自宅のトイレをバリアフリー化しよう!具体的な工事内容や費用相場まで解説!

2022.02.09

自宅のトイレをバリアフリー化しよう!具体的な工事内容や費用相場まで解説!

 

家族に車椅子を利用されている方や介護が必要になったご家族がいる場合、トイレのリフォームはどうすれば良いのかよく分からないですよね。

毎日何度も使用するトイレのバリアフリー化は重要なポイントの一つです。

今回はトイレをリフォームする際に、どのようなことを意識してどの程度の工事費用を用意しておけばいいのか解説します。

 

トイレのバリアフリー化

 

トイレをバリアフリーにする場合、まず誰がどのように利用するトイレなのかを整理することが必要です。

家族に車椅子を利用されている人がいる場合と歩いてトイレに行ける人とでは、トイレに備えるべき機能や広さが変わってきます。

例えば出入口の幅を決める時、トイレに歩いて行ける人の場合は幅が75 cm 以上あれば普通に出入りできます。

しかし車椅子を利用する場合は、最低でも幅が80 cm 以上ないと出入りしにくい幅となります。

またトイレの面積も通常であれば約0.5坪が理想ですが、車椅子利用の場合は約1坪が必要です。

それぞれのケースに合わせて利用者の身体状況を考え、使いやすく不便のないバリアフリー化を実現しましょう。

 

トイレの具体的なバリアフリー化

 

バリアフリー化されているトイレの中を見ると、使用されているパーツや備えられている機能は意外にたくさんあります。

バリアフリー化の際に多くの設備を入れ替えることで、使いやすいトイレにすることができます。

 

・出入り口の考え方

 

出入り口は、段差を無くしバリアフリーにします。

万が一トイレの中に閉じ込められてしまった場合でも、家族が救出できるように外から鍵を開けられるようにしておくことが必要です。

高齢者がトイレの中で、突然倒れることも想定しておかなければなりません。

できれば出入り口は、吊り下げタイプの引き戸にするのが理想的です。

一般的なドアでは、出入り口部分にわずかでも段差ができてしまうことが多いため、つまずくリスクがあるからです。

出入り口の床は内側と外側が同じ高さでノンレールが良いでしょう。

 

・手すりの設置

 

次に手すりの設置ですが、縦横の手すりを設置することが重要です。

ドアを開閉する際に力が伝わりやすく、転倒する心配が少なくなる縦向けの手すりが設置されていると大変便利です。

またトイレに入った後、便器まで伝い歩きする際には横に伸びる形の手すりもあると良いでしょう。

縦と横の手すりの機能を、両方兼ね備えた L 字型の手すりを設置するのが理想的です。

便器の真横に設置して、便座から立ち上がるときや出入り口までの移動を支えてくれます。

 

・バリアフリーに適した床の材質

 

トイレの床材はバリアフリー化において重要なポイントです。

身体が不自由な状態でトイレを利用していると、思わぬ形で床を汚したりすることがあります。

汚れが付きにくく掃除のしやすい床材が適しているでしょう。

また万が一転倒した場合でも気にならないように、抗菌仕様など清潔な材質を選ぶと良いでしょう。

他にはトイレの中で転倒しないように、滑りにくい材質の床材を使用することが重要です。

トイレの床材は滑りにくく、転倒するリスクの少ない清潔な材質を選びましょう。

 

・トイレのレバーやボタン

 

トイレの洗浄レバーやボタンの位置も大切なポイントの一つです。

便座に座った状態から手が届きやすい場所に設置することで、簡単に操作できるようにしましょう。

間違えて他のボタンを押すことがないように、力が伝わり切らなくても操作が簡単で、大きく触りやすいボタンを設置することが重要です。

特に高齢者が同居する場合には、文字を大きくして明確に分かるようにしてあげましょう。

最近はレバーやボタンを操作しなくても、センサーで自動洗浄できたり便座から離れるだけで洗浄できる多機能なタイプもあるので採用することをおすすめします。

 

トイレまでの動線もバリアフリー化する

 

トイレの中だけをバリアフリー化したとしても、トイレまでの動線がバリアフリーでなければ対策としては不十分です。

車椅子で部屋からトイレに行くまでの道のりも、バリアフリー化させることを検討することが必要です。

車椅子を利用されていなくても、足腰に不安がある高齢者にとってわずかな段差はつまずくリスクが高くなります。

トイレは1日何度も足を運ぶところなので、しっかりとしたバリアフリー化をすることが望ましいでしょう。

もしリフォームでトイレの場所を移動できるのであれば、高齢者の寝室に近い場所にトイレを配置してあげることが最も良い対策です。

トイレだけではなく浴室や洗面も同じことがいえるので、水廻りのレイアウトをリフォームの際はしっかりと考えることが必要です。

 

トイレをバリアフリー化する費用の相場

 

トイレをバリアフリー化する工事にかかる費用の相場を見ていきましょう。

 

・建具を吊りタイプの引き戸に交換 約10万円前後

・壁補強工事を含めた手すりの設置 約5〜10万円程度

・床材の張り替え  約5万円程度

・便器の交換    約10〜20万円程度

条件によって費用は変動します。

あくまで目安と考えてください。

 

トイレもさまざまな機能がついた製品がたくさん販売されています。

高齢者や車椅子を利用されてる方にとって、便利で使いやすい製品があるので必要な機能を見定めて選びましょう。

 

トイレのバリアフリー化は介護保険が適用できる

 

トイレのバリアフリー化を行うときは、介護保険制度を利用できるので忘れずに申請を行いましょう。

適用するための条件と対象になる工事を見ていきましょう。

 

まず、支給額は工事費用の90%最大20万円までが支給されます。

保険の適用条件としては、要支援又は要介護認定を受けた人や福祉施設や病院への入所入院をしていない人、あるいは被保険者証の住所と改修後の住所が同一であることが条件です。

対象の工事は手すりの取り付けや段差の解消、滑り防止及び移動の円滑化のための床材の変更、引き戸等への扉の取替えや洋式便器への交換、またそれに付帯する工事の内容が対象になります。

保険金を受けるためには、着工する前に自治体に申請を行い上記の条件を満たすリフォームであることを確認します。

工事が完了したら正式な申請を行い、認可された場合は最大20万円までの工事費用に対する住宅のリフォーム工事費が支払われることになります。

 

トイレの耐用年数

 

トイレの耐用年数は一体どれくらいなのでしょうか。

一般的な便器は陶器で作られているため、割れたり欠けたりしない限りは数十年以上使い続けることができます。

内部の部品やパッキンなどは消耗品であり、配管部分の劣化は生じてきます。

また便器の表面に細かな傷ができることで、汚れがつきやすかったり落としにくいというような不具合が出てくることもあります。

他には、トイレの室内が冬とても寒かったり、狭すぎて使い勝手が悪いと感じるようになればそろそろリフォームする時期なのかも知れません。

トイレは毎日何度も使用する設備なので、時代とともにさまざまな機能が付いているトイレに交換することが望ましいでしょう。

 

トイレの良し悪しは掃除のしやすさ

 

トイレは家の中でも最も汚れや臭いが気になる場所です。

常に掃除を怠らず、清潔にしていないとさまざまな雑菌等が付着してきます。

そういう意味で便器は、掃除がしやすい形状で、なおかつ清潔にする機能が付いているものが良いでしょう。

例えば便座がリフトアップし、便器と便座の間が簡単に掃除できるタイプなど汚れがたまりやすいところを掃除しやすい工夫がされた製品があります。

また近年は、トイレのつなぎ目やくぼみを極力なくし、掃除のしやすいデザインも豊富です。

また表面を特殊な素材でコーティングすることで、汚れがつきにくく落としやすい素材も出てきています。

中性洗剤をセットしておくと流すたびに自動的に便器の掃除を行うトイレなどもあります。

汚れやすい場所だからこそ、常に清潔にするために掃除のしやすい便器を選ぶことが重要です。

 

トイレの壁材や床材にも機能性を

 

トイレの床材は水分を吸収しないクッションフロアがおすすめです。

デザインや種類も豊富でさまざまなバリエーションがあり、好みのデザインもたくさんあります。

掃除がしやすく汚れも落としやすいため、トイレには一般的によく使われる床材です。

また壁材のクロスは、防臭や調湿作用のある製品がおすすめです。

調湿作用のあるクロスは湿度が高い時に水分を取り込み、空気が乾燥すると放出する特徴があります。

珪藻土のクロスや多機能壁材であるエコカラットなどがありトイレに効果的です。

トイレのクロスは、臭いも吸収してくれる防臭効果のあるクロスもあるので機能をよくみて選びましょう。

 

節水効果のあるトイレでエコリフォーム

 

トイレは浴室の次に水の使用量が多い設備です。

しかし近年は、節水効果のあるトイレが普及しています。

水洗トイレが普及した1970年代は1回の洗浄に必要な水の量はおよそ13 Lも必要でした。

しかし1990年代には8 L となり、2006年以降に販売されたトイレの多くは6 L 以下の洗浄水量へと進化しました。

初期のトイレに比べると現行モデルは、約60%の節水効果があります。

初期のトイレの水量と今現在のトイレの水量を比較すると4人家族で年間およそ12,000円程度の水道代が節約できるのです。

節水トイレが開発されたこともあり、近年はタンクのないタンクレストイレが主流になってきています。

タンクレストイレを選択すると、空間が広くなる部分収納を確保したり掃除道具や洗剤、予備のトイレットペーパーなどをすっきりと収納することができます。

ただしタンク上部の手洗いがなくなるので、別途手洗い器を設置する必要があります。

 

高齢者に優しいトイレ

 

家族に高齢者がいる場合、バリアフリーにするのは当たり前の話になっています。

しかしもう一つ問題があり、高齢者にとって冬場の寒さが厳しいトイレも要注意です。

暖かい部屋から寒いトイレの温度差によって血圧が急激に変化し、心筋梗塞や脳卒中で倒れることがあるからです。

いわゆるヒートショックといわれている現象です。

またトイレの回数を減らすために尿意を我慢したり、水分の摂取を減らしたりして健康を損ねるケースもあります。

このような健康被害を予防するために断熱工事や床暖房の採用がおすすめです。

トイレは狭い空間ですが冬の寒さでヒートショックを起こさないように、室温の差を出来るだけ減らすような工夫が必要です。

 

トイレリフォームのおすすめ

 

トイレをリフォームする際にあれば便利なおすすめリフォームを紹介します。

 

・吊り戸棚の設置

 

トイレは細かいものを使う場所でもあるので、それらを収納できる吊戸棚があるととても重宝します。

トイレットペーパーをはじめ掃除用具などと、意外とトイレは収納が必要なところです。

幅70cm程度の吊戸棚であれば、設置費用も2〜3万円程度で取り付けが可能です。

トイレに収納がなくて困っている方は、是非トイレを交換される時に一緒に検討することをおすすめします。

 

・ おしゃれな手洗い器の設置

 

スペースの広いトイレであれば、タンクレストイレを採用し別途手洗い器を設置することでとても便利になります。

選ぶ手洗い器にもよりますが、5〜10万円程度で取り付けが可能です。

このようなおしゃれな手洗い器が設置してあるだけで、特別なお店のトイレのような雰囲気になり、来客されたお客様も気持ちよく利用することができます。

 

・ トイレの照明器具取り替え

 

トイレのリフォームと一緒に照明器具を新しいものに取り替えると、トイレの中の雰囲気も 変わります。

照明の色を変えたり、明るさを変えてみたりすると気分も一変します。

照明器具にもよりますが、1〜2万円程度で取り替えは可能なので気分転換に検討してみましょう。

 

 

まとめ

 

トイレのバリアフリー化をする場合、誰がどのようにトイレを使用するのかをよく考えて工事内容を決めましょう。

部屋からトイレまでの動線もしっかりとバリアフリーを意識し、業者のアドバイスをもらうことが必要です。

トイレをリフォームする際に、一緒にできる工事もあるので参考にしてください。

高齢者や車椅子の利用者などが快適に暮らせるようにするには、1日に何度も利用するトイレのリフォームは不可欠です。

是非、大切な家族のために使い勝手の良いトイレにリフォームしましょう。