をつけたいポイント

 

・信頼できる業者を選ぶ

 

費用だけで判断せずに、目的に応じた性能の建材を使用しているかなど工事内容を確かめます。

費用に対してどれだけの効果があるのか具体的に説明できる業者を選ぶことをおすすめします。

例えば、この床の工事でお子様が走られても階下の住人には迷惑にならない程度の音に変わりますなど、またその根拠を数値などで説明できる業者がベストです。

 

・費用だけでなく工事期間も確認

 

仮住まいが必要なら引越し費用や家賃などが必要なので工期の確認も重要になります。

工程表を作成してもらい、工事の流れと完工予定日を確認しましょう。

 

・工事後の保証サービスの有無を確認

 

アフターサービスが充実していない業者は、トラブルになりかねません。

例えば、約束された効果が出ない場合、無償で修正工事を保証してくれるのかなど確認しておきましょう。

 

・実績や利用者の口コミや評価を確認

 

口コミや評価を参考にするときは

・工事実績

・工事内容

・担当者の対応

などで高評価を受けているか確認しましょう。

 

防音リフォームをする際の注意点

 

・管理規約を確認する

 

マンションの管理規約に基づき工事内容をリフォーム業者に相談しましょう。

管理規約が分からない場合は、管理組合で確認することができます。

 

・近隣住民に理解を必ず求める

 

工事の際は、近隣住民にご迷惑がかかりますので理解と協力が必要です。

事前に必ず工事内容を明記した書面を持参し、業者と一緒にご挨拶にお伺いしましょう。

 

まとめ

 

マンションの防音リフォームについて解説してきました。

防音したい音の種類、目的や予算によってさまざまな防音リフォームがある中で、自分の家はどのような防音工事をすれば良いのか検討してください。

防音リフォームをすることで騒音問題を解消し快適で自由なライフスタイルを手に入れましょう。