今もなお増え続けている空き家!リフォームとリノベーションで蘇らせる!

2022.04.20

空き家が増えている大きな原因は、少子高齢化による人口減少が原因です。

家は存在しても住む人がいなくなり、空き家はどんどん増え続けています。

しかし、その一方で緩やかな増減はあるものの、毎年およそ80万戸以上の新築住宅が建て続けられていることも事実です。

そのため、全体の人口 に対して家余りの現象が生じていることが問題となっています。

今回は、空き家をリフォームとリノベーションにより新たな価値を生み出し蘇らせることで、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。

 

空き家の現状

 

古い家を解体するにはそれなりの費用がかかり、更地にすると固定資産税が高くなります。そのため住む人がいなくなった家は、空き家のまま放置されることが多いのです。

それが今の空き家の現状です。

 

日本では、中古住宅に対する抵抗感があり、都市部の利便性の高い場所を除いては買い手がなかなか見つかりにくいという現状があります。

放置された空き家は人が住まないため、劣化の速度が早くなり、ますます売れにくい状況になっています。

 

また空き家はその持ち主の問題だけではありません。

放置された空き家は、犯罪の温床になることも多く、地域にとっても大きな損失で問題になっています。

国の対策も「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行により老朽化がひどい住宅は固定資産税の優遇措置から外すことや行政によって取り壊しを行うことを可能としました。

そのため、空き家対策総合支援事業として、国をあげて中古住宅のリフォーム市場の活性化に取り組んでいるところです。

空き家を放置せず、老朽化する前にリノベーションをすることで、賃貸や売却を考えても良いのではないでしょうか。

 

空き家対策はまだまだ不十分

 

空き家対策の推進に関する特別措置法の施行により、これまでは築年数だけで判断されていた中古住宅の価値を示していました。

しかし空き家対策の推進に関する特別措置法の施行により、リフォームやリノベーションによる価値の向上などを含め、適正に評価するシステムの構築が進められています。

国による空き家対策事業はまだ始まったばかりで、中古住宅の流通やリフォーム、リノベーションに関する支援の拡大が期待されています。

 

 

・高齢化社会問題が空き家を増やしている

 

空き家の多くは、高齢者が住んでいた自宅もしくは親から子供たちが相続した実家がほとんどです。

そのため空き家には、家族との思い出が詰まっていて他に活用することに抵抗があるという方が多いのです。

それぞれの問題を検証していきましょう。

 

・ 親が自宅を所有している場合

 

親が高齢になり老人ホームなど高齢者住宅に入居したり、子供と同居して空き家になる場合があります。

しかし、高齢者には色々な思いがあり片付けを始めても昔のことを思い出してしまって家を離れ難くなったりします。

認知症を患い判断ができなくなってしまったり、たとえ子供達が管理が大変だからという理由で売却を勧めても同意してくれないケースも多いようです。

このような背景から高齢者の自宅は長い間空き家になってしまっている現状があるのです。

 

・子供が実家を相続している場合

 

空き家になった実家をどのように対処していくのか迷うのは親だけではありません。

子供たちが相続した後も実家をどのように活用するのかを決めるのは簡単ではないのです。

子供達は実家から離れた場所に住んでいることが多く、活用についてどこに相談すれば良いのか分からないことが多いのです。

また、活用について兄弟間で争いになってしまうケースも多くあり、兄弟の一人が売却することを主張し別の兄弟が売却に強く反対するといった場合もあり、結論がなかなか出ない状況に陥ります。

どちらが正しいわけでもなく年月が過ぎ、空き家になった中古住宅は放置されたままの状態が多いとみられます。

 

・空き家は適正な管理が必要

 

自宅や実家が空き家になってしまう理由は、それぞれ各家庭によってさまざまな事情があります。

さらに、次の活用ができるようになるまで数年かかることもあり、長ければ10年以上放置される場合もあります。

その間、誰も使用していない住宅は一気に損傷が進み、老朽化が問題になってきます。

劣化が進むと屋根や外壁などの建材が剥がれ落ち、建物が傾いて倒壊する危険性が高まったりと地域にとってもさまざまな問題を引き起こします。

地震災害などがあれば倒壊の恐れもあり、空き家になれば放火で火災が起きる可能性もないともいえません。

 

また、庭の管理が不十分な場合は、庭の木や雑草が生い茂り周囲の景観を乱すだけではなく、あらゆる害虫を発生させてしまいます。

例えばネズミやハクビシンなどの害獣や蚊の大量発生、スズメバチの巣ができたりなど近隣の住民にも迷惑をかけてしまいます。

そうならないためにも、所有者は所有する空き家を適正に管理する必要があるのです。

空き家の管理が行き届いてない状態で、周囲の環境にかなり悪影響を及ぼしてしまっている場合は、空き家等対策の推進に関する特別措置法に基づき行政からの指導や処分が行われるようになりました。

もし、家族で管理が難しいのであれば代行業者に依頼し、近隣に迷惑をかけない状況を作ることが必要です。

 

・空き家は4種類に分類される

 

空き家は4種類に分類されます。

売却用ーーー 不動産会社が管理し販売中の空き家

賃貸用ーーー 不動産会社が管理し入居者を募集している空き家

二次利用ーーー所有者が管理し使っていない別荘などの空き家

その他ーーー所有者が管理している上記の3種類以外の空き家

などが挙げられます。

 

この4種類に分類された空き家の中でも問題になっているのが、売りに出されているわけでも貸すわけでもない空き家です。

空き家が発生する最も一般的な原因は、自宅を所有する高齢者が老人ホームなどの高齢者住宅や子供宅などに転居することです。

 

今後団塊の世代を含めた高齢者は急激に増加していくことになります。

そのような時代に伴い空き家もどんどん増加していく傾向にあるのです。

特に駅から遠い利便性のよくない地域にある住宅街では、空き家が一気に増加することが予想されています。

空き家が増えるということは、その地域に住む人口が減ってくるということです。

そのため、その地域の活力が低下するだけではなく道路や水道電気といったインフラを維持することも難しくなってしまいます。

例えば、ある道路の利用を家族数が半減してしまった場合、一家族当たりの道路維持の負担は2倍となってしまいます。

他にもスーパーや銀行、病院などの生活に欠かせない施設も撤退することになり、空き家の増加はその地域の生活を脅かしてしまう原因となってしまうのです。

空き家をお持ちの方は、放置するのではなくリフォームをして活用する方向性で考えていくことをおすすめします。

 

増加する中古住宅の流通

 

国内の中古住宅の占める割合は年々増加傾向です。

欧米諸国で住宅流通のうち、70〜90%が中古住宅であることと比較するとまだまだ低い水準ではあります。

しかし、今後も空き家を含め、中古住宅を購入する人の割合は増えるのではないかと見込まれています。

 

中古住宅の大きなメリットは、新築住宅に比べ購入費用を抑えることができることです。

 

また、傷んだところを修繕するといったリフォームだけではなく、より魅力的なリノベーションによってその空間を蘇らせることができるようになりました。

これからの時代は、単に高額な新築住宅を建てるという選択肢だけではなく、安く中古住宅を購入しリノベーションにより自分らしい住まいをつくることも見直されています。

 

空き家をリノベーションして住むメリット

 

空き家をリノベーションして住むメリットは、費用を抑えて住宅を購入できることです。

新築住宅を希望される方は、整備された分譲地を好む傾向にありますが、空き家は利便性の良い駅近や大きなスーパーなどがある場所にもみられます。

そういう意味では、新しい分譲地にはないメリットはたくさんあるでしょう。

また、空き家は古くて老朽化している印象がありますが、だからといって全て使い物にならない劣化した物件ばかりではありません。

昔の建物ほど柱や梁などの構造体がしっかりしている場合も多いのです。

リフォームすれば十分、新築同様の仕上がりが期待できるでしょう。

他には、空き家の社会問題にも貢献できるため、地域にも喜ばれることにもなります。

空き家はさまざまな場所にあり、望んでいる住みたい地域にも物件があるメリットもあります。

分譲地だけではなく、空き家の中古物件に目を向けるのもたくさんのメリットがあるのです。

 

空き家をリノベーションして住むデメリット

 

空き家をリノベーションして住むデメリットは、住宅性能が低いとコストがアップすることです。

築年数の浅い空き家であれば、少し手を加えるだけで耐震性や断熱性が上がります。

しかし、あまり築年数が古くなると、現状の耐震基準まで近づけるのに耐震補強費用がかかります。

また、断熱性を上げるために断熱材を最新にしたり、窓サッシも1枚ガラスであれば少なくともペアガラスに交換したいところです。

それでも新築住宅に比べれば、費用は抑えられます。

他には、空き家を希望通りの間取りにリフォーム出来るかがひとつの焦点にもなります。

リノベーションをする際は、柱を抜いたり壁を撤去したりすることは場所によっては出来なくはありません。

しかし、思い通りのプランが実現できれば良いのですが、完全に希望通りにならない可能性もあるのです。

空き家を選ぶ際は、あまり古すぎる物件は避けることと理想的な希望の間取りにできる可能性があることに重点をおいて探しましょう。

 

中古住宅を買いたくない理由

 

空き家など中古住宅を購入する人の割合が増えている中で、家を購入するなら新築に限るという人もたくさんいます。

確かに新しいものは、基礎や柱などの構造体を一から作り上げていくので、耐震性や断熱性などの住宅性能も最新になるメリットはあります。

しかし、新築住宅の購入価格は高額になり、毎月のローンの額も大きく家計を圧迫します。 住宅購入の意思がある人で、中古住宅は購入しないと答えた人にその理由を調査したところ、新築の方が気持ちが良いとか、中古住宅は抵抗があるという漠然とした回答がほとんどでした。

中古住宅の品質劣化や欠陥といった性能面での不安よりもなんとなく中古は嫌だという心理的な理由が左右しているようです。

 

日本の住宅は寿命が短い

 

日本の住宅は寿命が短いといわれ、一戸建ては築25年から30年ほどで建て替えるという考え方が一般的でした。

アメリカで取り壊された住宅の平均築年数は約55年でイギリスでは77年という長寿命です。 それに対し日本は約30年と極端に短くなっています。 もちろん日本と海外とでは地震災害の多さや建物の工法なども異なるため単純に比較することはできません。 しかし家を購入する場合、多くの人が30年から35年の長期のローンを組むのに、払い終わるのとほぼ同時期に寿命が来て取り壊しを考えるなどというのはもったいない話です。

 

これからの家は使い捨てない時代へ

 

日本の住宅が、短期間で建て替えられている原因の一つに建物の質の低さが浮き彫りにされています。

戦後の高度経済成長の時代は、人口の増加とともに住宅の需要が高く、質より量が重視された背景があります。

そのため、決して品質の良いとはいえない住宅もたくさん建築され、築年数が浅いほど価値が高く、リフォームするより建て替えた方が良いという風潮があったのです。

ただし、日本の住宅はもともと品質が低く寿命が短いわけではありません。

伝統的な日本の建築工法で建てられた古民家などは、しっかりとメンテナンスを行えば100年以上維持することが可能です。

近年は、建築基準法の改正が重ねられた事やハウスメーカー等の努力も重なり住宅の性能はどんどん向上し寿命が長く伸びました。

消費者の意識も高く、手軽に購入してすぐ建て替えるよりも、品質の高い住宅をメンテナンスを怠らないようにしながら長く使用するものへと変化しています。

築年数だけにこだわる家の使い捨ての時代は、そろそろ終わりを告げようとしているのです。

 

まとめ

 

空き家の増加は、深刻な社会問題でもあります。

少子高齢化時代に入り空き家が増加し、売却するのか賃貸で利用するのかなど方向性もなかなか決まらず放置されている空き家は数多くあります。

新しく一戸建て住宅が欲しい人にとって、新築住宅だけが選択肢では無い時代に入っている現代では中古住宅をリノベーションする方法も増えています。

住みたい地域に空き家を見つけたら、売却してもらえるかを業者に調査してもらうことも良いのではないでしょうか。