屋根をリフォームしよう!変わり種屋根材の種類別特徴を徹底解説!

2022.01.10

屋根をリフォームしよう!変わり種屋根材の種類別特徴を徹底解説!

 

屋根のリフォームを考える際、どのような種類の屋根材があるのか分からないですよね。

たくさん種類があるなかで、それぞれの特徴を把握しておく事はリフォームするにあたってとても重要です。

屋根材も様々な種類があるので、少数派の屋根材も紹介していきます。

この記事では、一般的にはあまり使われていない変わり種の屋根材の特徴やメリット・デメリットを徹底解説します。

 

少数派屋根材の特徴とメリット・デメリット

 

一般的な屋根材といえば、粘土瓦、スレート、セメント瓦、ガルバリウム鋼板などがあります。

少し変わった屋根材として、

・ガルバリウム鋼板に天然石の石粒が付いた屋根材

・ステンレス製屋根材

・銅板

・アスファルトシングル

などあまり知られていない屋根材を紹介します。

 

・天然石チップ付ガルバリウム鋼板の特徴

 

天然石チップ付きガルバリウム鋼板とは、ガルバリウム鋼板の表面に細かい天然石の石粒を吹き付けたものです。

他の呼び方として、ジンカリウム鋼板ともいいます。

 

天然石チップ付きガルバリウム鋼板の特徴は、紫外線で劣化しない鉱物などの細かな石粒を吹き付けることで耐久性を上げています。

ガルバリウム鋼板の表面に吹き付けられた石粒が、保護となるため紫外線が中まで届かないのです。

 

また表面に吹き付けられた砂状の石粒により、雨音が通常のガルバリウム鋼板よりも静かであるという特徴もあります。

 

屋根材の厚みがガルバリウム鋼板と変わらないので、断熱性があまりありません。

そのままだと夏は暑く、冬は寒い家になってしまいます。

施工の際は、小屋裏に高性能断熱材を入れるなどの考えが必要です。

 

・天然石チップ付きガルバリウム鋼板のメリット

 

天然石チップ付きガルバリウム鋼板のメリットは、石粒を吹き付けてあるために防音性が高いところです。

ガルバリウム鋼板は直接金属に雨が当たり、雨音が多少室内に伝わります。

しかし、天然石チップがザラザラしていることで雨を反射し、雨音を吸収することができます。

 

また、表面が石なため耐久性に優れ、再塗装する必要がないところもメリットといえます。

ガルバリウム鋼板のみでも耐久性はあるのですが、表面の石粒により防食性が高まり耐久性が上がるのです。

 

他のメリットとしてガルバリウム鋼板同様、屋根材そのものが軽量なので耐震性が高いことが挙げられます。

金属系の屋根材のメリットである軽量というところが、万が一の地震時に安心なのです。

 

その他のメリットとしては、不燃材料なので耐火性に優れていることや安価なトタン屋根と比較すると約4倍の防錆性がありところです。

耐久性と耐震性を考えれば、天然石チップ付きガルバリウム鋼板は、最も優れた屋根材といえます。

 

・天然石チップ付きガルバリウム鋼板のデメリット

 

天然石チップ付きガルバリウム鋼板のデメリットは、厚さがガルバリウム鋼板とあまり変わらないので断熱性がやや低いところです。

天然石チップの吹き付けによって表面温度が上がらない要素はありますが、金属系の屋根なのでどうしても直射日光で屋根の表面温度が上がってしまいます。

しかし天然石チップ付きガルバリウム鋼板の形状は、粘土瓦のように、S字の形状をしている製品もあります。

S字の形状をしているものは空気層ができるため、ガルバリウム鋼板の平板屋根材よりは断熱性は高くなります。

 

また、海外製品が多く材料が高いところもデメリットといえます。

日本製の製品も各社取り揃えていますが、韓国や中国、ニュージーランドなどで製造された製品を輸入して使用しています。

国内で流通している製品は、韓国製品が多く使われており、輸入建材で注意しなくてはいけないのは、販売元の製造中止になる事です。

部分的な補修や葺き替えが不可能になることもあります。

 

天然石チップ付きガルバリウム鋼板は、総合的に見て魅力的な屋根材といえます。

興味のある方は、一度プロの業者に相談してみましょう。

 

・ステンレス屋根材の特徴

 

ステンレスとは、鉄を主成分としてクロムやニッケルが含まれた合金のことです。

ステンレス製の屋根材は錆に強いため、海沿いにお住まいの方はよく検討される屋根材のひとつです。

海沿いは、潮の影響で金属系の屋根材に錆が生じます。

屋根に錆が発生することで急速に劣化が進み耐久性がなくなってしまいます。

海沿いは塩害があり、金属系の建材は錆が一番の問題です。

また表面の塗装はガルバリウム鋼板と同様に、工場で塗装されているので経年劣化による色褪せは避けられません。

ただガルバリウム鋼板などと比較して、価格がかなり高いので一般住宅には普及しにくい側面もあります。

沿岸地域でなければあまり採用されない屋根材といえます。

 

・ ステンレス屋根材のメリット

 

ステンレス屋根材のメリットは、耐久性に優れ錆びないことです。

ステンレスは錆びにくい素材のため、キッチンなどの水まわりに多く利用されていますが、屋根材としても優れた性能を発揮します。

屋根材の多くは、ステンレス表面に塗料を焼付塗装したカラーステンレスが使用されています。

ステンレス屋根材は錆びにくく劣化しにくいため、メンテナンスフリーと呼ばれることもあり耐用年数は50年ともいわれています。

メンテナンスフリーと呼ばれる製品であっても、完全にメンテナンスが不要なわけではありません。

経年劣化で表面が色褪せてくるため、20年に一度は塗装することをおすすめします。

メンテナンスの手間がほとんどかからないため、ランニングコストを抑えることが大きなメリットでしょう。

 

・ステンレス屋根材のデメリット

 

ステンレス屋根材は、軽量で薄い板状の屋根材なので、傷がつきやすいというデメリットがあります。

傷ができた場所から、劣化やサビが起こることもあるので、傷が付いた場合は早めの補修が必要です。

台風などで飛来したものがぶつかって、傷がつく可能性もあるので台風や強風時のあとには、屋根の点検を業者に依頼することをおすすめします。

 

またステンレス屋根材は、他の屋根材に比べると防音性能がそれほど高くはありません。

雨の音が響きやすいこともあり、天候が悪い大雨のときなどは、音が気になって眠れないといったこともあります。

防音性能を高めたいときには、屋根の下に防音材を使用するなどの工夫が合わせて必要です。

防音性能を上げる施工をした場合は、さらにコストが上がってしまうので初期費用が増えてしまいます。

 

他には、ステンレス屋根材の最大のデメリットは材料単価が高いことです。

加工や施工が難しいため、施工費用も他の金属系屋根材に比べて高い傾向にあります。

ステンレス屋根材は、初期費用がかなり高額になりますがメンテナンスに費用がかからないため、トータルコストを考えれば安くなる可能性もあります。

初期費用にコストをかけるのか、メンテナンスにコストをかけるのか、という選択になるので状況に応じた判断が必要といえます。

 

・銅板屋根の特徴

 

銅板屋根は、日本の風土や気候に適しているとして古くから屋根材として使用されてきました。

銅板屋根の特徴は、緑青(青緑色した錆)による自然な色合いと重厚感で寺社仏閣の屋根がその代表といえます。

和風住宅よりも洋風の住宅を建てることが多くなった現代において、一般住宅の屋根に銅板が屋根材として利用されることは、ほとんどなくなりました。

しかし歴史のある古民家などは、和の趣がある銅板屋根にこだわりをもって、家の屋根に選ばれる方もおられます。

 

・ 銅板屋根のメリット

 

銅板は軽量で、耐久性に優れた屋根材として、昔から数寄屋建築などの屋根に多く使われてきました。

年月とともに緑青が生じることで、さらに耐久性が増し塗装の必要がないため、屋根の寿命が60年以上ともいわれています。

そのため、基本的にはメンテナンスが不要な屋根材です。

また、趣のある自然な色合いと加工性の高さもメリットで、デザインにも柔軟性があります。

曲面にも使用することが可能で自在にカットしたりすることも容易にできます。

他に銅板屋根のメリットは非常に軽量で耐震性があることです。

耐久性もあり、耐震性も高い地震の際にも安心な優れた屋根材です。

 

・銅板屋根のデメリット

 

銅板屋根のデメリットは、価格が高いことです。

銅は、軽量で耐久性が高くメンテナンスも不要で、ランニングコストもかからないためどうしても高価になってしまいます。

価格が高く、青く錆びた見た目もあり、今ではほとんど見かけることがありません。

化粧スレートやガルバリウム鋼板、日本瓦などの一般的な屋根材と比較すると、銅板屋根は約2〜3倍の価格に設定されています。

そのため、一般住宅における銅板屋根の需要はほとんど皆無に等しく、実際に施工できる業者が少ないというのもデメリットといえます。

 

また銅板屋根は、酸性雨の影響で穴が開いてしまうといわれています。

しかしそれは、雨の溜まりやすい箇所やポタポタと雨が落ちる場所といった条件の下での現象です。

そもそも酸性雨は銅に錆をもたらす大きな原因、ということには違いはありません。

銅板屋根は、一般的に住宅にはほとんど使用されないのが現状です。

 

・アスファルトシングルの特徴

 

アスファルトシングルとは、不燃布やガラス繊維であるグラスファイバーにアスファルトを塗装し、さらに表面には細かな石粒などを施し、アクリル樹脂で固めて仕上げた屋根材です。

以前は、フェルト紙にアスファルトを浸透させていたので、それと比較して数段耐久性が向上しました。

表面の石粒も傷がつきにくいという特性があり、耐久性に優れています。

 

アスファルトシングルには、洗練された意匠性と優れた機能性があるため軽量で加工しやすいという魅力もあります。

屋根の形状に曲面や、少し複雑な形状でもある程度加工して対応が可能です。

また元が防水紙なので、とても柔らかく他の屋根材で見られるような、錆やひび割れといった劣化がありません。

当初は、耐火性が低いという欠点があり、日本の防火地域や準防火地域では使用が不可能でした。

しかし現在では、アスファルトシングルの一種であるグラスファイバーシングルなど、日本でも防火材認定を受けた製品が流通しています。

 

・アスファルトシングルのメリット

 

アスファルトシングルのメリットは、防水性が高いことです。

仕上げ材に防水シートが使われている屋根材であるため、水に強いといえます。

防水保証も10〜30年の商品が多数販売されています。

また、スレートやガルバリウム鋼板といった屋根材では、下地防水シートであるルーフィングを固定する際に釘やビスなどで固定します。

そのため、ルーフィングに無数の穴を開けて施工することになり、雨漏りの危険性がやや高くなってしまいます。

一方、アスファルトシングルの屋根は、釘やタッカー(ステープラーの大きいもの)も要所では使用しますが、基本的に専用の接着剤を使用することにより、ルーフィングに穴をあまり開けずに施工することが可能です。

それにより雨漏りのリスクを減らすことができるのです。

 

他のアスファルトシングルのメリットは、防音性が高く雨音が就寝時にも気にならないことです。

アスファルトシングルの表面には天然石が施されているので、暖衝材となり防音性が高まります。

金属屋根のように雨音が気になってしまうという不安がありません。

その他には、アスファルトシングルは柔らかいシートであるため、カッターやハサミなどで加工が容易なところです。

曲面にも貼れるほど施工しやすいので、複雑な形状の屋根でもリフォームしやすい屋根材といえます。

 

・アスファルトシングルのデメリット

 

アスファルトシングルのデメリットは強風に弱いことです。

アスファルトシングルの屋根材は施工する際に、専用のセメント系接着剤を使用するのが主流です。

さらに屋根材自体が薄いため、セメント接着剤の塗布や圧着作業が不十分であると、台風などの強風時に煽られ破損する可能性もあります。

また、アスファルトシングルは柔らかいため、反りや破れが起きるケースも考えられます。

台風や強風の後には、必ずプロの業者に破損してないか点検を依頼しましょう。

 

他には、アスファルトシングルは緩やかな勾配の屋根には向かないというデメリットがあります。

原則としては、3.5寸以上の勾配がなければ施工することはできません。

正しい下地の工事の仕方によっては、3.5寸未満の緩勾配でも対応できる製品もあるので、プロの業者に確認してみましょう。

 

まとめ

 

一般的にあまり知られていない屋根材を解説してきました。

様々な個性的な屋根材がありますが、現実に住宅に使われている屋根材もあれば現実的でない屋根材もあります。

時代の流れとともに屋根材も変化していきますが、耐用年数の長い屋根材を選ぶのか、初期費用の安い屋根材を選ぶのか迷うところです。

あと何年維持したいかにもよるので、プロの業者に耐用年数とメンテナンスコストなどを確認し、どの屋根材にリフォームするのがベストか検討してみましょう。