飛び込んだ「足場」の仕事現場で学ぶ日々

クラシタス会 足場工事担当
富永 博紀

足場は特に外部工事の開始と終わりを担う役割と、同時に職人の命を預かる影の大黒柱。全指揮を取る富永さんも、はじめは現場で親方の助手からスタート。「いざ足場の上で動いてみると、あまりの恐さに足がすくんでしまいました」。この恐怖感は、最後まで克服することができなかったそうです。しかし、その恐怖感をまったく感じなくなる方が恐いかもしれない、と富永さんは続けます。高所での作業は、ひとつ間違えれば命の危機につながる。そのことを意識できなくなったとき、人は事故を起こすものなのだと話します。

  • 「お客様のために」という想いを曲げずに貫く

    現場を1年経験した後、富永さんは職人から現場監督に転属。主な仕事は施工現場についてお客様や職人との打合せ。その中で富永さんには曲げずに貫いてきた信念があります。それは、ひとえに「お客様のための仕事である」ということを意識すること。この仕事はひとつ間違うと、”自分の仕事だけをすればいい”という分担作業のような思考に陥ったり、直接の依頼主である施行会社に目が向きがちです。しかし、その先には常にお客様がいらっしゃいます。「私たちの仕事は足場を組むだけでなく、大工さんや塗装屋さん達とのチームワークによって、お客様に喜んでいただくことが第一なんです」。当初は、そんな富永さんの考え方がなかなか周りの職人に浸透せず苦心したそう。しかし、富永さんは自身の信念を曲げることはありませんでした。

  • チームで意識を共有することの難しさと大切さ

    当社では毎月、職人の価値観、現場品質向上の共有の場として「クラシタス会」を開催しています。富永さんが初めて参加した当時をこう振り返ります。「まさにこれまで自分が信じてきた思考と合致する内容でした。そこで”ああ、自分は間違ってなかったんだ”と確信でき、とても嬉しかったですね」。お客様へのあいさつ、丁寧な養生、マナーの良い仕事ぶり、そして綺麗な撤収と現場の清掃。これらを、施工に関わる全員が意識することが最終的なお客様の満足につながる。こうした意識を共有しながら、お客様から頂いたアンケートをもとに仕事を振り返る「クラシタス会」への参加を、富永さんは大切な機会と捉えています。「この会を通して、職人にお客様の視点、気持ちというのを学んで欲しいと考えているんです」。 自分たちの仕事の先には、施主様の笑顔がある。その想いを胸に、日々邁進する富永さんの笑顔は、晴れやかな明るさに満ちています。