内装リフォームの基礎知識!床材の種類とメリット・デメリットを徹底解説!前編

2022.01.10

内装リフォームの基礎知識!床材の種類とメリット・デメリットを徹底解説!前編

 

リビングや部屋の床を張り替えたいけど、何を選べば良いのか分からないと思っている方も多いのではないでしょうか。

床をリフォームすると、家の雰囲気がガラリと変わります。

傷ついて汚れが目立ってきたので変えたい!イメージを変えて気分も一新したい!

また、人気のある無垢材のフローリングに張り替えたい!と考えている方も少なくないと思います。

この記事では、床の張り替えリフォームを考えている方のための基礎知識として、床材のひとつであるフローリングの種類と特徴について徹底解説します。

 

床材のフローリング種類と特徴

 

フローリングは木材を用いた床材で、大きく分けて複合フローリングと無垢材フローリングの2種類があります。

様々な色味やデザインのバリエーションが豊富で、防音性の高いものや床暖房の対応できる機能性を持った製品もあります。

居室に適したフローリングもあれば、キッチンの水廻りでも十分対応できるフローリングもあります。

それぞれのフローリングの特徴について解説します。

 

・複合フローリング

 

複合フローリングとは、数枚の板が貼り付けられ何層かになって作られている床材を指します。

合板と呼ばれるベニヤ板の表面に、1〜2 mm 程の厚さの薄板を貼ったものが多く流通していましたが、近年では薄板の代わりに表面に木目を印刷したプリントシートを貼ったシートフローリングが主流となっています。

プリントシートには木目が印刷されたオレフィンシートと、表面保護のために貼られている透明エンボスシートの2種類があります。

表面がシートなので引っ掻き傷や擦り傷に対して弱く、シートが破れてしまうこともあります。

また傷だけではなく摩耗性や耐熱性もやや弱く、万が一シート部分の傷やダメージがあった場合には補修がしにくい床材です。

何層にもなっていることから、伸縮が少なく反りや割れを起こすことは少ないので、表面にダメージを与えなければ扱いやすい床材といえます。

 

・複合フローリングのメリット

 

複合フローリングのメリットは、ここ数年で多くなってきたワックスフリーのフローリング床材があることです。

これはノンワックス床材とも呼ばれ、ワックスが必要ないのでメンテナンスが非常に楽です。

ワックスフリーの床材は耐久性を高める特殊加工を施しており、ワックスがけをしなくても綺麗な状態を保つことができるのです。

 

また、水拭きなどのお掃除で、汚れが簡単に落とせるといった特徴もあり、水をこぼしてもすぐに拭き取れば、跡形が残るような心配もなく掃除もしやすい床材といえます。

ワックスフリーのフローリングは無垢材のフローリングに比べて価格が安く、扱いやすいといったメリットもあるのです。

 

・複合フローリングのデメリット

 

デメリットとしては傷や汚れに耐性はあるものの、経年劣化による傷や凹みを部分的に補修することが難しいところです。

通常では、10年ほどの耐用年数があるといわれていますが、経年による表面の特殊加工の効果も薄れてきて耐久性も弱くなってしまいます。

ワックスフリーのフローリングは、表面の特殊加工により一定期間はワックス無しで美しく保護できますが、決してワックスをかけてはいけないフローリングではありません。

ワックスフリーのフローリングに関しては、各メーカーが専用のワックスを用意しています。

つまり、一定期間の美観を保つためには自分で各メーカーが用意したワックスを定期的にかけて表面加工を保護するといった作業も長持ちさせるには必要です。

他のメンテナンス方法としては、ワックスフリーのフローリングにフロアコーティングすることも可能です。

仕上がりの光沢が高いUVコーティングや、風合いを変えず仕上げられるガラスコーティングなど好みの仕上がりを選べます。

ワックスフリーの複合フローリングもある程度のメンテナンスをすることで長期間美観を保つことが可能です。

近年では、本物の無垢材のようなリアルな木目柄が印刷されたシートを貼った製品もあり、色目も多種多様に揃っています。

各メーカーが、それぞれの機能性とデザイン性を追求し、開発されたフローリング床材は選ぶのに困るほどのラインナップがあるのです。

複合フローリングは、最も一般的に採用される自由度の高い床材といえます。

 

・無垢材フローリング

 

無垢材フローリングとは、丸太から切り出した自然な状態のままの木材で、1枚の板にカットされた床材を指します。

無垢材は切り出したままの木材なので、品質にばらつきがありますが一つ一つの木材の表情が豊かなのが特徴です。

そして、木材本来の雰囲気を存分に楽しめることから、特に素足で歩くと直接木の温もりを感じることができます。

そのため無垢材フローリングを床に採用したい人も多く人気があるのです。

しかし、無垢材フローリングは他のフローリング材と違った魅力がある一方で、お手入れ方法が難しく複合フローリングより気を配ることが必要です。

自然素材でデリケートな面があるので、メンテナンスはしっかり行うことが大切といえます。

また、無垢材のフローリングにも様々な種類があり、その種類によって部屋の雰囲気も変わるのでお部屋に合った種類を選ぶと良いでしょう。

フローリングによく使われるそれぞれの特徴を紹介します。

 

・パインの無垢材フローリング

 

パインの無垢材は、フローリングによく使われる木材のひとつです。

パイン材は経年変化で独特の深みが出ることから、以前から多くの人に親しまれ人気があります。

一番の醍醐味として傷がついて色が変色したとしても、それがパイン材の味として楽しむことができます。

パイン材はアンティーク家具などにもよく使用される素材で、ヴィンテージ感を味わうこともできるのです。

比較的柔らかい素材のため、子供部屋や年配の方のお部屋にも適しているといえます。

 

・スギの無垢材フローリング

 

スギも無垢材のフローリングによく使用される木材のひとつです。

スギは、昔から日本で使われている一般的な素材で、和室などに合うとされています。

また、スギは柔らかい木材であるため加工の自由度が高く洋室にもよく利用されているのです。

床が柔らかいと足に負担がかからず歩きやすいメリットもあり、柔らかく肌触りも良いために小さなお子様がいる家庭には適しています。

 

・ヒノキの無垢材フローリング

 

ヒノキは日本を代表する高級な木材で、無垢材のフローリングとして一般的によく使用される木材です。

独特の香りがあるためフローリングに使用することで、部屋全体にヒノキの香りが広がります。

家中にヒノキの香りを漂わせることで癒しの効果や防虫効果、アレルギー体質の人にも良い作用があるといわれています。

また、ヒノキは強度や耐久性に優れているため、床材として適正な素材といえます。

ヒノキの無垢材フローリングは、様々な面でメリットが多いのでおすすめです。

 

・クリの無垢材フローリング

 

クリの木はチェストナットとも呼ばれ、フローリングに適した木材です。

はっきりした木目が特徴で、力強い印象があります。

クリの無垢材は木が硬いため強度があり、傷や衝撃にも強い床材といえます。

また耐水性にも優れているため、キッチンなどの水廻りのフローリングに使用しても問題なく使えるところは特徴です。

頑丈な床材が好みで、水廻りにも使いたい人におすすめです。

 

・ オークの無垢材フローリング

 

オークの無垢材は、昔から船舶やウイスキーの樽に使用されている木材で、高い耐久性と耐水性を備えています。

そのため強固で硬く傷に強い性質があり、水に強いクリの無垢材と同様に水廻りのフローリングにも適しているのです。

価格も比較的安価で、他の無垢材と比べてもコストはやや抑えられます。

見た目の風合いも木目に落ち着きがあり、シックな雰囲気を演出することができます。

 

様々な素材の無垢材フローリングを紹介してきましたが、無垢材のメリットもあればデメリットもあります。

無垢材は味わい深く人気の高い床材ですが、自然のままの木材のため良い面と悪い面があるのです。

無垢材の人気の理由のひとつに、木のぬくもりを感じられることがあげられますが、無垢材を使用するメリットは他にもあり室内を快適にする働きもあります。

 

・無垢材フローリングのメリット

 

無垢材の最大のメリットの一つは、木材本来の独特の味が感じられることです。

集成材を使ったフローリングのデザインは、年々向上していますが木の断面がそのまま表面に出る木材には到底及びません。

無垢材は、丸太からの切り方でも表面に表れる木目の表情が変わり、そのため全く同じ木目の無垢材は存在しないということになります。

無垢材は、オンリーワンのフローリングの質感を味わうことができる床材なのです。

また、無垢材は時が経つにつれて表情を変える素材です。

新築時や床材をリフォームした時は新しい木の色合いで、十数年経過すると無垢材の味はなかなか他の素材で表現することが出来ない風合いになります。

経年とともに変化していく色やツヤを楽しめるのは、無垢材ならではの特徴です。

無垢材のフローリングは、年月を重ねるごとに変化を楽しむことができる、愛着のある床材といえるでしょう。

他には、香りや質感だけではなく、部屋を快適に保つことができることも特徴の一つです。

無垢材には天然木ならではの調湿作用があります。

夏の暑い日、部屋の湿度が高くムシムシした場合には、無垢材のフローリングが水分を吸収し、冬に乾燥している場合には放出するという自然素材ならではの特徴があるのです。

四季を通じて室内の湿度の調整を床材が行なってくれるのは、非常に便利で快適性が向上します。

特に冬の床は冷たく震えてしまいますが、無垢材であればその冷たさは軽減されるでしょう。

たくさんの空気を含んだ木材は、その空気が断熱の役割を果たすために冬の冷気を防ぐ作用があります。

無垢材のフローリングの上を歩くと複合フローリングより暖かく感じるのはその理由からなのです。

 

・無垢材フローリングのデメリット

 

無垢材のデメリットは、変形してしまうことです。

本来メリットである調湿作用によって水分を吸収し放出するため、木材が膨張と収縮を繰り返します。

そのため無垢材は反りが出たり、フローリング同士に隙間が出来てしまうこともあるのです。

その問題を解消するために、無垢材は施工前に含水率を下げることで変形や収縮を最小限に抑えます。

含水率とは木材に含まれる水分量のことで、無垢材の場合18%以下になるとその変形が少なくなり強度が高まります。

建築後の不具合を最小限に減らすために、予めよく乾燥させた含水率の低い無垢材を選ぶと良いでしょう。

また、無垢材は天然木であるため、加工される集成材と比べると傷がつきやすく衝撃に弱いデメリットがあります。

スギやパインなど柔らかい無垢材であれば、物を落として衝撃を与えないようにすることが必要です。

特に室内で犬や猫のペットを飼っておられる家庭では、爪の跡などつきやすいため傷が多くなる可能性が高くなります。

しかし、その傷も経年変化の味わいの一つで、それも無垢材の良い特長と考える方が良いでしょう。

どうしても凹みが気になり直したい場合は、水分を含むことで膨張する仕組みを利用して元へ戻すことも不可能ではありません。

傷や凹みの直し方は、業者に相談してみましょう。

 

他には、無垢材のデメリットとして水に弱いということが挙げられます。

無垢材は表面を塗装していたとしても水に弱い傾向があります。

水を含むことで膨張し反りや割れが起こる場合もあるので注意が必要です。

フローリングが濡れたらすぐに拭き取ることが大切で、濡れたままにしておくとシミが残りカビなどが繁殖する原因にもなります。

無垢材のフローリングは、自然素材なので常に呼吸する床材という意識を持って接することが大切です。

 

まとめ

 

最も一般的な床材である複合フローリングと、自然素材で人気のある無垢材フローリングについて詳しく解説してきました。

複合フローリングには木目をリアルに再現したおしゃれな色目の床材があります。

デザインバリエーションが豊富なので、家に合ったデザインを楽しみながら選ぶことが出来ます。

無垢材フローリングもたくさんの木の種類があり、香りを楽しんだり経年変化の味わいを感じたりと素敵な要素が多い床材です。

是非床のリフォームの際は、業者の詳しい説明を受けながらベストな床材を選んで床の張り替えリフォームを成功させましょう。