BELS(ベルス)とは?ZEHとの違いを解説!
2024.07.22
住宅を建てる際に省エネ住宅やZEH住宅、長期優良住宅など住宅性能を意識する時代へと移り変わるようになりました。
環境への配慮が求められるようになり、サスティナブルな地球環境にも貢献できるZEH住宅は特に注目されています。
ZEHとは、エネルギーの収支をゼロに抑えることを目標にした住宅のことです。
その関連するキーワードに「BELS」(ベルス)という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
今回はこの「BELS」について詳しく解説し、ZEHと何が違うのかを解説します。
BELSとは
・BELSの概要
BELSとは、建築物省エネルギー性能表示制度のことです。
BELSは、星の数で評価され星1から星5までの等級が用意されています。
星の数が大きくなるほどその住宅の省エネルギー性能が高いということです。
BELSを取得している住宅は省エネに対しての性能が高いため、光熱費を抑えることにより環境への負荷を減少させることができます。
星の数でその省エネルギー性能が明確に可視化されるため、それほど住宅に詳しくない人でも簡単に性能評価を理解することができます。
・BELSの評価方法は?
BELSは設計の段階で省エネルギー性能を 2つの指針によって評価しています。
①:建築物の外皮性能における指標
②:建築物で消費される一次エネルギー消費量における指標
と言われても何のことだか分からないですよね。
外皮性能とは、簡単に説明すると屋根や壁、開口部などの断熱性や遮熱性のことを指し、外の気温に関わらず、その住宅がどこまで気密性を保てるかというのを評価することです。
また 一次エネルギーとは、加工されない状態で提供されるエネルギー(石油・石炭・原子力・天然ガス・水力など)のことを指し、この消費量を求めるのにBEIという数値が必要になります。
このBELSの評価方法は、算出されたBEIの数値と外皮性能によって評価されます。
・BELSの星の数の算出方法は?
BELSの星の数の算出方法は 外皮性能の指標は含まずにBEI(一次エネルギー消費量基準)の数値で認定されます。
星の数が大きければ大きいほど、レベルの高い省エネルギー住宅であるということになり、最高のランクは星5で示されます。
また、住宅と非住宅では基準が異なるので、そのあたりも説明しておきましょう。
BEI数値
具体的には分かりにくいですがこのようにBEI数値によって星の数が決められます。
・BELSの表示内容
BELSを取得した住宅は、省エネルギー性能の認定を示す「BELSプレート」を表示することが可能です。
BELSプレートの内容
①:評価の星の数
②:基準一次エネルギー消費量に対する削減率
③:省エネルギー基準と誘導基準のそれぞれの建物レベル
④:一次エネルギー消費量基準への適合の可否
⑤:外皮基準値と適合可否
少し難しい表示内容もありますが、要するに星の数が大きいほど省エネルギー性能が高いという認識で良いです。
BELSは、建物の省エネルギー性能を第三者が評価するシステムなので、新築のみではなく既存の建物にも適用することが可能です。
省エネルギー住宅の性能を分かりやすく視覚化したものが BELSなのです。
ZEHとの違いは?
BELSとZEHはどちらも住宅の省エネルギーに関する言葉です。
BELSは性能を評価する「制度」のことなのでBELS住宅などの言葉は存在しません。
あくまで制度そのものを指します。
一方のZEHは、特定の省エネルギー基準をクリアした住宅、または基準そのものを指します。
そのためZEH住宅という言葉があったり、ZEH基準という言葉が存在し、住宅を建てようとする皆さんもよく耳にされることと思います。
また、BELSが証明するのはZEHだけに限りませんが、BELSは省エネの評価基準の1つの制度と認識しておくと良いでしょう。