エコロジー住宅のリフォーム方法!人や環境に優しい家づくりを実現させよう!

2021.12.16

エコロジー住宅のリフォーム方法!人や環境に優しい家づくりを実現させよう!

 

エコロジー住宅と聞いても、どのような家がエコなのかよく分かりませんよね。

しかし、エコロジー住宅に明確な定義はありません。

エコロジー住宅は人や環境に配慮するさまざまな家づくりの方法を取り入れることをいいます。

住まいの快適性を考えることは当然ですが、エコロジーの視点からも環境にやさしい住まいを作ることが大切です。

この記事では、エコロジー住宅を実現させるために、人と環境に優しい家づくりの考え方や方法について解説します。

 

エコロジー住宅で大切な自然エネルギーと省エネ化

 

エコロジー住宅は、太陽光エネルギーなどの自然エネルギーを有効利用していくことが重要です。

LED照明やエコキュートなどの最新機器を使用し、効率的なエネルギーの消費や削減をするということが大切なのです。

住宅の省エネ化も考えていきながら、太陽光発電システムとオール電化住宅の組み合わせも有効な手段です。

オール電化住宅と太陽光発電システムについて解説します。

 

・オール電化住宅

オール電化住宅とは、住宅の中で使用する照明やエアコン、調理や給湯に至るまで全てのエネルギーを電気でまかなう住宅のことです。

オール電化にすることで、ガスなどの燃料が燃えることなく室内の空気が綺麗に保たれることは、高気密住宅や高断熱住宅の住まいにおいては大変大きな魅力です。

電気温水器などを用いて以前から電気による給湯は可能でしたが、二酸化炭素による熱交換式のエコキュート給湯器が普及しました。

エコキュート給湯器は、ガス給湯器と同等の快適さと使いやすさでオール電化住宅を実現できるようになっています。

キッチンでは、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターが使用され暖房器具は石油ストーブではなく床暖房システムが採用されています。

 

また、高齢者などが使用する場合、ガスコンロのガス漏れや火災の危険性といった安全面でも有効で安心です。

高齢者やお子様がおられる家庭では、IHクッキングヒーターがおすすめです。

他には、地震などによって電気やガス、水道が止まってしまうこともありますが、電気は最も早期に復旧するインフラでもあります。

地震などの災害時でもエコキュートの貯水タンクが設置されているため、その中に貯められている水を緊急時の生活用水として利用することも可能です。

災害が多い日本では、このようなシステムが自宅にあるだけでも安心といえます。

 

・太陽光発電システムとの組み合わせ

住宅は、オール電化住宅と太陽光発電システムを組み合わせることで、非常に効率的で経済的なエネルギーシステムを作り出すことができます。

屋根に設置したソーラーパネルは、昼間に大量の電力を発電します。

その電力を昼間の電力に使用すれば、昼間の高い電力を使用しなくて済みます。

 

また、夜間には安くなる深夜電力を使ってお湯を沸かしたり、蓄電池への蓄熱も可能です。

オール電化と太陽光発電の両者の長所を生かした非常に効率的な電力システムとなります。

しかし、太陽光発電を売電目的で導入することはおすすめできません。

売電価格は以前と比べて下落している現状で、電気を売ることによって利益を出すのは難しい時代に入っています。

太陽光発電は我が家の電気は我が家で発電させるという省エネ意識の高い方が設置されることが多いです。

 

他には、蓄電池との併用で自家発電した電気を貯めておいて災害時など、いざという時にも困らない状況をつくることも重要なポイントです。

太陽光発電を設置する理由は、電気を売って利益を出すというより我が家が使用する電気は我が家で発電させるという時代に入っているのです。

 

自然素材で調湿作用を実現する

 

エコロジー住宅は、エアコンで湿度を調整することだけに頼るのではなく、自然素材で調湿することも必要です。

人は気温の上昇だけでなく、湿度の上昇によっても不快感を感じます。

同じ温度でも湿度の違いによって、人間が快適と感じる環境は変化するのです。

自然素材を積極的に室内に用いることで、自然素材が持つ特有の調湿効果で自然な湿度調整が可能です。

自然素材とは、無垢の床材や珪藻土の塗り壁、簡単なものでは珪藻土付きのクロスなどもあります。

昔の日本家屋や古民家では、壁の中に竹を編んで土壁が存在していました。

四季のある日本にとって、それぞれの季節に対応できる調湿効果のある構造になっているのです。

高気密住宅が近年の傾向ですが、昔の住宅の構造は理に叶った素材を使っています。

昔の住宅を手本に、現代の住宅においても取り入れていく必要があるのではないでしょうか。

安価で施工しやすい素材ばかりを使用していると、建物を建てた時にはローコストですみます。

しかし、結局冷暖房費や除湿などエネルギーを使って室内の空気を調整しなければならないのです。

エアコンを24時間稼働させると多額の電気代がかかりエネルギーも無駄に消費します。

自然素材は、室内に施工することで24時間365日ランニングコストなく働いてくれるのです。

エネルギーを無駄に消費するのではなく、エコロジー住宅を実現させるためには、住宅を建築する際に計画段階から自然素材を採用することも視野に入れると良いでしょう。

化学的に作られた製品ばかりではなく、自然素材である木や土を原料にした材料を使って、体にも優しい快適な住空間を実現させることが重要なポイントです。

今の住まいを自然素材を使用した住宅に変えることも可能なので、エコリフォームを検討しましょう。

 

雨水や蓄熱の利用

 

エコロジー住宅とは出来るだけ自然のエネルギーを使うことが必要です。

夏には、雨水を上手く利用することで屋根の冷却や打ち水に使用することもできます。

雨水を貯めてその水を暮らしの中で再利用して行くこともエコロジー住宅といえます。

屋根に降った雨を地下で貯水し、夏場の散水に利用したり再度屋根にかけることにより屋根の温度を下げることにも使用できます。

太陽光発電パネルを設置した場合、夏にその発電パネルの温度が上がり過ぎてしまうと発電効率が低下します。

雨水を利用して発電パネルを冷却することで発電効率が低下することを防ぐことも考えられます。

 

また、近年のエコロジー住宅は、夏だけではなく冬にも効果を発揮する蓄熱を利用した住まいづくりも注目されています。

室内のリビングの一部に敷瓦などの蓄熱材を使用することで、日射により蓄熱材に熱が蓄えられます。

夜になると放熱されることにより室内が温められます。

暖房器具などで電気やガスのエネルギーを使わずに太陽エネルギーを自然に利用したエコロジーな暖房方法のひとつなのです。

エコロジー住宅とは、自然の太陽光であったり雨水や蓄熱材を利用したり冷暖房機器に頼らずにうまく利用することがこれからの時代には必要なのです。

 

スマートハウスを理解する

 

近年はスマートハウスといえばITなど最新のテクノロジーの力を駆使した住宅のことをいいます。

スマートハウスの代表的な例としては、HEMS (ヘムス)によってエネルギー使用量を数値表示で目で確認できるシステムがあります。

消費電力を抑えたり、太陽光発電システムや蓄電池などを使用することで電力の自給自足率の向上を図ることができます。

蓄電池によって停電時でも電気を使用することができるため、台風や豪雨などの災害被害が増えている昨今においてはますます注目されています。

スマートハウスを代表する三つの設備としては

・太陽光発電システム

・家庭用蓄電池

・ HEMS

が挙げられます。

太陽光発電システムはパネルから太陽光エネルギーを吸収し家庭用蓄電池に電力を蓄えます。

その蓄えた電気で非常時に備えたり、平常時でも料金が安い深夜に充電をして昼間に使ったりすることができるため電気代の節約になります。

HEMSとは、 ホーム・エネルギー・マネジメント・システムの略で使用電力エネルギーの見える化ができるシステムのことです。

通常普通の住宅では、毎月の請求書で1ヶ月の電気使用量を把握することができますが、1時間単位、1日単位までは調べることが困難です。

日々のエネルギーの収支をチェックすることで、使用量がどのように変化しているのか何を無駄遣いしているのかといった点まで理解できるため、その人の節電意識やエコ意識が自然に期待できます。

これを裏付けるデータとして、90%以上の人が HEMSを見たことをきっかけに省エネに関わる行動をとったと回答しています。

 一方、スマートハウスのデメリットとしてはやはり初期費用が高くついてしまうという点が挙げられます。

スマートハウスを実現させるためには、太陽光発電を行うためのソーラーパネルや家庭用蓄電池 、HEMSなど高性能な設備を取り揃える必要があります。

ただし、自治体により補助金制度が使える場合もあるので、内容を確認して上手く利用することが必要です。

これから住宅をエコリフォームしようと検討している方は、是非スマートハウスも合わせて検討することをおすすめします。

 

スマートハウスとIoTの関係

 

スマートハウスとIoT は、切っても切れない関係にあります。

IoT は、80年代にアメリカで提唱され始めた住宅の概念で、家電や住宅設備を互いに配線で接続し、集中管理することで生活を快適にしようとする考え方です。

スマートハウスは、 IT技術を最大限に活用しエネルギーを上手く管理しながら賢く消費するための家なのです。

 

スマートハウスとは

・太陽光発電などの自然エネルギーから発電してエネルギーを作り出す「創エネ」

・エネルギーを家庭用蓄電池などで蓄える「蓄エネ」

・エネルギーを無駄なく利用し消費量を抑えるための「省エネ」

という三つの概念から成り立っています。

 

 IoT とは Internet of things の頭文字から取られた造語で、モノのインターネットと意味していることはご存知の方も多いでしょう。

身の回りにあるさまざまなものを、インターネットにつなげることで、遠隔操作やもの自体がインターネットにアクセスして作業を行います。

代表的な例でいえば、玄関ドアの施錠やエアコンのオンオフといったものが挙げられます。

そうすることで、玄関ドアの閉め忘れやエアコンの消し忘れも IoT 化されていれば外出先から遠隔操作できるので、心配する必要がないというメリットがあるのです。

また、スマートロックも人気があり、スマートフォンを持っていれば近づくだけで開錠ができます。

買い物などでたくさんの荷物を持っているときに、鍵を探すのは面倒なので非常に便利です。

 

これまで、テレビやエアコン、照明器具など身近な家電製品で IoT が利用されてきました。

しかし、今では家電製品だけではなく、あらゆる分野で我々の生活やサービスと製品づくりの効率化のために活用されています。

 

その他には、IoT化は給湯器にまで及んでいます。

IoT化された給湯器ならスマートフォンで外出先から浴室のお湯はりや追い焚きなどの指示を出すことが可能です。

帰宅する前にお湯をはっておけば、寒い日でも待つことなくすぐに入浴ができるのです。

 

また、家電製品もかなりの割合で IoT化されておりとても便利になっています。

照明器具はIoT化で、スマートフォンを使って外出先から照明のオンオフが可能になっています。

家族全員が留守になりがちな住宅では、日が暮れると家の中が真っ暗で住人が不在であることが明らかに外部に分かってしまいます。

そんな場面でも、このように外から照明をつけることができれば住人があたかもいるように見えて防犯上の効果も期待できます。

IoTを上手く活用することによって、エネルギーの無駄をなくし賢く効率的にエネルギーを消費することがエコロジー住宅に繋がるのです。

 

まとめ

 

省エネ住宅やエコロジー住宅は、HEMSなどでエネルギーの消費量を確認し無駄遣いをしないようなシステムの導入も必要とされています。

また、 IoT 化によってスマートフォンさえ持っていれば、家の中の電気機器が外部から遠隔操作ができるという非常に便利な時代になっています。

リフォームにより、省エネ住宅やエコロジー住宅にグレードアップさせることも可能です。エネルギーを浪費しない住宅を目指すことが、エコロジーを意識したこれからの時代の考え方ではないでしょうか。