省エネリフォームに相性抜群の太陽光発電と蓄電池を組み合わせてエコ住宅に!
2022.01.10
省エネリフォームに相性抜群の太陽光発電と蓄電池を組み合わせてエコ住宅に!
太陽光発電と蓄電池を組み合わせると、どれだけの効果があるのか知りたいとは思いませんか?
近年、太陽光発電をより効率的に使うために蓄電池を設置する家庭が増えています。
蓄電池は電気を蓄えることができるので、災害時など停電の際に役立ちます。
太陽光発電と併用すれば、日中発電して貯めた電気を夜に使うことが可能です。
さらに料金の安い深夜電力を蓄電池に貯めて、昼間に使うことも可能なので非常に経済的です。
この記事では、蓄電池の基礎知識から太陽光発電と併用するメリット、蓄電池の選び方まで分かりやすく解説します。
蓄電池の基礎知識を知ろう!
まずは蓄電池の基礎的な知識から解説しましょう。
蓄電池はバッテリーとも呼ばれ、自動車からパソコンやスマートフォンなど身の回りのさまざまな製品に使用されています。
蓄電池の種類としては、自動車のバッテリーなどの鉛蓄電池、携帯音楽プレーヤーなど小型のバッテリーに向いているニッケル水素電池、スマートフォンなどのバッテリーに使われているリチウムイオン電池などが普及しています。
リチウムイオン電池は継ぎ足し充電に適しているため、さまざまな機器に広く利用されており家庭用蓄電池もリチウムイオン電池が多く使用されているのです。
家庭用蓄電池は、一次電池と二次電池と呼ばれる2種類に分類されます。
一次電池とは、乾電池やボタン電池のように使いきりタイプの電池のことをいい、二次電池は携帯電話のバッテリーなどの充電式や蓄電池のように繰り返し使えるタイプをいうのです。
乾電池も中に蓄えられている電気を使いますが、 新たに電気を蓄えることは不可能です。
蓄電池は特に太陽光発電との相性が良いといわれています。
太陽光発電設備自体は発電した電力を貯めることが出来ません。
しかし蓄電池と併用することにより、効率的に太陽光発電を活用できるのです。
太陽光発電と蓄電池を併用するメリットは?
太陽光発電と家庭用蓄電池を併用することでどんなメリットがあるのか、具体的に詳しく解説していきましょう。
太陽光発電はある程度の日照量がなければ十分に発電させることができません。
そのため、日中の時間帯は太陽光発電システムで発電した電気を使用できますが、発電できない夜間や悪天候時は電力会社から電気を買う必要があります。
しかし蓄電池があれば、日中に発電し利用して余った分の電力を貯めておくことができるので、夜間に蓄電池で足りない分だけを電力会社から買うのです。
また、深夜電力は安い料金プランに設定することで、日中の電気料金より負担を減らすことが可能です。
そこでおすすめなのが、日中に太陽光で発電した電力を利用し、余った電力は売電します。
電気料金の安い深夜帯に電気を買い、蓄電池に貯めた電力を悪天候の時や発電量が少ない時間帯に利用することで、さらにお得に電気を活用することができます。
売電量を増やしたい場合は料金の安い深夜に蓄電池に貯めておいた電力を日照時に使用することで日中発電した電気をより多く売電に回すことも可能です。
しかし、注意しなくてはいけない点としては、太陽光発電と蓄電池を併用するとダブル発電になるということです。
ダブル発電とは、太陽光発電とそれ以外の発電装置を両方使用する方法で、蓄電池も発電装置とみなされてしまいます。
太陽光発電のダブル発電を利用した場合の買取価格は、余剰電力の買取価格より低く設定されます。
結果として、売電量が増えても売電価格が下がってしまうので、余剰電力での経済的なメリットは期待できません。
また、蓄電池は本来非常時など、電気の供給がストップした場合の予備電源として使われていました。
蓄電池の容量は比較的小さいため、長時間の放電には適していませんが、災害時や停電時に備えることができるので非常時には大変安心です。
他には、太陽光発電で作った電気を変換し蓄電池に蓄えるところまで1台で対応可能なハイブリッドパワーコンディショナがあります。
パワーコンディショナは、直流電流を交流電気に変換する装置で、太陽光発電設備の蓄電池には必要不可欠です。
本来、太陽光発電設備、用途蓄電池用それぞれにパワーコンディショナが必要です。
ハイブリッドパワーコンディショナであれば一つで済むことだけではなく、変換時に生じるロスを抑えられるために変換効率を上げることができます。
パワーコンディショナは、消耗品のため一定期間使用すると買い替えが必要です。
パワーコンディショナの買い替え時に合わせて、蓄電池の購入を検討している場合はハイブリッドパワーコンディショナを導入すれば良いでしょう。
ハイブリッドパワーコンディショナは、費用の節約にもなり、一台の機器で両方の役割を担うことができます。
設置スペースも小さくて済むメリットもあり大変おすすめです。
太陽光発電を効率的にする蓄電池の選択方法
太陽光発電をより効率的に利用するために必要なポイントを解説します。
蓄電池の選び方は容量や価格、補助金などの条件を理解して選ぶことが大切です。
蓄電池の容量は、通常kWhで表します。
この数値が大きいほど電気を貯めておける量が大きいことを表しています。
蓄電池の製品によっては容量の大きさに種類があり、家庭用は1kWh〜10 kWhが一般的です。
また、蓄電池にも寿命があり、充放電を繰り返すと少しずつ容量が減少します。
充放電の回数は、充放電1回を1サイクルと表され、サイクル数が何千回などと表示されています。
製品に表示されている回数はあくまでも目安に過ぎませんが、サイクル数に到達すると蓄電池の種類によっては性能が急激に低下することがあります。
通常メーカーの保証期間は10年ですが、蓄電池の寿命も保証期間が一つの目安となり、家庭用蓄電池の寿命は約10〜15年程度です。
一方、家庭用蓄電池を生かすためには、太陽光発電やHEMS(消費エネルギーを一括で管理できるシステム) など電気システムとの連携がおすすめです。
HEMS と蓄電池を連携することで、蓄電池の充放電状況や蓄電残量を確認することができ、使用できる電気量が一目で分かります。
HEMS は蓄電池だけでなく、家庭内のすべてのエネルギーを一括管理できるので、蓄電池を活用しながら節電効果をより高めたり、消費電力を抑えたり、と省エネを自動にコントロールできるのです。
また、蓄電池の価格は容量やメーカーによって違いはありますが、年々安くなっています。
以前に比べて手が届きやすい価格になりましたが、再生エネルギーのさらなる導入促進のために多くの自治体で補助金を交付しています。
具体的には、住宅用蓄電池システムを導入した場合、メーカーなどの条件を満たせば、上限20万円までの補助金が支給される場合もあります。
各自治体によって申請金額や助成率が異なるので、申請する自治体に確認しましょう。
次に、家庭用蓄電池の価格相場は容量などにより異なりますが約80〜200万円程度です。
蓄電池を販売しているメーカーは、京セラやシャープなどの有名メーカーが販売しています。
補助金の対象になる機種もあるので確認が必要です。
家庭用蓄電池で特に人気があるのは蓄電容量が5〜7 kWh のタイプです。
実際に貯めたい容量や使用したい量をそれぞれ考えた上で、どの蓄電池を選択するのか決めましょう。
詳しい見積もりは、配線工事や諸経費などがかかる場合もありますので、業者に相談することをおすすめします。
家庭用蓄電池の主なメーカーと製品紹介
家庭用蓄電池を販売している主なメーカーとその製品について簡単に紹介しましょう。
製品によって自治体が実施している補助金や助成金の対象にもなるので比較検討しておきましょう。
・京セラ
京セラは携帯電話やスマートフォン太陽光発電のソーラーパネルなど、たくさんの実績がある大手企業で充電や蓄電についても卓越した技術を有しています。
また太陽光発電と相性の良い機器は、屋内屋外どちらにも設置できる製品や小型蓄電池などバリエーションが豊富です。
京セラの代表的な蓄電池は、「エネレッツア」EGS-LMO500 、蓄電容量5.0kWh、メーカー保証15年があります。
・シャープ
テレビやエアコン携帯電話やパソコンなどスリムで使いやすい商品を提供している企業です。
設置スペースが必要になる家庭用蓄電池でも、シャープ製ならではの発想でコンパクトサイズを実現しています。
蓄電池の設置場所が狭くて置き場所がないと悩んでいる方は、シャープの製品も視野に入れておきましょう。
シャープの代表的な蓄電池はJH -WBPD8010、蓄電容量4.2 kWh、メーカー保証10年(有償で15年に延長可能)があります。
・ニチコン
ニチコンは家庭用蓄電池の世界トップレベルのメーカーで2016年には累積生産台数世界No.1となりました。
太陽光設置済みの方向けの単機能蓄電システムからハイブリッド蓄電システム 、EV (電気自動車充電)も可能なトライブリッド蓄電システムなどさまざまなタイプがあります。
また、蓄電池容量も2〜16.6kWhと幅広く製品のバリエーションも豊富です。
ニチコンの代表的な蓄電池は ESS-U4M1、蓄電容量11.1kWh、メーカー保証10年(有償で15年に延長可能)があります。
・オムロン ソーシアルソリューションズ
太陽光発電システムのパワーコンディショナで有名なオムロンですが、エネルギーを無駄なく活用する技術に加え、より効率的なエネルギー利用に欠かせない蓄電システムの提供もおこなっています。
オムロンの蓄電池の特長は軽量でコンパクト、狭い場所にも設置できるところがメリットです。
オムロンの代表的な蓄電池はKPAC -A25-PKG-MM、蓄電容量6.5kWh、 メーカー保証は要確認です。
・ パナソニック
パナソニックといえばキッチン、トイレなどの住宅設備や家電製品を数多く手がけてきた企業です。
住まいと電気どちらのノウハウも積み上げてきたパナソニック社の蓄電池は非常時に備えた小型のものから太陽光発電システムと一緒に使用しやすい創蓄連携システムタイプなどラインアップも豊富です。
省エネ性を重視したい方にはおすすめです。
パナソニックの代表的な蓄電池は、PLJ-255328KN1、蓄電容量5.6kWh、メーカー保証10年(有償で15年に延長可能)があります。
・テスラ
補助金の対象ではありませんが、電気自動車で有名なテスラ社の蓄電池も紹介しましょう。
テスラの製品は認定施工会社のみが工事を許可されています。
しかし13.5kWhと大容量であるにも関わらず、国内メーカーの製品よりも低価格でデザイン性が高いため関心を持っている方が多く、今後普及していくのか注目されるメーカーです。
テスラの代表的な蓄電池は、Powerwall、 蓄電容量13.5kWh、メーカー保証10年があります。
簡単に家庭用蓄電池の主なメーカーと代表的な製品を紹介しましたが、ご家庭によって合うタイプは異なります。
どの製品を選べば良いのかは業者に相談し現場調査を依頼しましょう。
今後の蓄電池の普及
家庭用蓄電池は太陽光発電の普及拡大を機に注目されています。
防災やエネルギー問題の観点から見ても、今後さらなる普及とともに蓄電池の性能向上や価格低下が期待されるところです。
メーカーによっては、太陽光発電設備と蓄電池をセットで販売しているところもあります。
同じメーカーのため、製品同士の相性が良いこともあり別々に購入するよりも割安価格で施工費を抑えることもできるため、これから太陽光発電の導入を検討している方には蓄電池と同時に購入することをおすすめします。
まとめ
既に、太陽光発電システムを設置されている家庭はもちろん、これから太陽光発電を新設したい方にとっても蓄電池の併用は非常に有効です。
日中、発電した電気を蓄電池に貯めておき、必要な際に自家消費し余った分は安くなったとはいえ売電できます。
蓄電池は政府や自治体も推奨しており、今後さらに普及していくことが期待される住宅設備のひとつです。
家庭に合った蓄電池を選んだ上で、発電量と蓄電量のバランスを見ながら適した使い方をすることが重要です。
我が家の消費する電力は我が家で発電し、万が一の災害時にも対応できるように、電気は蓄電する時代にきているのです。