健康で長生きするためのリフォーム!その方法と対策を解説!

2022.04.20

いつまでも健康でいたいと思うことは、誰でも願うことではないでしょうか。

毎日過ごす家は、家族の健康にとって快適な空間でなければなりません。

室内環境を快適に保つためにどのようなことが必要なのか考えていきましょう。

今回は誰もが願う健康を保ちながら長生きすること、そのために住宅に必要な条件とは一体何なのかを解説します。

 

寒い家は健康へのリスクが高い

 

室内環境を整えるには住まいの断熱が重要です。

冷暖房コストを抑える省エネの観点からいわれることが多いのですが、住む人の健康にも大きな影響を及ぼすことが分かってきました。

寒い家は健康への影響があるため、断熱性の高い家が健康で長生きすることにつながります。

一年のうちで死亡者数が最も多くなるのは、統計によると1月で、次に12月です。

反対に最も少ない月が6月7月で、ここ数年だけではなくこの結果は過去50年間ほとんど変動していません。

季節でいえば寒い冬に多くの人が亡くなり、暖かい季節は逆に少ないということが分かります。

冬に死亡率が高まる傾向は、外国でも見られます。

特に冬季に脳卒中や心筋梗塞肺炎などに代表される循環器系疾患の死亡率は、比較的温暖な国の方が寒冷な国よりも死亡率が高くなっているのです。

これは寒冷な国では、冬の暖房が十分に行われているのに比べ、温暖な国では冬の室内環境が不十分で寒くなるためとみられています。

日本の都道府県別の調査でもその傾向があり、暖かい地域の方が高断熱住宅の普及率が低いため冬の死亡者が多くなっています。

こうしたことから、冬の室内の寒さを解決することで、死亡者数を減らすことができるということが分かります。

 

日本の住宅の断熱化は遅れている

 

日本では、住宅の冬の寒さが大きな健康不安を招いていることが明らかであるにも関わらず、断熱性能は低い状態が続いています。

住まいが最低限確保すべき性能を定めた建築基準法には、構造強度や空気環境、明るさなどについての決まりはあっても一定水準の断熱性能は求められていません。

それも一因となって、日本の住まいの断熱性能は国際的にみても低く、国が示した省エネ基準を満たす家も低い確率にとどまっているのです。

 

断熱リフォームで健康で長寿を実現しよう

 

健康で長生きするためには、適切な温熱環境である室内環境が必要です。

平均寿命が80歳を超え、世界のトップクラスにある日本もWHOが提唱する健康寿命で見ると男女ともに約10年短くなっています。

つまり、10年程度は誰かの支援や介護を受けながら生きていくのが現状となっているのです。

いつまでも介護なしで、健康でいるためには家を暖かくなるようにリフォームすることが必要です。

家全体で断熱リフォームを行うと、一戸あたり200〜300万円の費用がかかるといわれています。

しかし、日常の生活範囲に限ることや窓などの開口部に限定するなど、工事範囲を絞り断熱リフォームを行う方法もあります。

そうすることでリフォーム費用を抑えられます。

断熱性の高い家にすれば光熱費が削減できるほか、長く元気に暮らすことも可能でその結果病院にかかる費用などが削減できるということです。

断熱性能をアップし、温かい家にしてぜひ健康寿命を延ばすことをおすすめします。

 

輻射を安定させ過ごしやすい住環境に

 

住宅の壁や床、天井の断熱性の向上は、住まいの内外の熱の移動を最小限にします。

それだけではなく、壁からの輻射を安定させ住まいをより過ごしやすい環境に整えます。

人が感じる暑さ寒さを体感温度といいますが、 いわゆる気温だけで決まるものではありません。

それ以外の大きな要素に、周囲の壁や天井床などからの輻射熱があります。

人体への影響は空気の温度が半分で周囲の壁の温度が半分といわれ、その二つの数字の平均が体感温度であるといわれています。

例えば冬の室内の温度が20°で壁の温度が10°cであれば体感温度は15°cということになります。

同じ室内温度でも壁が同じ18°cであれば体感温度は19°cということになるのです。

従って壁をしっかり断熱して、室内側の壁の温度を冬は高めに夏は低めに維持すればそれだけ体感温度は快適なものになるということです。

 

断熱材の入れ替えは一部でも効果がある

 

住宅の壁や天井、屋根の断熱リフォームは、一度仕上げ材をすべて撤去して行う必要があります。

そのため手間とコストがかかる工事になります。

しかし、その後の生活のしやすさや、夏の暑さ冬の寒さによる体の負担を考えれば、大きな価値があるといえることも事実です。

また断熱リフォームの費用の負担が大きい場合は、日常の生活で必要な範囲に限って工事を行ったり、特に断熱のポイントとなっている所に限ってリフォームを行うという方法も考えられます。

例えば2階の天井から熱気が降りてくるという場合には天井断熱を強化する、西日が長時間当たる部屋の壁だけを断熱改修するということも考えられるでしょう。

あまりコストをかけたくない場合は、部分的な断熱リフォームを検討すると良いでしょう。

 

内窓を付けてサッシを二重窓に

 

二重サッシは、サッシとサッシの間に空気層ができるため、外気温が伝わりにくく断熱性が向上します。

二重サッシとは外窓と内窓の二つのサッシが取り付けられていることです。

壁の断熱施工をしていても壁の面積の多くを占める窓が、ガラス一枚の状態では外気温の影響を受けやすい状況になっています。

窓を通じて夏の暑い日差しや冬の寒気が、最も部屋に伝わってくるのです。

二重サッシを取り付ければサッシが一つの状態よりも、夏冬ともに過ごしやすい住まいになるでしょう。

また、結露は室内の温まった空気が冷たい窓ガラスに接することで起こるため、二重サッシにすると窓が冷えにくくなり結露の発生も抑えられるのです。

断熱性を向上させたい場合は、内窓を設置して二重サッシにすると良いでしょう。

 

健康な住宅を作るには風通しが必要

 

家族が健康に暮らすためには、住まいに十分な日照を確保することと、風通しを良くすることが大切です。

通風や環境によって室内をきれいに保つのは大切なことです。風通しが悪いとアレルギーなどを引き起こすことがあります。

現在新築される住宅には、24時間稼働の機械換気設備の設置が義務付けられています。

しかし、常に換気が行われてるからといって窓を閉め切ったままの生活 はよくありません。

換気もできるだけ自然の風を入れて行うことが理想です。

なぜなら自然の風は独特の強弱やリズムがあり、季節感や心地よさを感じさせてくれるからです。

また夏の暑さをしのぐためにも風通しの良い住まいにしておくことが必要です。

窓を開けて涼む時は、きちんと風が通るように窓の配置などを工夫しておきます。

上手く風を通すコツとしては、風を通したい道筋の二つの窓を開けることです。

いくら大きくても窓を一つ開けただけでは風は通りません。

大きな窓から小さな窓に抜けるようにすれば風の勢いが増して、より風を感じることができます。

さらに暖かい空気は上に登る性質があるので、1階の窓から風を入れ2階の窓に抜ける道を作ればより風が通りやすくなるでしょう。

他には風を家全体に通すためには、風の通り道をふさぐような障害物を設けないことも必要です。

風のルートにあたるドアは、開閉式のガラリにしたり開閉式の高窓を設置すると良いでしょう。

ただし音も抜けてしまうので注意が必要です。

家族が健康に過ごすためには、家の空気を循環させ新鮮な空気を取り入れる風通しも重要なポイントです。

 

浴室のリフォームはおすすめ

 

浴室で1日の疲れを癒すため、ゆったりくつろぐ人が増えています。

そのきっかけとなっているのがユニットバスの進化といえます。

これまでの掃除がしやすい、お湯が冷めにくいといった機能面の進化に加えて半身浴ができるベンチ式の浴槽形状やミストサウナ機能、バブルジェット水流、多機能シャワー、色が変わるシーリングライト、浴室テレビなど様々なリラックス機能が設けられ入浴の楽しみが増えています。

最近では、リビングより浴室でのんびりくつろぐのが楽しいという人も少なくありません。

 

リフレッシュ効果のある浴室リフォーム

 

家族の健康のために心身をリフレッシュする場所として、注目されているのが浴室です。

半身浴をしながら音楽を聴いたり本を読んだり、また全身を浴槽に浸かりながらジェットバスや泡風呂など楽しむことができます。

近年では、様々なシステムバスが販売され、細かい泡で美肌になる効果があったり、疲れた体を癒す腰湯や肩湯など様々なオプションがあります。

浴室は、リラクゼーションスペースとして改めて注目を集めているのです。

断熱性などの住宅性能ももちろん大切なのですが、水回りの住宅設備のグレードアップも家族の健康のためには外せないところです。

 

リフォームで2階に浴室を作ろう

 

リラックス効果のある浴室を2階にリフォームすることで、気分が変わり一味違ったバスタイムが実現できます。

2階は窓から光が取り入れやすく、また立地や近隣の状況を考慮しながら眺めを楽しむことも可能です。

お風呂上りに外の空気の下でのんびり過ごすバスコートの空間を作ると、もっと楽しめるのではないでしょうか。

浴室に室内側の出入り口と別にバルコニーに出られる出口を設け、そこに外からの視線を防ぐ工夫をしたウッドデッキを設ければ、お風呂上がりの時間をのんびりと過ごすことができます。

最近のユニットバスは防水機能が大きく向上し、従来の戸建住宅では水漏れを心配していましたが、浴室を2階に設置することも少なくありません。

心身のリフレッシュは家族の健康にとって、とても大切なひとときになることでしょう。

 

洗面と一体にすれば家事も楽になる

 

洗面室と浴室を一体にすれば、ガラスなど透明の素材で間仕切りをすることにより、大きな広がりのある水まわり空間が生まれます。

さらにこの空間を2階の寝室側に設け、洗濯機も洗面スペースに納めれば入浴から洗濯、物干し、アイロンがけ、さらに収納までを近い距離で全て行うことができます。

忙しい奥様の家事の時短で効率的に家事をこなせます。

このように、無駄のない動きで効率よく家事動線を作ることは、とても重要で家事の労力を軽減し疲労をためないことで健康につなげていけます。

 

ユニットバスの機能は必要に応じて選ぼう

 

近年ユニットバスは、魅力的な機能が色々と搭載されていますが、何もかもフル装備で考えると価格がどうしても高くなってしまいます。

オプションで選べるものについては、必要性に応じて家族で相談し選択しましょう。

たとえば浴室内にテレビはオーディオが必要なのかどうか、多機能シャワーはどれぐらい使うのか、ヒーリングを目的とした照明設備がいるのかといったことは、必要に応じて検討しましょう。

手すりも本当に必要なところに絞ってつければ無駄がでないでしょう。

逆に長時間お湯が冷めにくい浴槽保温機能や、乾きやすい床などについては、省エネや安全につながる大切な機能なので省かないことをおすすめします。

 

ヒートショック問題は重要な課題

 

よく話題に出てくるヒートショック問題も家族の健康を守る重要な課題です。

高齢者によく起こる温度差による血圧変動は、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気につながります。

しかしヒートショックの対象者は高齢者だけではありません。

40代や50代でも肥満や食生活の乱れで高血圧の人も増えています。

ヒートショックのリスクは家族全員が抱えている深刻な問題なのです。

そのため脱衣所と浴室の温度差をできるだけなくし、湯船の温度もあまり熱いお湯にせず、できるだけ血圧に影響しない温度差を作りましょう。

昔はタイル貼りの冷たい浴室の床がありましたが、最近では断熱効果のある床が寒い浴室をカバーしてくれるシステムバスもあります。

最も倒れてしまう危険性のあるお風呂を見直し、ヒートショックを予防する環境を作ることが重要です。

 

まとめ

 

健康で長生きするためのリフォームの方法について解説してきました。

家族の健康を意識した住まいにするには 、冬の寒さ対策が必要です。

統計で冬場に亡くなる方が非常に多い中で、住宅の断熱性能が重要なポイントになってきます。

断熱材も昔のままの状態の住宅が多いので、断熱材の入れ替え工事をおすすめします。

また、合わせて二重サッシの工事もプラスすると良いでしょう。

家族が健康で長生きするためには、断熱性能を向上させることが最も重要です。