屋根にはどのような修理が必要なのか!タイミングと方法について解説!

2022.01.10

屋根にはどのような修理が必要なのか!タイミングと方法について解説!

 

屋根を修理するタイミングは、雨漏りの場合以外は必要ないと考えていませんか?

屋根は日常的に目にしない部分なので、修理やリフォームするタイミングは難しいものです。

室内に雨漏りを発見する頃には、屋根裏は雨水でシミだらけで材木への影響が出てしまうこともあります。

この記事では、屋根のメンテナンスと修理するタイミングや方法を解説します。

 

屋根材別に見たリフォームの時期

 

屋根は新築で家を建てた後、一生そのまま使用できると考えている人も多いようです。

定期的に塗装などのメンテナンスをしていれば、多少長持ちはします。

新築で家を建てたとしても、屋根材そのものの寿命はいつかやってきます。

屋根材は様々な種類があるので、屋根材別におおよそのリフォーム時期の目安を紹介します。

 

各屋根材のおおよその耐用年数は

・スレート屋根:20年〜25年

・陶器瓦(日本瓦):40年〜50年

・セメント瓦:30年〜40年

・アスファルトシングル:25年〜35年

・ガルバリウム鋼板:25年〜30年

といわれています。

 

屋根に使われている素材は大きく分けると、瓦、スレート、金属という3種類です。

屋根材の素材によってメンテナンスの時期が違い、リフォームするタイミングも変わってきます。

 

瓦屋根の耐用年数は長く、台風の衝撃などが無ければ50年以上長持ちすることもあるのです。

日本瓦の場合、10年単位のタイミングで接着や防水の役目を果たす漆喰が劣化したり、瓦に苔が生えてくるなどの不具合が出てきます。

また地震などで瓦が動いたりずれたりすることもあるため、メンテナンスは10年から15年ぐらいのタイミングで一度点検修理が必要になることが多いです。

 

次に、住宅の屋根で最も多く使用されているスレート屋根は、メンテナンスを放置すると割れたり反ったりしやすい素材なので塗装が必要です。

メンテナンスのサイクルはメーカーの製品によって異なりますが10年から15年のタイミングで塗装することを推奨しています。

割れや反りがある場合は、雨漏りの危険性や強風で飛ばされるリスクもあるので部分補修が必要です。

 

最後に、ガルバリウム鋼板などの金属屋根の場合は、比較的耐久性が高く壊れる心配もあまりないため、一般的には20年から30年ぐらいは修理の必要がないといわれています。

しかし、屋根は台風などの自然災害や悪天候などの影響を受けやすい部分です。

そのため、屋根材の違いに加え住宅の立地条件によっても、劣化や不具合が生じるタイミングが異なります。

耐用年数はあくまで目安なので、台風の後や周囲の環境によって定期的な点検が重要です。

 

屋根を修理する方法

 

屋根の修理には、全面的に屋根材を葺き替える方法もあれば部分的な修理もできます。

雨漏りの原因によくある板金の修理なども含めて解説します。

 

・屋根の葺き替え

 

屋根を修理する方法としては、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に取り替える葺き替えがあります。

葺き替えは、防水シートであるルーフィングや野地板という下地も同時に補修できるというメリットがあります。

しかし、撤去した古い屋根材の処分費用なども発生するので費用は高くなるデメリットもあるのです。

日本瓦からガルバリウム鋼板などの金属屋根に葺き替える場合、既存の雨樋の交換が必要になることもよくあり、交換費用がかかります。

費用は葺き替える屋根の素材によっても違いがあるため、屋根の面積が大きい場合は総額も大きくなるので注意が必要です。

 

また、近年耐震性を考え日本瓦から軽量のガルバリウム鋼板などの金属屋根や、セメントと樹脂で作られた軽量の屋根材に葺き替えることも多いです。

反対に既存の屋根材が軽いのであれば、重量のある屋根材に葺き替えることは、耐震性を下げることになるので避けた方が良いでしょう。

屋根の葺き替えは費用はかかりますが、最も完璧に仕上げることが可能な方法だといえます。

 

・屋根のカバー工法

 

屋根のリフォームの中には、塗装や葺き替えの他にカバー工法があります。

カバー工法とは、既存の屋根材の上に防水シートを被せて、新しい屋根材を重ねて施工することです。

瓦の場合は葺き替えのみになりますが、スレート屋根や金属屋根の場合は葺き替えではなくカバー工法を選ぶ人が増えています。

カバー工法は既存の屋根材の撤去する手間や処分する費用がかからない分、コストを抑えることができます。

 

しかし、既存の屋根に新しい屋根を重ねるカバー工法は、屋根の荷重負担が大きくなるため耐震性は悪くなります。

カバー工法は、建物の構造によっては選択できない場合もあるので注意が必要です。

例えば、積雪が多い寒冷地などでは雪が積もると屋根が重くなり負荷がかかってしまいます。

積雪で屋根が重くなった状態で、地震などの自然災害がくれば、最悪の場合建物の倒壊の恐れも出てきます。

既存の建物の構造と耐震性が、カバー工法に適したものであるのか業者に確認をしてもらいましょう。

 

・屋根の部分補修

 

屋根の修理には、屋根全体のリフォームをする方法がありますが、不具合のある箇所を部分的に補修することもあります。

 

特に瓦の屋根の場合は、部分補修が基本です。

瓦の部分補修には、瓦の間を埋めている漆喰の塗り替えや瓦のズレを修正する補修などがあります。

漆喰は瓦より耐用年数が短いため、漆喰が劣化し剥がれ落ちると瓦の落下や雨漏りの原因になります。

 

また台風や地震などで瓦はズレることがあり、隙間のないように並べ直す必要も出てくるのです。

棟に積まれている瓦も日常的に雨風があたり、ズレや破損している部分があれば交換や積み替えが必要な場合もあります。

瓦は、桟木に引っ掛けて釘打ちで固定し、重ねて並べていく葺き方なので強風や経年による釘の緩みでズレることもあります。

 

他には、劣化した雨樋の交換も必要です。

屋根に落ちた雨水を下に流す雨樋が壊れると、家の外壁などに雨水が侵入し、腐食や雨漏りを引き起こすことがあります。

直射日光や雨風により、経年劣化でもろくなっている場合もあれば、雨樋そのものは問題なくても取り付けている金具の緩みで雨樋の機能を果たしてない場合もあります。

雨樋だけではなく取り付けてある金具も点検が必要です。

点検と一緒に雨樋の詰まりも確認してもらいましょう。

枯葉やゴミが詰まって、雨水の流れが悪くなっていることもあるので見ておくことが必要です。

見逃してしまいがちな雨樋ですが、雨水をスムーズに流れるようにしておかないと屋根の部材や外壁に悪影響を及ぼすので屋根と一緒に点検することが重要です。

 

・板金工事

 

屋根の板金工事とは、棟板金工事や谷樋板金工事、水切り板金工事の3種類があります。

 

・棟板金工事

棟板金とは、切妻屋根や寄棟屋根の最も高い位置にある棟に設置されている板金のことです。

棟板金は下地の材木に鉄の釘で固定されています。

その鉄の釘が雨風の影響により、緩みが生じて抜けやすい状態になっていることが多いのです。

棟板金は、今までに建築されている住宅の多くで不具合が起こりやすい部分といえます。

 

近年棟板金工事の施工は、素材がガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板など、錆びにくい耐久性の高い素材が用いられているようになっています。

下地材もアルミ型材を採用することもあり、棟板金を固定させる留め具は鉄の釘ではなく、ステンレスのビスを用いてドリルで固定します。

 

耐久性は上がっていますが、強風が何度も繰り返し当たると留め具が緩んでくることに変わりはありません。

このように棟板金の不具合は徐々に進行するので、雨漏りや事故に繋がらないように定期的な点検とメンテナンスが必要です。

 

・谷樋板金工事

谷樋とは、屋根の形状が谷になっている部分に、樋の機能の役割を持った板金の部材のことです。

古民家など歴史ある日本家屋によくある、入母屋屋根などによく見かけることがあります。

近年の新築住宅ではあまり見られませんが、昔の建物にはよくある屋根の形状です。

屋根の傾斜がお互いに下がっている部分は、当然谷になり雨水は両サイドの屋根から谷へと落ちます。

その雨水を受けるために、板金の谷樋があります。

 

屋根の谷の部分は雨漏りの原因が最も多い箇所です。

経年劣化により谷樋板金が、歪んだり曲がったりすることはしばしばあります。

その結果雨水がスムーズに排出されず、谷樋に水が溜まったり溢れたりしてしまいます。

水が溜まることで谷樋板金はダメージを受け続け、サビや穴あきを発生させることにつながってしまうのです。

 

経年変化で変形してしまった谷樋は錆や穴あきのほか、雨水のオーバーフローも引き起こします。

オーバーフローを起こすと雨漏りの原因に繋がるのです。

また、夏によくある急激な気候変動によるゲリラ豪雨でも、排水しきれずにオーバーフローを起こしてしまいます。

 

近年の住宅では、屋根に谷を作るということは雨漏りに繋がるので、基本的に谷を作ることは避けています。

入母屋屋根など、どうしても谷のある屋根形状では、谷樋板金が腐食していないか定期的に点検することが必要です。

もし谷樋が昔の銅板で作られている板金であれば、錆に強いステンレス製に交換することで長期間使用すことができます。

日本の陶器瓦の耐用年数は50年近くありますので、その期間に見合った板金に交換することをおすすめします。

 

・水切り板金工事

水切り板金とは、基本的に雨水の侵入を防ぐために設置する板金のことを指します。

屋根の水切りは、屋根だけではなく外壁に用いられることもあり、屋根と外壁の取り合い部分や軒先屋根の接合部分に取り付けるのが一般的です。

 

水切り板金には様々な種類があります。

屋根に使用される代表的な水切り板金は、ケラバに使われています。

ケラバとは、屋根の軒先の部分で外壁から飛び出た軒の部分をいいます。

ケラバは、桟瓦と袖瓦で施行されているのですが、強い雨や風が吹き付けるとそれらの間に雨水が浸入してしまうことがあるのです。

ケラバに水切りを取り付けることで、瓦と瓦の間に雨水が侵入することを防ぎ、防水シートであるルーフィングや屋根下地の腐食や劣化も防ぐことができます。

 

また、屋根と壁が隣接している部分で屋根の軒先部を壁止まりといいます。

壁止まりの部分も雨漏りしやすい場所なので、壁止まり板金を設置します。

板金があることにより、屋根と壁の隙間から侵入した雨水を排出することで、雨漏りを防止します。

 

屋根には、様々な水切り板金が使用されています。

雨漏りが発生しやすい箇所に水切り板金を設置することで、屋根材の劣化や雨漏り対策を行うことができるのです。

近年水切り板金として使用される素材には、錆に強い耐久性の高いガルバリウム鋼板やステンレス鋼板などがあります。

それぞれ優れた耐久性を持ちますが、耐用年数が近づけば定期的に交換やメンテナンスを行う事が必要です。

ケラバに設置されている水切りは、強風の影響を受けやすいので台風が通過した後には点検をすることをおすすめします。

瓦のズレや欠け、雨樋の状況も含めて一度業者にまとめて点検を依頼すると良いでしょう。

 

屋根と外壁工事で足場代を節約する

 

屋根のリフォームをする際は、外壁塗装のタイミングに合わせて行うと足場の費用が節約できます。

屋根の修理ではほとんどの場合、作業のために足場を組む必要があります。

メンテナンスの塗装をする時であっても、屋根を葺き替える工事であっても同じです。

足場は、外壁の塗装など外壁のメンテナンスと同時に行うことで、屋根と外壁の両方に使用できるメリットがあります。

屋根の修理や葺き替えを行う場合には、外壁も一緒に行うことをおすすめします。

 

まとめ

 

屋根の葺き替えから屋根の水切り板金の交換まで、屋根にまつわる修理やリフォームについて解説してきました。

我が家の屋根材はいつまで寿命が持つのか、これから先いつ頃まで損傷なく屋根を維持したいのか考えることが大切です。

それによってどのようなメンテナンスが必要で、どのタイミングで屋根材を新しくするのかを決めましょう。

葺き替えが必要な屋根材もあれば、カバー工法に適している場合もあります。

中には、部分的な補修でしばらく住み続けられる場合もあるでしょう。

出来るだけ費用も抑えて、長持ちするリフォームにするためにはプロの業者の屋根調査が必要です。

その調査に結果に基づき、現状を把握して我が家に合った、最適なリフォーム方法を選ぶことが大切です。

業者を選ぶ際は、信頼性があり納得のいく説明をしてくれる業者に相談することが、リフォームを成功させる最も重要なポイントです。