最先端な塗料のラジカル塗料とは?主要メーカーを比較して特徴を解説!

2022.02.09

最先端な塗料のラジカル塗料とは?主要メーカーを比較して特徴を解説!

 

ラジカル塗料って聞いたことはありませんか?

近年の外壁塗装に使われる塗料は進化をし続け、優秀な塗料がたくさん開発販売されています。

外壁塗装をそろそろしないといけないと思われている方も多い中、どうせ塗装するなら耐久性のある寿命の長い塗料にしたいものです。

今回は、耐用年数の長い外壁塗料であるラジカル塗装について解説します。

 

ラジカル塗料は最先端の技術が使われています

 

ラジカル塗料は、2012年に日本ペイントから発売された新しい塗料ですが、従来の塗料にはない最先端の技術が使われ優れた特徴があります。

ラジカル塗料の仕組みは、高耐候酸化チタンと光安定剤(HALS)の2つの成分で成り立っています。

高耐候酸化チタンはラジカルバリアという能力があります。

光安定剤の目的は高耐候酸化チタンからラジカルがバリアから漏れた時にラジカルを捕まえる役割をしてくれる添加剤なのです。

ラジカル塗料は劣化しにくく耐用年数が長い塗膜を形成することができる塗料です。

塗膜の耐候性が高く耐用年数が長いため注目を集め、最も人気があるシリコン塗装と同様に今後期待される塗料のひとつです。

 

ラジカルとは

 

ラジカルとは、塗装の劣化を早めてしまう原因物質のことです。

ラジカルは、外壁や屋根の塗装する際の塗料の成分である顔料に、酸素や水、紫外線が触れることにより発生する劣化因子を指します。

発生したラジカルは塗料の樹脂や顔料に対してダメージを与えて劣化を促進させます。

従ってラジカルは、外壁の塗膜が劣化した際に出てくる劣化症状の一つであるチョーキング現象の原因になるのです。

この塗膜の劣化を促進させるラジカルの発生を制御する塗料のことをラジカル制御型塗料といいます。

 

ラジカル塗料に使われる高耐候酸化チタンとは

 

ラジカル制御型塗料の成分の一つである高耐候酸化チタンとは、酸化チタンをコーティングさせたものです。

酸化チタンとは、外壁の塗り替えでホワイト系を調色する時に重要な白色の顔料のことです。

塗料の顔料に含まれている酸化チタンに紫外線が当たるとラジカルが発生してしまいます。

その酸化チタンをコーティングすることで、太陽の紫外線に触れないようにしてラジカルの発生をできるだけ抑える技術が使われているのです。

高耐候酸化チタンのコーティングは、ラジカルを外へ出さないラジカルバリアと呼ばれる効力があるため、結果的に劣化しにくい塗膜を維持することが可能です。

 

他の塗料との違い

 

ラジカル制御型塗料と近年人気のシリコン塗料の違いを見ていきましょう。

ラジカル制御型塗料の場合は、数種類の樹脂に高耐候酸化チタンを使用して作られた塗料です。

一方、シリコン塗料はシリコン樹脂と従来の酸化チタンを使用した塗料です。

つまりシリコン樹脂でも従来の酸化チタンではなく、高耐候酸化チタンを使用することでラジカル制御型塗料と呼ばれるのです。

 

ラジカル制御型塗料は塗装費用の相場はやや高めですが、耐用年数を考えると寿命が伸びることからコストパフォーマンスが良いです。

メンテナンスサイクルが伸びることによって、足場費用など付随する費用がカットされ、トータルコスト的に見れば価値の高い塗料といえます。

 

ラジカル制御型塗料のメリットとデメリット

 

ラジカル制御型塗料にはどのようなメリットやデメリットがあるのか解説します。

 

ラジカル制御型塗料のメリット

 

・耐久性が高く耐用年数が長い

外壁塗装の経年劣化で現れるチョーキング現象の発生を抑えることができるため、耐久力があり塗装が長持ちします。

通常のシリコン塗装と比較すると、シリコン塗装が10年程度なのに対してラジカル制御型シリコン塗料は15年程度と5年近く差があります。

 

・防汚性と防カビ性に優れている

バイオ技術により藻やカビが付着しにくく、コケの生えやすい北側の外壁に最適です。

また雨水によって汚れを防ぐ防汚性を発揮します。

 

・光沢が持続する

防汚性があり変色しにくいため塗装時の光沢が長持ちします。

 

・下地との相性が良い

窯業系サイディングをはじめ、モルタルやコンクリート、金属まで下地を選ばないためほとんどの住宅の外壁に使用可能です。

 

・コストパフォーマンスが良い

機能性がほぼ同等のフッ素塗料と比較すると、1㎡あたりの費用は1,000円程度安くなります。

メンテナンスサイクルが長くなるので費用を抑えることに繋がります。

 

ラジカル制御型塗料のデメリット

 

・濃い配色にできない場合がある

ラジカル制御型塗料の主成分の高耐候酸化チタンは、白色顔料なので製品によってはブラックなどの濃い色が選べない場合があります。

 

・実績が証明されていない

ラジカル制御型塗料は、歴史が浅いため実績が証明されていません。

耐用年数は15年程度といわれていますが、発売されて10年程度なので実証されていないのが現実です。

 

・費用がわずかだが高くなる

通常のシリコン塗料の費用相場は2,000円/㎡前後ですが、ラジカル制御型シリコン塗料の費用は2,500円/㎡前後とやや高くなります。

しかし、その金額の差であれば価値のある塗料であることは間違いありません。

 

主要3メーカーのラジカル塗料を比較

 

・日本ペイントの「パーフェクトトップ」

ラジカル制御型塗料の先駆け的存在です。

紫外線による塗膜劣化対策として、日本ペイント独自の「ラジカル制御」技術によってシリコングレードを超える非常に優れた耐久性があります。

また、塗膜間の隙間をしっかりと埋めることで、緻密な塗膜形成が可能で優れた高光沢を実現しています。

他には防藻や防カビ機能や親水効果の技術により外壁を汚染から守っています。

ツヤは、ツヤ有り、7分、5分、3分ツヤ、ツヤ消しも可能です。

外壁の素材も選ばずあらゆる外壁材に対応しているため、安心して選べる定番の塗料といえます。

 

・関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」

超強力な結合エネルギーである「高性能シリコンレンジ」で紫外線の劣化を阻止します。

「ラジカルバリアコート」で酸化チタンへの紫外線到達を阻止してラジカル発生を抑制します。

極微量のすり抜けた紫外線によって発生したラジカルは、「HALSラジカルキャッチャー」で捕獲して全て無害化します。

このように4つの技術で紫外線から外壁を守るシステムが構築され劣化を防いでいるのです。

ツヤは、ツヤ有り、7分、5分、3分ツヤが可能です。

またダークブラウンやブラックなど、濃い色を選べるところもこの製品の魅力です。

塗料の最上位品フッ素に迫る高耐候性は関西ペイントのテクノロジーを駆使した製品といえます。

 

・エスケー化研の「プレミアムシリコン」

エスケー化研の最新技術であるラジカルの発生を極限まで抑える「ラジカルコントロール技術」があります。

エスケープレミアムシリコンに導入しているラジカルコントロール技術は、塗膜内に発生するラジカルを独自のダブルシールドで抑えるとともに、わずかに発生したラジカルもラジカルキャッチャーが捕らえます。

さらに超耐候形特殊ハイブリッドシリコン樹脂を採用しており、これまでのシリコン樹脂を超えるハイレベルな耐候性を発揮します。

ツヤは、ツヤ有り、5分ツヤ、3分ツヤが可能です。

ラジカルコントロール技術により紫外線や雨水など劣化要因から外壁を保護します。

また耐用年数が長いため、塗り替えの回数が軽減されメンテナンスコストが抑えられます。

 

ラジカル塗料は歴史が浅く実績が少ない塗料です

 

ラジカル制御型塗料は、発売されて10年経たない製品です。

歴史が浅く耐用年数も15年程度といわれていますが、その実績はまだ証明されていないのが現実です。

しかし、科学的根拠により耐久性が期待できる高性能な製品であることに変わりはありません。

近年各塗料メーカーは次々と研究を重ね、外壁塗料に関して特にその躍進は顕著に現れています。

 

ラジカル制御型塗料はこんな人におすすめ

 

ラジカル制御型塗料はどのような方にオススメなのかを解説します。

・初期費用が少々高くなっても良い塗料を選択したい方

・ 同じ程度の見積もり金額でラジカル制御型塗料と一般塗料を選んだらよいか悩んでいる方

・ 淡い色の淡彩色系の色を塗り替えようと 検討している方

以上の方は ラジカル制御型塗料を選ばれることをおすすめします。

それに加え、どのような樹脂を使っているのかを確認し最適な塗料を選ぶことが重要です。例えばフッ素塗料とラジカル制御型シリコン塗料は樹脂が異なるため、性能を比較することが難しいのが事実です。

この場合は、ラジカル制御型フッ素塗料があるかどうかを専門業者に確認してください。

フッ素樹脂とシリコン樹脂はそもそも違う性能の塗料ですので、単純に耐候性や値段だけで比較はすることができません。

 

おすすめの外壁と屋根のラジカル制御型塗料

 

どの塗料を選んで良いか分からない方に、参考になるおすすめのラジカル制御型塗料を紹介します。

 

・外壁用のラジカル制御型塗料

 

・日本ペイントのパーフェクトトップ

水性でアクリル系、特徴は耐候性と低汚染性

 

・エスケー化研のプレミアムシリコン

水性でシリコン系、特徴は耐候性と低汚染性

 

・関西ペイントのアレスダイナミックトップ

水性でシリコン系、 特徴は耐候性と低汚染性

 

・アステックペイントジャパンの超低汚染リファイン1000Si-IR

水性でシリコン系または無機フッ素系もあり、特徴は耐候性と低汚染性

 

 

・屋根用のラジカル制御型塗料

 

・日本ペイントのファインパーフェクトベスト

弱溶剤でアクリル系、 特徴は耐候性と低汚染性

 

・日本ペイントのパーフェクトクーラーベスト

水性でアクリル系、特徴は耐候性と低汚染性

 

・アステックペイントジャパンの超低汚染リファイン500 Si-IR

水性でシリコン型無機フッ素系もあり、 特徴は耐候性と低汚染性

 

・アステックペイントジャパンのスーパーシャネツサーモSi

弱溶剤でシリコン系フッ素系もあり、 特徴は耐候性と低汚染性

 

外壁用と屋根用の各種塗料一覧を紹介しました。

耐光性の他にも水性化溶剤、遮熱性、低汚染性、防カビ性、色や艶の種類などさまざまな種類や機能、特徴があります。

塗り替える際には、どのような機能がご自宅に必要なのかも検討すると、より良い塗料を選ぶことができるでしょう。

 

ラジカル塗料を使う際の注意点

 

ラジカル塗料を使う際の注意点を解説します。

メーカーが公表しているラジカル塗料の耐用年数は14〜16年ですが、実際には12〜14年程度ではないかとも言われています。

耐用年数が12〜14年だとシリコン塗料との差はほとんどなく、価格がやや高いだけでコストパフォーマンスが悪くなる恐れがあります。

ラジカル塗料を使う場合は、耐用年数がメーカー公表よりもやや短い可能性があるということを考慮しておくことが必要です。

これも実績が実証されていないためですが、性能を考えると15年しっかりと持つ可能性もあるのでその辺りの覚悟は必要といえます。

 

ラジカル塗料の施工実績の多い専門業者に相談してみましょう

 

外壁塗装で業者から見積もりをとると色々な塗料を提案されます。

塗料は種類が多くて機能や費用もさまざまなので、どれにすればいいのか分からない人も多いと思います。

また外壁塗装を考えている方は、せっかく塗り替えをするなら納得のいく塗料を選定したいと考えているでしょう。

しかし、塗料が良いからといってその家に最適かといえば難しい問題が多々あります。

つまり、塗料の特徴を理解していないと上手な外壁塗装は難しいのが現状です。

 

ラジカル制御型塗料は、これから人気が高まるコストパフォーマンスに優れた塗料です。

建物を紫外線や雨水から長期間守ることが可能で、メンテナンスサイクルが長いというメリットは何よりも変え難い期待された塗料といえるのではないでしょうか。

実績がない塗料であるがゆえに、経験豊富な専門業者に相談することが重要です。

塗装の専門業者を選ぶ際は、ラジカル制御型塗料の施工実績が多い専門業者を選ぶことをおすすめします。

 

まとめ

 

ラジカル制御型塗料は、実績が証明されていないデメリットはありますが、新しい高性能が期待できる塗料であることには変わりはありません。

各メーカーが自信を持って開発した塗料なので、外壁や屋根塗装の時期にきているご家庭は検討しても良いのではないでしょうか。