全改造スケルトンリフォームの費用相場は?費用を抑えるコツや注意点もご紹介!
2022.02.09
全改造スケルトンリフォームの費用相場は?費用を抑えるコツや注意点もご紹介!
スケルトンリフォームをする場合、費用は一体いくらぐらいかかるのでしょうか?
一戸建て住宅やマンション、広さや内容によって価格が大きく変わってきますが、おおよその費用の相場を見ていきましょう。
今回はスケルトンリフォームの費用について参考になる情報を解説します。
スケルトンリフォームの費用を左右するポイント
スケルトンリフォームの費用を左右するポイントを解説します。
・建築面積
スケルトンリフォームの費用は、建築面積が広ければ当然費用も上がります。
スケルトンリフォームのため全てを解体撤去し、一から作り上げていくので延べ床面積に応じて費用は高くなります。
予算を計算する際には延べ床面積から算出しましょう。
・ 間取り
スケルトンリフォームの費用は、設計する間取りによって費用は変わってきます。
部屋数が多くなったり複雑な間取りに変更した場合 それだけ費用は高くなってしまいます。
部屋数が多いとそれだけ間仕切りの壁や出入り口の建具などが多くなり大工手間も加算されます。
また水廻りの移動や変更は、給排水の配管の移動なども伴うのでその費用も追加されます。
水廻りの移動はできるだけ最小限にとどめ、極端な移動や変更は行わない方が良いでしょう。
シンプルな間取りほど費用が抑えられるので設計の際は注意しましょう。
・ 一戸建てorマンション
スケルトンリフォームする住宅が、一戸建て住宅かマンションかによっても費用は変わってきます。
どちらが高いというわけではなく、一戸建て住宅の場合は外壁や屋根も工事範囲であれば高くなります。
マンションの場合は資材の運搬に費用がかかるため、高層階になると運搬に手間と人件費が必要になります。
マンションは廊下やエレベーターなど共用部分を通行するため、傷を付けたり汚したりしないように養生をしなければならないので費用はアップします。
それぞれの状況によって必要な費用が発生するので、見積もりをしっかりと確認しましょう。
・住宅設備のグレード
スケルトンリフォームの費用は、水廻りなどの住宅設備のグレードによって変わります。
キッチンやシステムバス、トイレや洗面台などグレードによって価格に幅が出てきます。
標準的な仕様であれば比較的費用は抑えられますが、ハイグレードの上にオプションをたくさん付けたりすると100万円以上の誤差では済まなくなってしまいます。
住宅設備は予算に合ったグレードを選ぶことが重要です。
・施工地域
スケルトンリフォームの費用は依頼する住宅会社の施工エリアで行わないと高くなってしまうことがあります。
住宅会社は職人さん達が通える範囲を施工エリアにしています。
そのエリアから外れると現場までの時間と交通費などがかかってしまうので追加費用が必要な場合があるのです。
スケルトンリフォームの費用相場
一戸建て住宅のスケルトンリフォームの費用相場は、平均的な延べ床面積30坪の建物の場合約1,000〜1,800万円程度です。
屋根や外壁を既存のままで内装のみの工事であれば、間取りや住宅設備のグレードによっては1,000万円までで可能な場合もあります。
しかし、断熱材の入れ替えや耐震補強、標準的な設備を考えれば1,000万円は最低でも必要でしょう。
一方、マンションのスケルトンリフォームの費用相場は、2LDKで500〜900万円、3LDKで700〜1,200万円程度です。
スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ
大掛かりな工事になるスケルトンリフォームですが、予算がある中で費用を抑える方法はどうすれば良いのかを解説します。
・優先順位を決める
スケルトンリフォームの費用を抑えるコツは優先順位を明確にしておくことです。
スケルトンリフォームはリフォームの中では高額になるため少しでも安くしたいところです。
自分の中でこれは譲れないことと妥協できるところを明確にして優先順位を決めましょう。
例えば床材であれば、無垢のフローリングにするのか標準的な複合フローリングにするのかなど、価格の差があるところに注目して考えれば費用を減らすことが可能です。
どうしても実現したいことは譲らずに、拘らない部分は価格の安い方を選ぶようにしましょう。
・住宅設備を見直す
費用を抑えるコツは、住宅設備のグレードやオプションを見直すことです。
例えばキッチンですが、壁付けの標準的なキッチンもあればアイランドキッチンもあります。
水栓やコンロ、食洗機、レンジフードなどさまざまなバリエーションがあるので、妥協できる部分は標準の仕様にしましょう。
システムバスも安価な製品から高級感のある製品まで幅広いグレードがあります。
トイレや洗面台も含め水廻りの住宅設備のグレードを見直すことで、費用は抑えることができるでしょう。
・補助金や減税制度を使う
自治体の補助金や減税制度を活用できる場合があります。
・バリアフリーリフォーム
・耐震改修
・省エネリフォーム
など各自治体によって条件は異なりますが、よく確認して上手く利用することをおすすめします。
自治体のホームページで調べて、詳しく分からない場合には業者に相談すると良いでしょう。
スケルトンリフォームの費用別施工事例
・鉄筋コンクリート造の一戸建て住宅をスケルトンリフォーム
施工費用:840万円 築年数:26年 工事期間:60日
工事内容:住宅設備を全て交換し生活動線の見直しと収納スペースを確保した。
・木造住宅を自然素材の建材を使用してスケルトンリフォーム
施工費用:1,400万円 築年数:15年 工事期間:90日
工事内容:大幅な間取り変更と水廻りの移設、隣接していた和室とリビングを繋げて開放的なリビングを作りました。
・愛着のある実家を受け継ぐために屋根、外壁も含めたスケルトンリフォーム
施工費用:2,200万円 築年数:20年 工事期間:100日
工事内容:生まれ育った実家を両親から受け継ぎ、自分たちのライフスタイルに合った全面改装を実現。
・中古マンションを購入し低予算でスケルトンリフォームを実現
施工費用:800万円 築年数:40年 工事期間:60日
工事内容費用を抑えるために間仕切りを少なくし、設備の費用も抑えて全面改装。
・狭いマンションを広く感じさせるオープンなスケルトンリフォーム
施工費用:1,000万円 築年数:25年 工事期間:90日
工事内容:閉鎖的に感じられたキッチンは周囲の壁を取り払いオープンタイプのキッチンに変更しました。
スケルトンリフォーム工事の注意点
スケルトンリフォーム工事の際には、さまざまな注意点があります。
一戸建てでもマンションであっても図面が残っている場合は、その図面を参考にします。
中には図面通りの建築がされていない建築もあるので注意が必要です。
スケルトンリフォームの場合、構造体だけを残して解体するので図面と違う箇所の腐食やひび割れなどを実際に目視で確認することができます。
解体後の検証はしっかりと時間を取って行うことが重要で、場合によってはプランを変更せざるを得ないことも出てきます。
中途半端に工事を進めてもやり直しが多くなるので、隅々まで細かく調査をして計画を変更する必要があれば確実にまとめてから再度着工することが必要です。
また建物の構造体が腐食やひび割れなどがあった場合、その部分の補修や補強なども必要になってきます。
築年数が何十年も経過している建物になると、経年劣化で湿気やシロアリ被害によって建物の構造に深刻なダメージを受けている場合も珍しくありません。
劣化の状況に応じて適切な処置を施し、これ以上の劣化の進行を阻止しなければなりません。
基本的にリフォームする時に構造躯体と切り離して設備や内装のやり替えがしやすいように各部の収まりを考えて工事計画を立てることが重要です。
壁が移動しやすい収まりにしたり、設備の配管を交換しやすいように考えて工事を進めるなど、今後のリフォームを見据えた計画が大切なのです。
・木造のスケルトンリフォームの場合
木造のスケルトンリフォームの場合は、基礎や土台柱梁などの構造体のみを残し、骨組みだけにして全てをやり替える工事になります。
解体工事が進むと構造材が表に出てくるため、腐食やシロアリ被害、金物の不足、不具合などを実際に目視で確認することができます。
具体的には湿気で木材が腐りかけていたり、シロアリの食害により柱に無数の穴が空いていたり、木材の接続部分のジョイント金物が錆びていたり、といった状況であればしっかりと補強工事を行うことが必要です。
これはスケルトンリフォームをした時の最大のメリットでもあります。
解体後の骨組みの状態だと施工もしやすく確認も容易です。
基礎の鉄筋コンクリート部分の補強が必要な場合も、床組みが撤去されていれば鉄筋の配筋が型枠工事などもやりやすく、工事がスムーズに進みます。
このように木造のスケルトンリフォームの場合は、構造体の不具合がはっきりしますので確実に補強を行いスケルトンである構造体の対応年数を延ばすことが重要です。
また構造の耐震性も確保するような工事を行うことが重要です。
住宅としての性能アップもこの時がチャンスなのでおすすめします。
通気工法や高断熱、高気密、ペアガラスなど省エネ住宅に改良して、今後低いランニングコストで長く住み続けることも可能です。
完成後はほとんど新築と同じ状況になります。
・鉄骨造のスケルトンリフォームの場合
鉄骨造のスケルトンリフォームの場合は、柱、梁、床、プレースなどの構造体を残しその他を全て解体して作り直す工事になります。
一戸建ての場合には、玄関ドアやサッシも自由に交換することができるので、間仕切り壁を作り直して新たな住宅のプランに変更することも可能です。
鉄骨のスケルトンリフォーム工事の場合、重要なことは鉄骨の構造体の錆をしっかりとチェックすることです。
サビが見つかった場合その原因を調査します。
概ね外部からの水の侵入が原因ですが、今後水が浸入しないように再度防水することが大切です。
また鉄骨の錆びた部分はしっかりとサビを撤去し錆止めを塗装します。
漏水は屋上やバルコニーの防水やドレンの不具合、サッシ廻りや ALC の継ぎ目のコーキングの劣化などが原因の場合がほとんどです。
しかしこの場合漏水箇所を特定することが難しく、全体的に防水やコーキングの打ち替えが必要となります。
他には断熱材のチェックも必ず必要です。
ウレタンなどの吹き付けが欠損していたり、グラスウールが不足している場合などがあればしっかりと補足しなければなりません。
スケルトンリフォームをする場合は、しっかりとチェックし構造体を長持ちさせることが重要です。
・RC造のスケルトンリフォームの場合
鉄筋コンクリート造は略してRC造とも呼ばれています。
鉄筋コンクリート造のスケルトンリフォームは、柱、梁、床、壁などの構造躯体を残し、その他を解体して間仕切り等を作り直す工事です。
マンションの場合は、玄関ドアやサッシの交換は共有部分になるので、管理組合の許可が必要ですが一戸建ての場合には自由に交換することができます。
間仕切り壁を作り直して、住宅のプランを大幅に変えることも可能です。
ただし壁構造の場合は間仕切り壁も構造壁で出来ている場合が多く、壁を全て撤去することが難しく、新たに開口を作る程度の工事になります。
鉄筋コンクリートのスケルトンリフォームでは、躯体部分のひび割れや爆裂をしっかりとチェックすることが肝心です。
状況によっては耐震診断をして補強することも必要です。
また防水の状況も確認しなければなりません。
コンクリートのクラックから雨水が侵入して、内部の鉄筋を腐食させると構造的にも弱くなります。
防水工事をやり直して完全に水の侵入を止めることが大切です。
他には断熱材も合わせてチェックをしておきましょう。
断熱材は硬質発泡ウレタン吹き付けが一般的ですが、中には全く断熱されていない建物もあります。
外断熱や充填断熱など、現在の断熱基準に合わせて再度施工し直すことをおすすめします。
まとめ
スケルトンリフォームの費用と注意点について解説してきました。
新築同様に仕上げることが可能なスケルトンリフォームは、費用も高額になります。
しかし、建て替えるより安くできることと、リフォームならではの補助金や減税制度を上手く使うこともできます。
費用を抑えて新築のような家を実現できるスケルトンリフォームを検討してはいかがでしょうか。