雨漏りの原因は屋根だけじゃない!床が水浸しになる理由とは?

2022.02.09

雨漏りの原因は屋根だけじゃない!床が水浸しになる理由とは?

 

住宅の雨漏りは、屋根の劣化や破損が原因と思っている人が多いのではないでしょうか。

天井にシミがないのに、なぜか知らない間に床が水浸しになっていることがあります。

これは、屋根以外の場所から雨漏りしている可能性が考えられます。

今回は、放置すると危険な屋根以外で雨漏りする場所と原因、解決策までを紹介します。

 

屋根以外の雨漏りする場所と原因

 

雨漏りの原因はやはり屋根の劣化からが最も多く、一番に確かめなくてはならない場所です。

しかし、屋根に問題がない場合でも雨漏りを発見することがあります。

一体どの場所から雨水が侵入しているのでしょうか。

考えられる場所は外壁、窓サッシ、ベランダの3カ所が挙げられます。

それぞれの原因を見ていきましょう。

 

・外壁からの雨漏りの原因

 

屋根以外の雨漏りの原因は、外壁からの雨漏りが発生していることがあります。

あまり考えられないかもしれませんが、外壁というのは雨漏りの原因になることが非常に多いのです。

特に台風の季節など強風を伴う強い雨の場合、横殴りの雨が外壁にたたきつけ外壁が劣化している部分から雨水が浸入する場合があります。

築年数の古い住宅では、外壁にクラックが入ってしまっているということがよくあります。

これは経年劣化によるものや地震などの自然災害によるものなど、さまざまな要因によって起こる現象です。

ヘアークラックと呼ばれている細い幅の小さなひび割れは、雨漏りにまで発展しない場合もあります。

しかし放置してしまうと細いひび割れは拡大して、壁の中に雨水を侵入させることになります。

壁の中に雨水が侵入するとカビやシロアリの発生につながり、やがて重要な材木を腐食させてしまいます。

こういった外壁の劣化を起因とする雨漏りも大変多く見られるので、定期的に外壁も点検をし状況を確認しておくことが必要です。

また、窯業系サイディングなどの継ぎ目であるコーキングが固くなって、劣化している場合があります。

劣化したコーキングは外壁からの雨漏りの原因の一つです。

外壁が原因の雨漏りは、外壁材のクラック(ひび割れ)と外壁材のつなぎ目のコーキングの劣化によることがほとんどです。

天井にシミがなく床が雨漏りで水浸しになっている場合は、外壁のどこかから雨水が侵入していると考えられるでしょう。

 

・窓サッシからの雨漏りの原因

 

外壁部分から雨漏りしている場合は、窓サッシの周りのコーキングが劣化して起こる場合があります。

築年数が10年以上経つと、コーキングに柔軟性が無くなり硬化してしまいます。

硬化したコーキングとサッシ枠に隙間ができたりひび割れが生じたりすることで、その隙間から雨水が侵入します。

また、外壁にコーキングが施されているのは、窓サッシに限ったことではありません。

換気扇のフードや吸気口など外壁を貫通している部分は、全てコーキングが施されています。

窓サッシに限らず外壁に取り付けてある部材は、コーキングの劣化に注意しておく必要があります。

コーキングの耐用年数は高耐候性コーキング以外は7年から10年程度とされているので10年を目安にメンテナンスすることが重要です。

 

・ベランダからの雨漏りの原因

 

一戸建て住宅の雨漏り原因の中で、最も見落としそうな場所がベランダです。

ベランダは雨が吹き込んで床が水浸しになることがあります。

ベランダは雨水の影響を受けやすい場所と考え、ベランダの各部分が経年劣化してしまうことで雨漏りが発生します。

ベランダの雨漏り原因として最も多いのが、床に施されている防水塗装の経年劣化です。

防水機能が低下すると雨水を防げない状況になっているため、クラックなどから水が侵入してしまうことがあります。

ベランダは人が頻繁に歩き、物を置くこともあるでしょう。

そのような状況からベランダの床面にひび割れや破れ剥がれなどが起こり、そこから水が浸入して雨漏りに発展してしまうのです。

ベランダの防水は非常に重要で、定期的に点検やメンテナンスを行うことをおすすめします。

ベランダからの雨漏りの原因は床面だけではなく、ドレンと呼ばれるベランダの排水口にゴミが詰まって排水不良を起こしている場合もあります。

ベランダの床に水が溜まってしまうと、わずかなひび割れなどから雨漏りを起こすことがあります。

また、ベランダの手すりの上部に笠木という部材があります。

この笠木が劣化すると手すりの中や、壁との取り合いの隙間などから雨水が侵入してくる可能性もあるのです。

築年数の古い住宅では、板金で施工されているため素材が経年劣化で腐食していることもよくある雨漏りの原因です。

ベランダには雨漏りになる原因箇所がたくさんあるので、わずかな隙間も予断を許さない部分です。

雨漏りを起こさないためにも、定期的な点検が必要な部分といえるでしょう。

 

屋根以外の雨漏りの解決策

 

雨漏りを発見したらどのように対処すればよいのでしょうか。

雨漏りの部分別に解決策を紹介します。

 

・外壁の対処方法

 

雨漏りの原因と思われるクラックやコーキングの劣化があれば、応急処置としてビニールシートを被せたり防水テープを貼りましょう。

一時的に雨漏りを止めることはできます。

基本的に雨漏りが発生した場合は、自分では本当の原因を発見することはできません。

専門業者に点検してもらい調査を依頼しましょう。

明らかに大きなクラックが発生している場合は、その部分のみの補修でよい場合もあります。

しかし、経年劣化での雨漏りは専門業者でも100%発見するのは困難です。

足場を設置し全て点検した上で、コーキングの打ち直しやクラックの補修などが必要となるでしょう。

 

・窓サッシの対処方法

 

窓サッシの周囲に施されているコーキングが劣化して雨漏りが起こる場合は、応急処置として水分を拭き取った後に防水テープを貼ることです。

その後専門業者にコーキングを打ち直してもらいましょう。

窓サッシ周りの雨漏りも原因の断定は難しく、一つ一つ原因を潰していかないと発見できない場合もあるので専門業者に任せましょう。

 

・ベランダの対処方法

 

ベランダの雨漏りは、床の防水機能が経年劣化していることがほとんどです。

応急処置として防水できるシートを床全体に敷き詰め、水が溜まらないようにすることです。

ベランダは笠木や壁との取り合い、手すりそのものの劣化など雨漏りの原因は自分では判断できないことが多い部分です。

専門業者に調査してもらい、原因を探してもらって対処しましょう。

床の防水の耐用年数は約10年といわれているので、10年以上であれば防水塗装工事を行うことをおすすめします。

 

雨漏りの原因がわからない時の調べ方

 

雨漏りしていることは分かっているけれどどこからなのか、何が原因なのかわからない場合があります。

天井の雨染みや壁紙の剥がれなどで雨漏りをしていることが分かるのですが原因がはっきりと確認できないことが多くあります。

 

・天井に出る雨漏りの症状

 

天井に現れる雨漏りの症状として、天井材の雨染みや天井にできる黒カビ、または天井のクロスの剥がれなどがあります。

最も多い原因は、屋根材の劣化や破損ですが屋根が原因でない場合は、天井板より上の外壁のひび割れが考えられます。

天井板より上にある外壁にヒビが入っていたり、屋根と外壁の間から雨水が浸入して雨漏りが発生することがあります。

他には、天窓の防水施工部分の劣化が考えられます。

紫外線や雨風の影響を受けるため、シーリングや防水シートが劣化しやすくその部分から雨水が浸入してきます。

 

・ 壁に出る雨漏りの症状と原因

 

雨漏りは天井から起こるイメージが強いですが、外壁から雨水が浸入してくることもあります。

例えば、壁紙やクロスのシミや剥がれ壁に水滴がついている、壁に黒カビが発生しているという症状があります。

天井からの雨漏りと壁からの雨漏りでは、雨水が家の中に侵入してくる原因も違うので例を紹介します。

原因の一つは、外壁材や防水シートのひび割れです。

壁紙やクロスにシミや剥がれが起こっている時は、外壁材(モルタルやサイディング)防水シートなどにひび割れが起こっている可能性があります。

モルタルやサイディングのひび割れは、外壁から目視で確認することも可能です。

他の原因としては防湿シートが破損していることがあります。

壁に水滴がついていたり黒カビが発生している場合は室内側の壁の中にある防湿シートが破損している可能性があります。

防湿シートはクロスや下地よりも外側にあり断熱材よりも室内側にあるので目視での確認は難しいです。

 

マンションの天井からの雨漏りや水漏れについて

 

マンションの天井からの雨漏りについては雨漏りではなく水漏れの可能性があります。

特にマンションの最上階でもないのに天井から水が漏れている時は雨漏りではなく配管からの水漏れが原因と考えられます。

ただし最上階に関しては雨漏りの可能性があるので配管からの水漏れの症状と最上階の天井からの雨漏りの原因の両方について解説します。

 

・ マンションの最上階で雨漏りする原因

 

マンションの最上階は屋上に欠陥が生じた場合、雨漏りの被害を最も受けやすくなります。

まずは、最上階で雨漏りが生じる原因とは何かを見ていきましょう。

最も考えられる原因は、屋上の水たまりです。

屋上は、本来排水口に向かって水が流れるように勾配が付けられています。

しかし、その勾配に凹凸があったり均一に揃えられていなかったりすると、水たまりが生じるのです。

そうして屋上に溜まった雨水が劣化した防水コートの下に染み込んで行き、マンションの最上階の部屋の天井に雨漏りが起きるのです。

また、屋上や外壁のコンクリートのひび割れが原因の場合もあります。

マンションの屋上や外壁のコンクリートは、経年劣化でひび割れが起こることがあります。そのひび割れから雨が染み込んで雨漏りになることがあるのです。

 

最上階以外の部屋の天井から水漏れする原因

 

マンションの最上階でもないのに雨漏りするのは不思議な現象です。

それは雨漏りではなく水漏れの可能性が高いと言えます。

まず原因として考えられるのは配管の劣化による水漏れです。

 マンションの共用部分だけではなく個人の所有している配管も床下などに存在しています。主な配管別にどういった経緯で水が漏れるのかを見ていきましょう。

・給水管

キッチンや洗面台、トイレやお風呂などの蛇口につながっている配管で劣化すると穴が開きそこから水漏れします。

また地震や地盤沈下などで、配管が折れて水漏れすることもあるのです。

 

・給湯管

玄関横やバルコニーに設置されている、給湯器からキッチンやお風呂に繋がっているのが給湯管です。

給水管同様に劣化して穴があくことが原因で、水漏れが発生します。

 

・排水管

キッチン洗面などから出た水を流すための配管で、経年劣化でズレや割れが生じると水漏れの可能性があります。

また排水管内でつまりが起こっていると配管の隙間から水が漏れることもあります。

 

他には配管のパッキンが劣化している場合があります。

配管と配管を接続する漏れ防止のシール剤をパッキンといいますがこのシールが劣化すると水が染み出します。

稀にですが、入居者の過失による水漏れも考えられます。

お風呂にお湯をためていたのを忘れていて床がびしょ濡れになったり、洗濯ホースが抜けて床が水浸しになったりという個人の過失による水漏れが、下の階の部屋に被害を及ぼすこともあるのです。

 

雨漏りの原因の調べ方

 

雨漏りの症状が見られたときには、まず何から対処すれば良いのでしょう。

そのような時には、雨漏りの原因が何なのかを調べてみると良いでしょう。

しかし雨漏りの調査と言うと、業者が行う散水調査やサーモグラフィーを使った調査をイメージされる人もいます。

確かにそういった本格的な調査でないと、見つからない原因もありますが自分でできる調査方法もあります。

一つ目は目視調査です。

雨漏りがしていそうな場所を推測し、自分の目で見て確認する調査方法です。

外壁材ひび割れなどを主に確認しましょう。

二つ目は散水調査です。

雨漏りしていそうな部分に外から水をまいて確認する方法です。

そこから雨漏りしているかどうか確認しましょう。

 

まとめ

 

雨漏りは、外壁やサッシ周り、ベランダの床や手すりなど経年劣化した住宅ならどこからでも雨漏りを起こします。

雨漏りを放置すると内部の材木を腐食させ、カビやシロアリを増殖させることに繋がります。

木造住宅の建物にとって湿気や水は大敵です。

住宅を長持ちさせるためにも雨漏りを発見したら放置してはいけません。

雨漏りの原因は屋根だけではないことを理解した上で、外壁やベランダを専門業者に点検してもらうことが重要です。