リフォームか建て替えかを検討するタイミングは?それぞれのメリットデメリットを解説

2022.04.20

家族構成やライフスタイルが変化することで、リフォームやリノベーションをしようか、 建て替えようかと迷っている方も多いのではないでしょうか。

リフォームで必要な部分だけ修繕するのか、構造だけ残してリノベーションするのか、いっそのこと解体して一から建て替えるのかは悩むところです。

今回は、リフォームやリノベーション、建て替えを検討するタイミングとそれぞれのメリットデメリットなどについて解説します。

 

リフォームやリノベーション建て替えを検討する時期とは

 

自宅が古くなりリフォームやリノベーション、建て替えのどちらを選ぶのか、判断基準の一つになるのが住まいの状況です。

築年数による目安を元に、住まいの状況や家族のライフスタイルなども考慮し選択することが必要です。

リフォーム・リノベーションと建て替えを検討するタイミングを解説します。

 

・リフォームやリノベーションを検討するタイミングとは

 

リフォームとリノベーションは、 明確に区別する定義はありません。

リフォームとは老朽化した箇所の修繕もしくは交換を行い、新しい状況に原状回復するという意味といわれています。

一方、リノベーションとは間取りを大幅に変えたり、新築の時よりも機能性やデザイン性をアップし新たに付加価値をつけることをいいます。

 

自宅の築年数が10〜15年経過すれば、所々傷んだ箇所が出てきてリフォームが必要になってくるでしょう。

例えば外装では、外壁や屋根の塗装であったり雨樋の補修や交換が必要になります。

外壁や屋根のメンテナンスを先延ばしにしてしまうと構造体に雨水が浸入するため、材木が腐食し建物の寿命を短くすることに繋がります。

 

また、住宅設備ではトイレの便座が傷んできたり、給湯器が壊れたり、あちらこちらで交換の必要が出てくることは避けられません。

内装では壁紙が汚れ破れたり、サッシ廻りなどにカビが生えてきたりします。

他にはキッチンやシステムバス、洗面台などの住宅設備は築15年程度で不具合や汚れなどが目立ち交換する人もいます。

 

次に、築年数が20年以上経過するとリノベーションを検討するタイミングがやってきます。

リノベーションは建物の老朽化だけの問題ではなく、子供が独立し子供部屋が不要になったり、両親と同居することになったりといったライフステージの変化で検討しなければならないタイミングも来るでしょう。

それぞれの家庭の状況に応じて、老朽化とライフスタイルの変化がリフォームやリノベーションを検討するタイミングの判断基準となります。

 

・建て替えを検討するタイミングとは

 

住まいの状況によっては、リフォームやリノベーションでは間に合わないため、建て替えが必要になります。

木造住宅は新築時の仕様や施工方法によって違いはありますが、定期的なメンテナンスをしっかりと行なっていれば30年から50年以上住み続けることは可能です。

しかし、基礎や柱などの老朽化が進み、新築と同じ程度の修繕費用がかかってしまう場合には建て替えを検討する必要があります。

また、耐震基準は1981年6月を境に大きく変わり、それ以前の建築確認が下りた建物は旧耐震といわれています。

耐震診断を受けて新耐震となる現行の耐震基準を満たすためには、大掛かりで費用のかかる耐震工事が必要になってきます。

耐震性能を向上させることが難しい場合には、建て替えが有力な選択肢になるでしょう。

ただし接道が狭いなどの条件で、建て替えが不可能な場合があります。

その場合は、構造体をそのまま活かしてリノベーションすることで、建物の寿命を延ばし新築と変わらない建物にすることも可能です。

 

リフォームやリノベーション建て替えのメリットとデメリット

 

リフォームやリノベーションにはメリットとデメリットがあります。

費用やプランの自由度、工事期間などの違いによるメリットとデメリットを比較し、理想的な家にするための合った方法を選びましょう。

 

・リフォームのメリットとデメリット

 

リフォームのメリットは修繕したい部分だけ直すので、工事期間が短く済み、費用を抑えられることです。

工事範囲や工事内容などリフォーム工事の規模により、住みながらの工事ができる可能性もあるので仮住まいや引越し費用を抑えられます。

しかし、住まいの性能は維持されますが、現状の家族のライフスタイルにあった住まいにはならない可能性もあります。

例えば、子供が独立して子供部屋が不要になったとしても、その部屋が物置状態になってしまうのはよくある話です。

また、両親と同居することになった場合などは、2階の子供部屋では階段が危険で、一階部分に両親の寝室が必要になるでしょう。

そのような状況では現状の間取りは、ライフスタイルに合わなくなってしまいます。

現状の間取りで問題なく、費用を抑えたい人にはリフォームがおすすめです。

 

・リノベーションのメリットとデメリット

 

リノベーションのメリットは、ライフスタイルに合った間取りに変更したり機能性やデザインを向上させて新たに付加価値をつけられることです。

既存の構造体を残し、外装から内装まで全て新築同然にすることが可能で、耐震補強や断熱材の入れ替えなども出来ます。

基礎や柱などの構造体を活かすので、廃棄物が抑えられることもあり、建て替えよりも工事費用や工事期間を抑えることもメリットといえるでしょう。

 

一方、デメリットは建物の構造体が老朽化している場合に補強を行えば、新築同様の工事費用がかかるケースもある点です。

 

また、木造住宅であってもツーバイフォー工法や壁工法など、壁そのものが耐力壁になり構造上撤去することができない建物もあります。

壁が撤去できない建物の場合、間取りの変更には制約があることもデメリットです。

リノベーションも内容や規模によっては、建て替えに近い費用がかかる場合があるので建て替えと比較が必要です。

 

・ 建て替えのメリットデメリット

 

既存の家を解体して建て替えする場合、一から設計し直すことができます。

そのため、プランの自由度が高く、家族のライフスタイルに合わせた住まいが実現できます。

また、耐震性能や断熱性能なども最新の基準に向上させることができるため、安心して暮らせます。

高齢者のいる家庭では、バリアフリー仕様にもできるので自分たちの将来のためにも手すりをつけたり、今後のライフスタイルに合わせた住宅を実現させることができるでしょう。

 

一方デメリットは最も費用がかかることです。

建て替えは設計費用や工事費用の他に解体費用がかかり、引っ越し費用や長期間の仮住まいの家賃などがかかります。

さらに、確認申請費用や登記費用などリフォームやリノベーションではかからない費用もあり、トータルコストが最も高額です。

建て替えを検討する場合には、リノベーションと比較して検討することが重要です。

 

リフォームがおすすめの場合

 

リフォームがおすすめの場合は、現状の間取りを変えなくても問題ない場合です。

子供が独立して子供部屋が不要になった場合でも夫婦二人で住むのであれば、それほど間取り変更はしなくていいのかもしれません。

両親と暮らすわけでもなく、家族がこれ以上増えない状況であれば、劣化した箇所の修繕や傷んだ住宅設備の交換のみのリフォームが適しています。

修繕すべき箇所をリフォームし、定期的なメンテナンスを継続していれば住宅の寿命は長く持ちます。

最もコストを抑えられるので、その費用を違うところに回せるメリットもあります。

ライフスタイルの変化により大幅な間取りの変更が必要なければリフォームで家を長持ちさせることをおすすめします。

 

リノベーションがおすすめの場合

 

リノベーションがおすすめの場合は、高齢の両親と同居する場合などライフスタイルが変化した場合です。

両親の過ごす部屋を設けたり、バリアフリー仕様にしたりすることが必要です。

両親と同居する期間を考えると建て替えよりもリノベーションする方が向いています。

ただし、両親が介護が必要であったり自立した生活が困難な場合は、リノベーションでは暮らしにくい場合があるので建て替えも選択肢の一つとして検討をしましょう。

 

建て替えがおすすめの場合

 

建て替えをおすすめする場合は、子供と同居する場合です。

建物の築年数が古く老朽化が進んでいる場合、子供世帯と同居するのであれば二世帯住宅に建替えすることが望ましいでしょう。

将来子供がその家を継承していくのであれば、現在の子供世帯が住みやすいように建て替えたほうが、長い目で見れば経済的でトータルコストも安く済むでしょう。

ただし、建て替えを検討する場合は必ずリノベーションと比較することが重要です。

現状の建物でリノベーションをしても理想的な間取りや暮らしやすい住環境を作れるのであれば費用が抑えられます。

工事内容と費用を比較して建て替えなのかリノベーションなのかを判断しましょう。

 

ホームインスペクションを判断基準にする

 

リフォームにするのかリノベーションにするのか、また建て替えるのかの判断は建物の劣化状況を正確に知ることが必要です。

劣化状況によっては、部分的なリフォームでコストを抑えられるかもしれません。

しかし、建物の老朽化の程度を素人が判断するのは非常に難しく、専門家の住宅診断士に任せることも一つの方法です。

単に築年数のみで判断するのではなく、プロのホームインスペクターに細い部分まで点検を依頼し、基礎や柱など構造体は今後どれぐらいの耐用年数があるのかなど分析してもらいましょう。

その診断結果によりリフォーム、リノベーションにするのか、または解体して建て替えるのかを判断することも重要です。

 

リフォーム業者の相談会に参加する

 

リフォームかリノベーションのどちらにするか迷った場合には、リフォーム業者が主催する相談会に参加することで問題が解決することもあります。

なかなか家族で話し合っていても結論が出ない場合がよくあるので、専門家の意見を聞いてみるのも良いでしょう。

家族構成やライフスタイル、理想の間取りや想い描いている住宅の内容をすべて伝え、リフォームやリノベーションの提案を受けてみることです。

プランや見積もりを作成してもらい、建て替えと比較するのも一つの方法です。

プロの提案は、自分たちに合った選択はどれなのかの答えを出せるきっかけを作ってくれます。

一度、相談会などに足を運んでみるのも良いのではないでしょうか。

 

資金計画を立てる

 

リフォーム、リノベーション、建て替えどれを選ぶにしても予算を中心に資金計画を立てなければなりません。

家計の状況を把握し毎月の支払える金額を明確にして融資先や融資額なども含め、ある程度計画しておき、業者に相談すると良いでしょう。

 

実績が豊富な業者に依頼する

 

リフォームやリノベーションする場合には、実績が豊富な業者に依頼しましょう。

小規模リフォームなら経験が豊富でも、リノベーションとなると構造体を残してスケルトンでリフォームする場合もあります。

その場合、さまざまな知識や構造体の強度の状況、あるいは耐震診断が必要な場合もあります。

耐震診断に応じて、どの部分にどのような耐震補強が必要なのかを判断できる業者でなければリノベーションは任せられません。

日本は地震が多い国なので、もし大地震が起こった場合それに耐えられるだけの耐震性能が必要です。

間取りの提案や機能的な住宅設備だけではなく、建物を守る耐震性を重視することが必要です。

 

また築年数が古くなった住宅は断熱性能が落ちています。

数十年前に施工した断熱材が欠損していたり、垂れ下がっていたり全く断熱として機能していない場合もよくあるので注意が必要です。

リフォームやリノベーションする場合には、内装や住宅設備だけではなく耐震性や断熱性の住宅性能の向上を提案してくれる業者に依頼しましょう。

 

まとめ

 

自宅が老朽化してきたり、子供の独立や両親と同居などライフステージが変化した場合、

リフォーム、リノベーション、建て替えと選択肢はさまざまです。

予算もあるなかで、無理のない資金計画も必要です。

大きな費用がかかるため、後々後悔のない計画にしなければなりません。

家族構成やライフスタイル、将来のイメージをしっかりと描いた上で選択することが重要です。

ある程度家族で話し合ったら業者にまずは相談することをおすすめします。