住宅リフォームの時期は築30年!低コストで実現させる方法を解説!
2022.04.20
新築から約30年を経過した一戸建ては、全体的に住まいの傷みが気になります。
30年経つと家族構成も変化しライフスタイルが変わり、リフォームの必要性を感じる時期ではないでしょうか?
しかしリフォーム費用は大きいお金が必要で、それほど費用をかけられない人は不安を感じることでしょう。
築30年の古くなった一戸建てのリフォームでも、できるだけコストは抑えたいものです。
今回は、将来自分たちが高齢者になっていくことも考えたうえで、低コストで実現させるリフォームの方法を解説します。
リフォームを考えなくてはならない時期
住宅は環境やメンテナンス状況によって大きく異なるものの、おおよそ築30年もすればあちらこちらに劣化が生じ、リフォームしなくてはいけません。
限られた予算の中でどこを重点的にリフォームすれば良いのか、どこにどれだけの費用をかければ良いのか難しいところです。
最も劣化の激しい屋根や外壁など、コストを抑え長持ちさせるにはどのようなリフォームが良いのか考えなければなりません。
まずは業者に相談してやらなければいけないことを明確にし、優先順位をつけて予算に合わせていきましょう。
また30年経つと水回りの劣化も激しくなってきます。
取り替えなければならない老朽化したものや、まだ我慢できるものなどひとつひとつ検証していきましょう 。
例えばキッチンやシステムバス、トイレや洗面台など水回りの住宅設備はたくさんありますが、費用を抑えるにはグレードを下げて全て新しい製品を選ぶのも良いでしょう。
機能性もそれほど重視しないのであれば、安く取り替えられるタイプの製品もたくさんあります。
自分たちの年齢も考え、今後必要になってくるものや高齢になった時にも使いやすいタイプにすることも住宅設備を選ぶひとつの判断基準になります。
築30年の一戸建てを低コストに抑えてリフォームしよう
一般的な延床面積30坪程度の2階建てを目安に考えていきましょう。
リフォームのコストを抑えて行くには、リフォームするべき箇所の優先順位を立てる必要があります。
それぞれ環境や住まいの状況によって異なりますが、一般的には外壁の塗装や補修、屋根の塗装や補修、キッチンや浴室などの水回り設備の交換、壁紙やフローリングの張り替えといった内容があります。
それぞれの項目をどうすれば費用を抑えられるのかを紹介します。
外装の費用を抑える
屋根や外壁の外装は、リフォームする場合には優先順位が高い箇所です。
劣化による雨漏りなどで、柱や梁などの構造体に影響が生じる可能性が高いため、最悪の場合修復が困難になります。
屋根のリフォームの場合は、屋根の葺き替えやカバー工法など新しい屋根材に交換することが望ましいですが、費用を抑えるには塗装のメンテナンスを定期的にしっかりと行うことです。
瓦の屋根などであれば漆喰の補修で長持ちさせることは可能です。
またスレート瓦や金属屋根の場合は、10年から15年のスパンで塗装することが必要です。塗料の種類にも耐用年数があるため費用はさまざまですが、葺き替えやカバー工法による屋根材の交換よりはコストは抑えられます。
外壁に関しては、一般的にモルタルの外壁や窯業系サイディングなどが多く使われています。
ひび割れや破損しているところがあれば補修を行い、塗装するのが最もコストを抑えられます。
しかし外装材の劣化が著しい場合は、屋根も外壁も張り替えが必要です。
さらに下地の材木が腐食していたり、傷んでいる場合には下地からの交換が必要になります。
住宅のリフォームは、あと何年この家を維持していけば良いのかが判断基準になるので、その辺りを明確にしてどのようなリフォームをするのが最適か検討しましょう。
水回りの住宅設備の費用を抑える
水回りの住宅設備も約30年が経過すると老朽化が目立ってきます。
昔の在来工法の浴室はタイル貼りが多いので、ユニットバスにリフォームする場合、浴室からの水漏れなどで下地の材木が傷んでいる場合がよくあります。
その場合は、その下地の材木の補強工事が必要になるため費用が高くなってしまいます。 現状がユニットバスであれば、比較的交換は容易にすることができるため費用は抑えられるでしょう。
またキッチンのリフォームに関しては、システムキッチンのグレードによって大きく費用が変わります。
壁付けのキッチンから対面キッチンに変更する場合では、配管工事や造作などの費用がかかるため高くついてしまいます。
キッチンのリフォームで費用を抑えるには、同じ場所でキッチン単体だけを交換するのが良いでしょう。
他にはトイレや洗面台などの交換がありますが、比較的安い製品もあるので業者に探してもらいましょう。
トイレに関しては、便座が古くなっているのであれば温水洗浄便座のみの交換も可能です。
また、水回りで大切な給湯器ですが、ガス給湯器や電気温水器どちらにしても15年程度で交換する時期がやってきます。
築30年でのリフォームを考えると、2回の交換が必要というケースも少なくありません。
内装の費用を抑える
内装は壁紙の張り替えやフローリングの張り替えなどがあります。
床に凹凸があったり、たわみや違和感のある場合は、下地の材木が傷んでいる可能性があるので補強工事費用がかかる場合もあります。
和室から洋室へリフォームする場合は、建具や造作をどこまで変更するかにもよりますが、若干費用は高めになるでしょう。
和室をそのまま使う場合であっても、畳の表替えや障子の張り替えなどの費用がかかります。
また高齢者のいる家庭や、自分たちが将来的に必要になってくる手すりの設置やバリアフリー化などのリフォームを検討することも必要です。
リフォーム工事はどこまでやるかによって費用が変わってきます。
費用を抑えるには壁紙の張替えは行っても床は下地に問題なければ既存のままで我慢するのも一つの方法です。
どうしても床を張り替えたい場合は、下地が傷んでないことが条件ですが既存の床を剥がさずに上からカバー工法で上貼りしていく方法もあります。
そうすることで既存の床材の撤去費用や処分費用などが節約できるため、新しい床材に替えて費用を安く抑えることができます。
リフォームにかかる費用の相場
それぞれの箇所でおおよそどれくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。
一般的な延べ床面積約30坪の建物を基準にします。
・外装
屋根塗装 40万円〜60万円
外壁塗装 60万円〜110万円
・水回り
キッチン交換 100万円程度
ユニットバス交換 100万円〜150万円
洗面台交換 10万円〜20万円
トイレ交換 5万円〜15万円
ガス給湯器交換 20万円程度
エコキュート交換 40万円〜50万円
・内装
クロス張り替え 50万円程度
フローリング張り替え 35万円程度
和室から洋室に変更 50万円程度
おおよその費用の相場を記載しました。
建物の状況にもよりますが、外装から内装まで全て行うと最低でも500万円〜600万円はかかることが分かります。
建物をこの先維持していくためには、屋根外壁塗装などのメンテナンスは必須です。
住宅設備や内装は、我慢できるところと、どうしてもやりたいところを明確にして優先順位をつけましょう。
その優先順位を元に予算内に収まるように、製品のグレードを下げたりなど工夫していくことが必要です。
将来的なことも考え、あと何年この家を維持するのかも含めそれぞれの耐用年数も考慮して選択することをおすすめします。
リフォームすることでこれからの暮らしにあった住まいにする
実際にリフォームを計画する際に、屋根や外壁などの外装や水回りの住宅設備など、住まいの性能に関わる部分を優先しましょう。
その後は、家族の暮らし方に合わせて優先順位を決めて行きます。
長年暮らしてきた住まいでは、家族構成やライフステージの変化によってその時の暮らしに合った間取りではなくなったり、収納が不足していることもあります。
リフォームを検討する際は、今の住まいで不便なところや改善したい部分を明確にすることが必要です。
そして予算内で改善したい点をリフォームできるように考えていきましょう。
例えば、見栄えを気にしないのであれば使っていない部屋の内装リフォームは行わず、リビングなどの収納スペースを設置して収納不足の改善を優先することも一つの選択肢です。
特に、水回りであるキッチンやユニットバスは、予算を抑えすぎると機能性が劣って反対に使いにくさを感じることや見た目に満足できないこともあるでしょう。
限られた予算を有効に使うために何を優先するかを明確にすることで、満足度の高いリフォームを実現することができるのです。
リフォームで住まいの不具合を改善するとともに、暮らしやすい住まいへ変えていくことが重要です。
家が築30年なら自分の年齢は60歳
家が築30年経過したということは、新築で住宅を購入した時期は人それぞれですが、皆さんはほぼ定年に近い年齢だと思います。
30歳で住宅を購入しても60歳になるわけなのでそれなりの年齢になるわけです。
そのため60歳前後でリフォームをする場合、これから高齢者となっていく自分たちが住みやすいリフォームをしなくてはなりません。
60歳前後でリフォームをする場合、どのような工事内容にすれば良いのか見ていきましょう。
・段差を解消して転倒を防止する
近年、高齢者の家庭内事故の80%を占めるのが転倒事故で、全国でほぼ7万人程度の方が救急搬送されている事実があります。
その多くがリビングや寝室など長時間過ごす場所で発生しています。
わずかな段差でもつまずき転倒することで、骨折や頭を打って脳震盪を起こしたり、大きな事故につながります。
そのためリフォームする際は、つまずきによる転倒を防ぐために部屋の境目や出入り口の段差を解消しましょう。
床のかさ上げを行い、高さをフラットにすれば、車椅子で移動する際もスムーズで楽に移動できます。
段差部分にスロープを設置するだけの方法など、簡単なリフォームで対応できる場合もあるでしょう。
60歳のリフォームを考えた場合、バリアフリー化は外せない課題です。
・手すりの設置で歩行の補助をする
今の60歳はそんなに体の衰えはないかもしれませんが、将来的なことを考えて手すりの設置を検討しましょう。
手すりは歩行の際の手助けになるほか、トイレなどで座った姿勢から立ち上がる際に体重を支えるために必要になります。
中にはトイレの製品そのものに、手すりがオプションで付けられるものもあるので調べてみましょう。
また、階段や浴室などは最初から手すりがついている場合が多いですが、 自分たちが欲しい場所に設置されているかどうか確認することが必要です。
特に浴室は、今まで必要ではなかった場所に設置した方が良い場合もあります。
他には、廊下や玄関など生活動線に手すりを付けると便利です。
生活動線は、頻繁に移動することが多いところなので手すりがあれば安心です。
特に玄関は段差が解消されない場合があるので、靴を履いたり脱いだりする動作の補助として手すりは必要だといえるでしょう。
また、玄関ポーチに段差がある場合は、危険度が上がるので手すりを付けると良いでしょう。
玄関ポーチは、雨などが降っていると滑りやすく転倒の危険性があります。
玄関から道へ出るまでの動線に手すりを付けると転倒防止につながるでしょう。
ケガをしてからでは遅いので、将来を考え早めに手すりは設置しておいても良いのではないでしょうか。
まとめ
新築で住宅を購入し、築30年が経てば老朽化が目立ってリフォームしたくなります。
また、子供の独立で夫婦二人になってしまったなど、ライフステージの変化はどの家庭にも起こることです。
しかし、それほどリフォームに費用はかけられない場合には優先順位を明確にすることが重要です。
今だけのことだけ考えてリフォームしても将来後悔します。
60歳前後の年齢ならば、自分たちが高齢者になっていくことを想定したリフォーム内容でなければなりません。
将来的に必要なものや住宅を長持ちさせるために必要なことを最優先に検討することが大切です。
あとは予算に応じたバランスの取れた工事内容にすることが、トータルコストを考えた最良の節約になるのではないでしょうか。