岩手県一関市・古民家改修/佐藤様

思い出がたくさん詰まった 築二百年の古民家

完成したLDK

弊社設計士の描いたLDKのイメージ図

岩手県一関市にある佐藤様のお宅は築200年の立派な古民家で、代々丁寧に住み継がれてきました。茅葺きだった頃を思わせる大きな屋根の屋根裏では、先代が養蚕を行っていたといいます。佐藤様が子どもの頃、そこは〝探検場所〟。家を支える大きな梁も大切な思い出です。結婚を機に、この思い出の詰まった家を住みやすくしたい、そういう思いから古民家リノベーションを検討するようになりました。
とはいえ、具体的なイメージを持つのは難しいもの。「台所や浴室の寒さを改善したい」「水廻りの使い勝手をよくしたい」「抜けそうな床をなんとかしたい」など、要所要所に気になる部分はあるものの、予算や見積もりだけでは決めかねていたといいます。
そのような中、弊社の設計士がお話を伺いながら、思い出の梁や建具を活かした吹き抜けのLDKのイメージ図(イメージパース)を描きます。漠然とリノベーションをしたかった思いが像を結んだ瞬間でした。

美しい梁や既存の建具を活かした空間

Before
after

どの部屋に移動するにも5~20cmの段差のある状態だったが、今回施工をした空間はバリアフリーとした。施工部分と未施工部分は断熱区画をした。

まず一番目を引くのが、パースにもあった開放感のある吹き抜けのリビング。高さ4mの吹き抜けは古民家だからこそできるもの。優美な曲線を持つ立派な梁の美しさは圧巻です。また、扉や建具も長年使われてきたものをリメイクして活用。懐かしさを残しながらモダンな空間へとリノベーションを行いました。
家族とのコミュニケーションが取りやすいアイランドキッチンは、後ろからの採光で明るい空間に。部屋の雰囲気に合わせた特注の木の窓枠が印象的です。後部にはパントリーを設置し収納をしっかりと確保しました。
また、古民家は石の上に柱を載せる礎石という造りのところも多く、現在の基礎のようなものはありません。佐藤様宅も解体中に柱が石から浮いており支えきれていないことが判明。修繕を行うことで、末永く安心して住める構造となりました。

豊かな暮らしを通して 住み継いでゆく

「イメージパース通りの仕上がりで感激。愛着のある古民家の雰囲気や思い出の詰まった戸を違和感なく残していただき、とても気に入っています。開放的なLDKで、家族との時間がより豊かになりました」と話す佐藤様。完成後はご友人方を家に招待したり、新たな生活をとても楽しんでおられるご様子です。
古民家の思い出を大切にしながら、住まいの快適性を向上させる。そんなふたつの理想に応えることができたリノベーションとなりました。