さまざまな技術に触れ、学ぶ。恵まれた環境に感謝する日々

クラシタス会 板金工事担当
清水 泰基

  • 現場で出会う職人すべてが師匠であり、超えるべき壁。そこから得た、大きな財産

    清水さんと弊社との出会いは今から13年前。18歳だった清水さんは、見ている方が心配になるほど華奢な体つきでした。それが今では20㎏の資材を一度に2本、軽々と持ち上げるほどに逞しくなり、さらには板金工として最難関の一級建築板金技能士の資格を取得。その腕の確かさはお墨付きです。 クラシタス若手職人育成の第3期生にあたる清水さん。当時は先輩たちもまだ修行中の身で、仕事を教えてくれたのは現場の職人さんたちでした。何十キロもある資材を抱え、営業所から現場へと運ぶ日々を過ごし、ようやく現場デビューを果たしたのは2年も過ぎた頃。この時期を「とにかく毎日が楽しかった」と清水さんは振り返ります。「現場に行く度にいろんな職人さんと出会い、その技術を見せてもらっていたんです。自分がまっさらな時期に、大勢の職人さんの仕事をじかに学べた。職人さんが5人いたら、屋根の納め方も5通り。いろんな人の仕事を見ながら、自分に合うやり方をいいとこ取りできるんです」。一人ひとりの仕事を観察し、これはと思った方法はすぐ真似る。こうして技術を着実に身につけていきました。また熱心に教えを乞う清水は、職人からもよく可愛がられたそうで、今でも現場に行くと当時の多くの『師匠』から頻繁に声をかけられるそうです。

  • スピードと仕上がりその両方を追い求めたどり着いた「ポイント」

    一級建築板金技能士を取得し、今では誰もが認める立派な匠です。しかしその技術をものにした影には、血のにじむような努力の積み重ねがありました。「同期で一番怒られたのは、自分じゃないですかねえ」と清水さんは述懐します。「理想は『1mm単位であわせる』きれいな納め方。でも、そこに注力すると、どうしてもスピードが遅くなってしまう。『まだそんなところやってるのか』ってよく怒鳴られていましたよ」と清水さんは照れ臭そうに話します。 スピードの向上を課題として、きれいで早い職人の仕事を観察し、真似ることを繰り返しました。その中で次第に「ポイント」の押さえ方がわかるようになったといいます。「これは口でうまく説明ができないんですけど…。ここに気づく前と後では、あきらかに仕事のやり方が変わりましたね」。 実は職業訓練校指導員という資格まで取得するほど、後進の育成に意欲的な清水さん。しかし後輩に仕事を教えるとき、あえて「ポイント」の部分は説明しないようにしているのだそう。「自分で気付くことが大事だと思うんで…」という言葉に、清水さんが会得してきたものの本質があるようです。後進の育成に尽力しつつも「自分はまだまだです。まだまだいろんな人から技術を盗み職人としての技術を極めたい」と語ります。 その飽くなき向上心と探究心で職人としての頂きを目指し、今日も現場に向かいます。