内装リフォームの基礎知識!壁材の種類と特徴を徹底解説!

2022.01.10

内装リフォームの基礎知識!壁材の種類と特徴を徹底解説!

 

家が古くなると、壁紙の汚れや傷が気になってきませんか?

そろそろ壁紙を一新して、気分を変えたいと思っている方も多いと思います。

内装リフォームをする際に、どのような壁材にするのがベストなのか、種類はどれだけあるのかなど疑問は尽きないものです。

この記事では、室内壁のリフォームを考えている人の為に、壁材の種類と特徴を解説します。

 

壁材の種類と特徴

 

・ビニールクロス

 

近年住宅で、最も一般的な壁材といえばビニールクロスです。

ビニールクロスが選ばれる理由は、低コストで色柄が多彩、施工しやすい点が挙げられます。

また、石膏ボードなどの下地材の上に接着剤で貼るだけなので、施工も簡単で工期も短いことも人気のある理由の一つでしょう。

その中でも特にメリットとして挙げられるのは、価格が安いことです。

低価格なものなら1㎡あたり1,000円程度から、高めの上級のクロスでも1㎡あたり1,500円程度の予算で収まります。

そして水に強く水拭きをしても破れないので、お手入れが簡単にできる点も見逃せません。汚れが付いても大抵の汚れであれば簡単に掃除が出来ます。

 

反対にビニールクロスのデメリットは、通気性や調湿性がないことです。

そのため、湿気が溜まってしまうとカビやダニが発生しやすくなってしまいます。

カビが気になる場合は、防カビ加工されたビニールクロスもあるので湿度が高くて困っている方には良いでしょう。

 

また、部分補修がしにくいこともデメリットのひとつです。

一部が破れたり汚れてしまった時に、部分的に補修したとしても目立ってしまうことが多くあります。

どうしてもビニールクロスの破れや汚れが気になるときは、一面を張り替えることが必要になってきます。

ビニールクロスは、コストを抑えて多彩な色柄のバリエーションの中から、自分好みのクロスを選びたい人にはおすすめです。

 

近年、ビニールクロスは様々な機能が備わった製品が多く出てきています。

例えば、汚れ防止加工が施されていて汚れが付きにくく、サッと拭けば汚れが簡単に落ちる便利な機能があります。

表面に加工された汚れ防止材が、汚れを弾いて中まで入り込まない構造になっているのです。

小さなお子様やペットを室内で飼われている方には、汚れ防止機能のあるビニールクロスがおすすめです。

もう一点は、抗菌仕様や脱臭効果が備わっている製品も多くなっています。

嫌な菌の付着を防ぎ、臭いも付きにくい機能のあるビニールクロスなら家族も安全で安心です。

壁は手を触れてしまうことがよくあるので、抗菌の機能は有難い機能といえます。

焼肉などをした時の調理臭やペット臭にも効果があり、いつまでも悪臭を残しません。

ビニールクロスには様々な加工が施された製品があるので、業者に相談し我が家に合った機能性のあるクロスを見つけましょう。

 

・紙クロス

 

壁材はビニールクロスだけではなく、紙製のクロスもあります。

紙の独特の素材感を生かした製品です。

紙クロスは、欧米で採用されていることが多いため、パルプを原料とした洋紙タイプの製品が多数あり、プリント加工やエンボス加工された製品もたくさん見られます。

他にもコウゾ・ミツマタなど使用した和紙やケナフなどの非木材紙を原料とした特殊紙タイプや表面がフィルム加工された合成紙タイプもあります。

紙クロスは自然素材なので、環境や健康に対する観点から見ても安心なため注目されている壁材です。

紙製なので柔らかく味わいのある製品が多く、雰囲気を大切にしたい場所などに採用するのが良いでしょう。

しかし、紙クロスはビニールクロスよりもコストが高くなってしまうデメリットもあります。

ただ、だからこそ上品さや高級感・個性的なイメージに仕上げられるのが最も良いところで、一室の一面だけワンポイントとして使うこともお洒落に演出してくれるでしょう。

また、ビニールクロスと比較すると薄いため、下処理を怠ると下地の目地が浮き出てしまう可能性がありますが、経験豊富な職人さんへ施工をお願いすれば問題はありません。

 

・織物(布)クロス

 

織物クロスは、木綿と麻といった自然素材を使ったタイプがあり、パルプやポリエステル、レーヨンなどの化学繊維を使ったタイプがあります。

他には、織物素材ならではの風合いと立体感が美しいシルク素材やサテン素材などの上質な壁紙もあります。

そして織物クロスには高級感や重厚感があり、上品な雰囲気を演出してくれるため美術館や博物館、ホテルなどで採用されていることが多いのです。

織物クロスは あたたかみのある風合いと高級感があるので、ビニールクロスでは味わえない雰囲気が楽しめます。

 

また、織物なので破れにくく、頑丈で水に濡れても伸びにくいという性質があるので耐久性にも優れています。

お手入れは埃が吸着しやすいので、はたきをかけて埃を落とし水拭きは避けた方が良いでしょう。

他には、紙クロスと同様に通気性に優れています。

そのため梅雨時の湿気の多い時には、湿気を吸収し乾燥時には水分を放出する調湿作用があります。

湿気が気になる場所に使用すると良いでしょう。

 

一方で織物クロスには、防火性のある製品が限定されるためキッチン周りでの使用にはあまり向きません。

ガスコンロの場合火を使用するので、燃える可能性のある布製の織物クロスは消防法上使えないのです。

 

基本的に織物クロスは、自然素材を使用するため化学物質のビニールクロスが苦手な方にはおすすめです。

織物クロスは、最近ではあまり普及率が高くないため、取り扱っている施工業者も多くないので使いたい人は業者に相談してみましょう。

 

・木質系壁紙

 

木質系壁紙(木質系クロス)は薄くカットした自然木材を紙に裏打ちした壁紙です。

また、コルクを薄くスライスして紙に裏打ちするコルクシート壁紙も木質系クロスの一種です。

自然素材のためあたたかみを感じられ、落ち着いた印象の部屋に仕上がりますが、一般的にビニールクロスや他の壁紙と比較してコストが高くなります。

部屋の一部にワンポイントとして使用するとお洒落に仕上がるので、個性的な演出をしたい人にはおすすめです。

 

・無機質系壁紙(珪藻土壁紙・漆喰壁紙)

 

無機質系壁紙は自然素材の土や石、セラミックやガラス繊維などを主な原料としている壁紙を指します。

素材を生かした個性的なものやシンプルモダンなものなど多種多様なデザインが幅広く存在します。

珪藻土や漆喰といった無機質の素材を、不燃性の紙面に施しているため防火性に優れており、塗装したような壁の風合いや質感をリーズナブルな価格で実現することができます。

中でも人気があるのは、表面に珪藻土を施したクロスです。

珪藻土とは太古の植物プランクトンが堆積して土になったもので、アメニティ重視のファンから支持されており、調湿効果や消臭効果に優れていることで知られています。

手触りはざらざらとしており、印刷では表現できない繊細な色合いや奥行きが表現できます。

 

しかし、珪藻土クロスや漆喰クロスは塗装した壁と見比べてみると見劣りしてしまうため本物志向の方には安っぽく感じてしまうかもしれません。

使用する珪藻土や漆喰の量が少量のため、塗り壁ほどの調湿性や消臭性は発揮できません。

 

また、お手入れの仕方としては水拭きはシミになる可能性があるため、汚れた部分は消しゴムを使って汚れを落とすか、乾いたタオルで叩く方法がおすすめです。

なおビニールクロスと比べると薄く、下地に追従する力が弱いため下の壁に凹凸があると表面に現れてしまいます。

薄いクロスは下地がフラットの状態になるようにしっかりと整えることが必要です。

そのためには薄いクロスでも上手くこなせる業者に施工してもらいましょう。

 

・オレフィン壁紙

 

オレフィンとは簡単に説明するとプラスチックの一種です。

オレフィン壁紙は、ポリエチレンポリプロピレンといった合成樹脂が主原料で、比較的ビニールクロスと同じような性質を持ち合わせています。

ビニールクロスと同じように汚れに強く、ホコリや手垢などが付着した際には、水拭きをすれば汚れを落とすことができます。

表面も強度が高く傷も付きにくい機能的な壁紙といえるでしょう。

 

ビニールクロスとの大きな違いとしては、塩化ビニールの使用を軽減するために普及してきたという点です。

ビニールクロスは焼却した際に有毒ガスが出ますがオレフィン壁紙は、ほぼ発生しないというメリットがあるため環境に優しいクロス といえます。

 

ただそのため、ビニールクロスと比較するとコストがやや高くなってしまい、施工も無機質系壁紙と同様に技術を要する壁紙といえます。

オレフィン壁紙は、環境問題を意識したビニールクロスと同等の性能のある壁紙なのです。

そのような理由から壁紙としての機能性は重視しつつ、環境問題に高い意識をお持ちの方におすすめです。

 

・珪藻土・漆喰

 

自然素材の漆喰や珪藻土を使った塗り壁を考えた時、最初に思い浮かぶのが漆喰と珪藻土の違いではないでしょうか。

簡単に説明すると漆喰は石灰石という岩石を原材料とする壁材です。

一般的な漆喰は、石灰石を原材料に水や特殊な繊維材を使って製造しますが、メーカーごとに成分が異なります。

例えば糊材の部分で、化学合成ボンドを使うか天然の糊材を使うかといった違いがあります。

自然素材100%の漆喰というのは接着剤も 天然でなければなりません。

 

一方で珪藻土は珪藻という藻類の一種にあたる珪藻が粉末状になり、それに固めるための材料を混ぜて作られたものです。

このため珪藻土は、製造メーカーによって混ぜる原料や配合に違いがあり製品の内容が異なります。

固まらない性質の特徴があるため、そのまま塗ることはできず固める素材を混ぜ合わせて壁材にします。

この時配合する原料によっては、珪藻土が持っている調湿性を低下させてしまったり、自然素材の珪藻土を塗ったはずなのに、化学合成接着剤の臭いがしたりすることがあります。

珪藻土だけでは壁材として成り立たないので、配合を原料として天然の自然素材である漆喰を配合した珪藻土を選ぶことをおすすめします。

 

また調湿作用のある珪藻土は、海辺や湿度の高い地域に住んでいる方には室内のカビや結露の抑制に役立ちます。

自然素材である漆喰や珪藻土は、材料や施工手間の費用が高く、内壁に全て採用すると金額が大きくなるので、調湿効果が必要な場所のみ採用するのもおすすめです。

 

・無垢材

 

温かみがあり香りや風合いの良い無垢材は、床だけではなく壁にも施工することがあります。

無垢材の持つ様々な特性を満喫できるのはもちろんですが、表情豊かな美しい木目がインテリアとしても最適です。

木の種類によっても色々なコーディネートを楽しむことができます。

 

また、無垢材のメリットは天然の調湿効果があることです。

湿気が高くなると空気中の水分を吸収し、乾燥すると内部の水分を水蒸気として空気中に放出するという働きがあります。

そのため湿気の多い梅雨時には湿度を軽減し、夏の暑い日にも湿度を下げて暑さを和らげる効果を発揮してくれるのです。

反対に冬はしっとりと暖かく、季節を通じて心地よい室内空間を保ってくれます。

さらにダニやカビなどの増殖を抑える効果があるほか、無垢の木の香りに含まれる成分にはリラックス効果もあり木材がもたらしてくれるメリットは数多くあるのです。

 

他には、天然木ならではの特性に加えデザイン面でも大きな効果があります。

木の壁材は存在感があり、部屋の印象を大きく変えることができるのです。

例えば部屋の高さを感じさせたい場合には、無垢材を縦に貼って縦ラインを強調したり、反対に部屋を広く見せたい時には横に貼ることで広がりが生まれます。

貼り方ひとつで思い思いのデザインにできるのも、無垢材のメリットの一つといえるでしょう。

 

まとめ

 

内装リフォームの基礎知識として、壁材の種類と特徴について解説してきました。

壁のリフォームを考えた時に、どうしても安価なビニールクロスを選ぶことが多いですが、予算に余裕があるなら紙クロスや布クロスをワンポイントに使用するのもよいでしょう。

また、環境問題に意識の高い方はオレフィン壁紙を、本格的な調湿効果や消臭効果が欲しい方には珪藻土や漆喰、無垢材を検討することをおすすめします。

予算に応じた素敵な壁材を業者と相談しながら選んでいきましょう。