階段リフォームの知っておくべきポイント!種類や減税と助成についても解説!

2022.02.09

階段リフォームの知っておくべきポイント!種類や減税と助成についても解説!

 

階段の昇り降りで危険や不便を感じたことはないでしょうか。

急な勾配で昇るのが辛くなってきた、踏み板が狭くて降りるのが怖いなど、階段の老朽化も含めてさまざまな問題が出てきます。

年齢を重ねるごとに階段でのケガのリスクも高く、使いやすい階段にリフォームしたい人もたくさんいるでしょう。

また、おしゃれなスケルトン階段を希望する人や反対に階段下に収納を作りたい人もいます。

今回は、階段のリフォームを検討する際のポイントや種類、知らないと損する減税や助成金まで解説します。

 

階段の種類

 

階段にはさまざまな種類があり、素材や形状別に解説します。

 

素材別

 

・木製

 

木製の階段は日本の住宅では最も一般的で、約95%を占めています。

建築する際、アルミやスチールの階段などを指定しなければ標準仕様は必然的に木製の階段になります。

木製階段のメリットは、低コストで加工しやすく丈夫であることです。

 

・スチール製

 

スチールとは、鉱山から取り出した鉄鉱石から鉄を抽出しさらにそこから炭素をはじめとする不純物を取り除いたものです。

スチールになる前の鉄は思っているよりももろくそのままでは加工がしにくいのです。

スチール階段の特徴は他の材料に比べて強度に優れている為線の細いデザインを実現できることです。

 

・ アルミ製

 

アルミ製の階段は軽くて錆びにくいことが特徴です。

 ただその反面スチールに比べると強度が弱く同じ強度を実現するなら約3倍の厚みが必要となります。

 価格はスチール製と同じくらいです。

 

・ ステンレス製

 

ステンレス製の強度はスチールとほとんど同じですが 、クロム との合金のため汚れにくく錆びにくいという特徴があります。

アルミも同様ですが錆止めのための塗装をしなくても良いので屋外用の階段として使用されることが多いです。

 室内用としても金属感のある仕上げをされたステンレスの階段は高価ながら時々みられます。

 

形状別

 

・直階段

 

直階段とは上下階を一直線に住んでる階段でこれは曲がらずまっすぐ上の階と繋がっており日本の住宅ではよく見られます。

踊り場を設ける必要がないため延べ床面積の限られた住宅や狭いスペースにも設置が可能なことがポイントです。

 また直線なので見通しがよくコストも比較的低いのがメリットです。

 

・ かね折れ階段

 

かね折れ階段は階段の途中でL字型に直角に折れ曲がっている階段のことです。

折り返し階段ほどではありませんが踊り場も設けることができるため、直階段のようにバランスを崩した時に階段の一番下まで落下してしまうようなリスクはありません。

一般的に直階段よりはスペースが必要ですが折れ曲がることで場合によってはスペースを節約することもできます。

 

・折り返し階段

 

折り返し階段はコの字型または U 字型に方向を変えて折り返された階段のことです。

途中に踊り場が設けられ階段から足を踏み外してもそこで危険を回避することができます。

 踊り場にスペースを確保しやすく途中で休憩できたり折り返すことにより段数が増え勾配が緩やかになるため安全性が高まるメリットがあります。

 踊り場を広めにとってフリースペースとして利用することも可能です。

広いスペースを必要とするため、また階段の段数が増える事によって費用が高くなることがデメリットです。

 

・ らせん階段

 

らせん階段は一本の柱を軸にステップがらせん状に設置されている階段のことです。

構造上階段の踏み込み板の間をつなぐ蹴込板がないスケルトンタイプです。

部屋の真ん中に設置したり円筒形の空間を使ったりするため通常の階段と比較すると省スペースの設置が可能です。

圧迫感がなくインテリア性が高いのでリビングと2階のホール屋外のルーフバルコニーへの動線など見せる階段として人気です。

デザイン性の高い螺旋階段ですが、設置する場合は住まいごとの個別要素が多いために費用が割高になるほか、ステップが三角形となる為、中心部が狭く階段を踏み外しやすいことがデメリットです。

 

・ カーブ階段

 

カーブ階段はサーキュラー階段とも呼ばれ優美に円弧を描きながら昇降する階段で輸入住宅洋風住宅によく見られます。

水平直角といった直線的な階段のイメージを覆す独特のカーブで優美な空間を演出することができます。

玄関ホールを吹き抜けにしたり階段部分に シャンデリアを吊るしたりするなど様々な演出ができます。

 場合によってはカーブ階段が住まいの印象を最も大きく左右する部分になるでしょう。

デメリットはコストが高く広いスペースが必要になることです。

 

・オープン型

 

オープン型階段はストリップ階段とも呼ばれ踏み板の下に蹴込み板がなくオープンになっているタイプの階段です。

 近年人気のリビング階段としてよく使用されています。

 またシースルー階段やスケルトン階段とも呼ばれることがあります。

階段の蹴込み部分がないので圧迫感がなく開放感が生まれ、階段自体をスタイリッシュにすることができます。

その他にも光を遮らないので明るく空気の循環にも邪魔にならないというメリットがあります。

 

・箱型

 

箱型階段とは古くから日本様式の住宅に多く見られ蹴込み板と 踏み板とで構成されている箱を積み重ねたように見える階段です。

 上下の空間を完全に分離することができるため階段下を収納にしたりトイレを設置したりするなど空間を有効に利用することができるほか階段の大部分が壁の中に隠れる為、作りやすく比較的低コストで設置することが可能です。

 

階段リフォームの前に知っておくべきポイント

 

階段リフォームの大きな目的は安全性を高めることです。

デザインも大切ですが、第一に安心して昇り降りできるような階段にリフォームすることが重要です。

そのポイントを抑えていきましょう。

 

・階段の勾配に問題はないか確認する

 

住宅の階段は、昇り降りしやすい勾配が建築基準法によって定められています。

階段幅が75cm以上、蹴上が23cm以下、踏面15cm以上確保する必要があるのです。

このサイズでは急勾配になるので、実際にはもっと余裕を持って緩やかな設計にするのが現実的です。

昇り降りしやすい階段のサイズの基準は、蹴上×2+踏面=60cmといわれているので、蹴上20cm程度、踏面20cm程度が良いでしょう。

階段のリフォームは住む人に応じて、ストレスなく昇り降りできるサイズにすることがおすすめです。

また、蹴上、踏面のサイズに問題がなければ手すりを設置するだけで、昇り降りしやすくなるので検討しましょう。

 

・階段の明るさに問題はないか確認する

 

階段に窓がある場合は昼間は自然光が入り足元が確認できますが、窓がなく採光が取れない場合は、昇り降りしにくいのではないでしょうか。

夜は照明を付ければ問題ありませんが、階段をリフォームするならフットライトを取り付けるのもおすすめです。

階段に数カ所付けるか、各段の蹴上部分に取り付ける方法もあります。

階段は、お子様や高齢者にとっても危険を伴う部分なので明るく昇り降りしやすい環境をつくりましょう。

 

・階段の位置変更は建築確認申請が必要

 

そもそも建築確認とは、新築や大規模リフォームに必要な申請です。

階段の位置変更の場合は、大規模リフォームに値するため建築確認の申請が必要です。

着工前に建築図面などを市区町村に申請し、建築基準法上で問題のない工事であるかを審査します。

建物の構造にかかわらない工事内容であれば申請は不要ですが、階段の位置変更に関しては必要ということです。

 

階段リフォームの目的別事例と費用について 

 

階段をリフォームする目的はさまざまです。

目的に応じた事例の紹介とおおよその費用の相場を解説します。

 

・古い階段を新しくするリフォーム

 

階段の勾配や位置を変えずに板のみを新しく取り替える工事です。

階段の踏み板の劣化やきしみ、滑りやすいなどの不具合がある場合に行う工事で、最も低コストでできます。

費用の相場は、板の材質にもよりますが30〜50万円程度が目安でしょう。

 

・階段の位置を変更する大規模リフォーム

 

階段の位置を変更する理由は、階段があった位置に薪ストーブを設置したいなど、ものが新たに増えたことなどの要因があります。

階段の位置を変更するには、2階も工事が必要になり大規模リフォームとなります。

その場合は、構造上問題ないかの確認と確認申請が必要です。

また、階段の位置変更は1階2階の床や壁などの補修工事が必要になるので費用も高額になります。

費用の相場は階段の金額と階段周辺の工事範囲にもよりますが、費用の相場として100万円以上が目安となるでしょう。

 

・急勾配の階段を緩やかに架け替えるリフォーム

 

既存の階段が急勾配で昇り降りが辛い場合、階段の勾配を緩やかにしたいという事例があります。

その理由として、高齢者の家庭内事故は階段での転倒や転落も増え、安全な階段が求められているからです。

例えば、体調が悪い時に2階から降りる際、階段で滑り落ちそうになったなどの経験した人は多くいます。

そのため、安心して昇り降りできる緩やかな階段が理想的です。

工事内容は、既存の階段よりも延長し勾配を緩め踏面を広げるリフォームです。

そうすることで、階段を踏み外して滑り落ちる心配も軽減され、昇り降りも楽になるでしょう。

一方、費用の相場はおおよそ50〜100万円程度が目安です。

階段の勾配を緩和する工事は、既存の階段を撤去し新たに階段を架け替えるので、比較的大きなリフォーム工事になり費用は高額です。

 

・スケルトン階段に架け替えるリフォーム

 

大規模なリノベーションに伴って階段をスケルトン階段に架け替えた事例があります。

スケルトン階段にリフォームする理由は、おしゃれなデザイン性もありますがリビングの開放感を失われないようにするためでもあります。

スケルトン階段は、蹴上部分の板がなく見通しが良いため圧迫感がなくスッキリします。

手すりとフレームがアルミ製の階段やスチール製のスタイリッシュな階段もあり存在感を感じさせます。

費用の相場は階段の金額により変動しますが、スケルトン階段は高額なので100万円程度の予算は必要でしょう。

 

階段リフォームで減税される要件とは

 

バリアフリーを目的とした階段のリフォームは、一定の要件を満たせば国による減税措置を受けることができます。

 

・バリアフリーリフォーム減税(投資型) 

 

急勾配の階段を緩和するリフォームや手すりを設置するリフォームをした場合、工事内容により算出される控除対象額の10%が翌年の所得税から控除される制度です。

その際必要書類を添付の上確定申告をする必要があります。

 

主な要件

・50歳以上の人または65歳以上の人と同居する親族の住まい

・リフォームの工事費用が50万円以上

・年間所得が3,000万円以下

 

・バリアフリーリフォーム減税(ローン型)

 

ローンの返済期間が5年以上で、バリアフリーリフォームをした場合、年末ローン残高の1%が改修後5年間所得税から控除される制度です。

 

主な要件

・50歳以上の人または65歳以上の人と同居する親族の住まい

・リフォームの工事費用が50万円以上

・年間所得が3,000万円以下

 

・固定資産税減税

 

一定のバリアフリーリフォームを行った場合、翌年の家屋に課税される固定資産税の1/3が減額される制度です。

申請期間は工事後3か月以内に必要書類を添付し市区町村に申請する必要があります。

主な要件

・65歳以上の人の住まいであること

・築10年以上が経過していること

・リフォーム工事費用が 50万円以上であること

 

階段のリフォーム工事で減税制度を上手く利用しましょう。

 

介護保険によるリフォーム費用の助成について  

 

介護保険によるリフォーム費用の助成制度があります。

要支援あるいは要介護認定を受けている人が、自宅のバリアフリーリフォームをする時に介護保険による補助が受けられる制度です。

支給額の上限は支給限度基準額20万円の90%の18万円です。

担当のケアマネージャーに相談し申請手続きをしましょう。

 

・自治体の制度 

 

国による制度の他に自治体ごとに補助金制度を設けていることがあります。

住所のある市区町村のホームページなどから情報が得られるので確認してみましょう。

 

まとめ

 

階段のリフォームは、階段を架け替えて勾配を緩和したり踏み板を広げるなど安全性を高めることが最も重要です。

おしゃれなスケルトン階段に替えたいなど、階段をリフォームする目的は人それぞれですが、基本的には安心して昇り降りできることが条件です。

手すりやフットライトを設置することも安全性を重視したリフォーム工事のひとつなので検討してみましょう。

また、一定の要件を満たせば階段をリフォームすることで、減税制度や助成制度が受けられるのでしっかりと調べた上で上手く利用しましょう。

詳細は業者に相談すれば、詳しく教えてもらえます。