クラシタス株式会社

実績紹介

鳳林山 長年寺 様

江戸時代からの 歴史を今に伝える

米どころ、そしてきりたんぽ発祥の地として知られる秋田県鹿角市。その中心部からほど近いところにあるのが長年寺様である。その歴史は深く、1502年、現在の岩手県九戸村に長興寺として開山した。その後、九戸政実の乱を経て岩手県紫波町に移り長岩寺を建立、そして1674年にはここ鹿角市に長年寺を建立した。現在のご住職様で実に33代目となる。さらにこれほどの長い歴史を持ちながら、開創以降一度も火災にあっておらず、当時の文献や梵鐘なども残されているという。特に梵鐘は、第二次世界大戦で供出されたものの奇跡的に返還され、現在も大晦日には除夜の鐘を打ちに多くの人が訪れる。

どこから見ても美しい 名工の屋根の曲線美

今回弊社に依頼があったのは、本堂と位牌堂の屋根の大改修であった。屋根に発生した隙間からの雨漏りで内部の木材が劣化し、屋根に傾きが生じていたのだ。「もともと10年以上クラシタスさんとはお付き合いがあり、向拝の復旧やお堂の新築などをお願いしたことがありました。今回も素晴らしく仕上げてくれると信頼してお任せしました」とご住職様は振り返る。 施工にあたっては、黄綬褒章を受賞した銅板工事の名工や、100カ寺以上の寺院を手掛ける大工棟梁など、確かな技術を持った職人たちが担当した。屋根の葺替えは、その技が遺憾なく発揮された部分だ。名工の実力は屋根の曲線部に表れるといわれている。今回も、屋根の写真左右側面の「箕甲(みのこう)」と呼ばれる柔らかい傾斜のある曲線、中盤から裾にかけての曲線、軒の少し上向く部分と、美しい仕上がりとなった。正面、側面、寺院まで登る階段の途中、どこから見ても均衡がとれた曲線が技術の高さを物語る。 そのほか、千鳥を新設し、雪降ろしの負担軽減や雪害対策を図り、天井裏化粧板の張り替えや、破風板や隅木に金箔の飾りを施すなど意匠部分も美しく仕上げた(写真上①参照)。その出来上がりに、ご住職様にもご満足して頂くことができた。

多くの人に親しまれ 地域住民の誇りとして

施工から1年。完工直後赤みを帯びていた屋根は、緑がかって厳かな風格をたたえてきた。その変化を喜ぶ声は多く、俳句に詠んだ人もいるという。「お祭りの際は手伝いに大勢の方々が集まってくれます。地元のパワーが大きいのです。だからこそ皆が誇らしく思える寺院でありたい」とご住職様。その想いが名工の技術によって形となった今回の修繕であった。

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