リフォームで2階に浴室を作りたい!バリアフリー化にして安全な入浴を!

2022.02.09

リフォームで2階に浴室を作りたい!バリアフリー化にして安全な入浴を!

 

2階に浴室を作ったりバリアフリーにするには、何に注意すれば良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。

まず2階に浴室を作ることで、生活するスペースと来客のスペースを分けることができます。

また1階を自由に広く使いたいという要望も叶えられるので、2階に浴室を作りたいと考える人は結構多くおられます。

また、将来を見据えた浴室のバリアフリー化も必要な課題です。

今回は2階に浴室を設置した時の、メリットデメリットや浴室のバリアフリー化について解説します。

 

2階にお風呂の設置にかかる費用相場

 

家の2階にお風呂を設置することは、問題なく可能です。

ただ、水廻りの設備は一般的に1階に設置することを想定しているために、2階に浴室を作る場合には配管を延長するなどリフォーム工事が必要になります。

費用の目安としては、一坪の広さのユニットバスの場合で、80〜150万程度でその内訳は電気配線工事、給排水工事、システムバスの代金や組み立てと取り付け費用などが含まれています。

現状1階に浴室がある場合は、取り壊す解体費用もかかります。

また、工事を行っている期間は浴室を利用できなくなるので、工事期間中に銭湯などを活用するなど代替え手段をあらかじめ考えておく必要があります。

 

2階にお風呂を設置するメリット

 

2階に浴室を作ることでさまざまなメリットがあるので解説します。

 

・1階部分を広く使える

 

2階に浴室を移動させるメリットは、その分のスペースを1階に確保することです。

一般的な浴室のスペースは、システムバスで1坪〜1.25坪程度です。

洗面脱衣所のスペースと合わせると、2坪〜2.5坪の広さとなるため1階のスペースに余裕ができるのです。

浴室があった場所を趣味の部屋として活用したり、リビングを拡張したりといったリフォームが可能です。

また浴室はプライベートな場所でもあるので、2階に設置することで来客を気にすることなく浴室が利用できることもメリットといえるでしょう。

 

・洗濯の動線が良くなる

 

洗濯機を1階に設置して洗濯物を干すベランダが2階にある場合、洗濯をするたびに階段の上り下りが必要で大変です。

洗濯機は脱衣所などに設置していることが多いので、2階に浴室を移動させることで日々の洗濯が楽になるというメリットがあります。

家事の負担を軽減させることは、1日に何度も洗濯をしなければならないような大人数の家庭にとっては、大変プラスになるというメリットがあるのではないでしょうか。

2階に浴室を設置するデメリット

 

2階に浴室を設置することは大変多くのメリットがあるのですが、その反面デメリットもあるので解説します。

 

・1階への音漏れが気になる

 

お風呂に入る時にはシャワーを使う音や水が流れる音などが、1階へ音漏れすることがあります。

お風呂で物を落としたりすると、1階の部屋に音が響いてしまいます。

音の漏れを防ぐ設計をしたり、浴室を使用する時間帯を考えなければならないことがあるので、自由な時間にお風呂に入りたい場合はデメリットとなります。

 

・1階に比べて設置費用が割高になってしまう

 

浴室は1階に設置されることがほとんどなので、2階に移動する場合には配管の延長などの工事が必要になります。

その分だけ費用がどうしても割高になってしまうのです。

2階に十分な水量を押し上げるためには太めの配管を設ける必要があり、場合によっては間取りに影響を与えてしまうこともあるため業者によく調査してもらいましょう。

 

・水圧が弱くなったり水漏れのリスクがある

 

2階に浴室を設けると必然的に水を上へ押し上げる必要があるので、どうしても水圧が弱くなってしまいます。

特にオール電化の場合は給湯器を1階に設置するため、水圧が弱くなってしまうことがあります。

水圧の弱さが気になってしまうときは、あらかじめ高圧給湯器を選ぶことをおすすめします。

また2階に浴室を設置すると水漏れが生じた場合に、1階部分が水浸しになってしまう恐れがあります。

水漏れが起これば材木の腐食にも繋がってしまうため、定期的に漏水点検を行うことが必要です。

2階に浴室がある場合は、一度業者に漏水点検を依頼しましょう。

 

・高齢になると階段の上り下りが辛くなる

 

家族に高齢者がいたり介護が必要な人がいると、2階に浴室があることに不便を感じてしまいます。

階段の上り下りが負担となってしまわないように、将来的なライフスタイルを考慮した上で2階に浴室を設けるべきかを考えることが必要です。

 

2階にお風呂を設置する場合のポイント

 

2階に浴室を設置する場合は、長期優良住宅の認定に影響が出ないかを考慮する必要があります。

長期優良住宅とは、良好な住環境で長く住み続けられる住宅に対して一定の条件をもとに税制上の優遇措置が取られる仕組みをいいます。

長期優良住宅では、1階に水廻りがあることを前提にしているので、2階に浴室があると認定が不利になってしまう恐れがあるのです。

ただし1階の天井に点検口を設置するなどして、維持管理が行いやすい点をアピールするなど工夫をすることが大切です。

 

ライフスタイルや家族構成を考えて検討する

 

2階に浴室を設置するべきかは、ライフスタイルや家族構成によって全く異なるので、まずは家族の間でよく話し合うことが必要です。

現在の状況だけではなく、将来的なことを考慮し年を取った時に困らないかといった部分が重要で、十分に検討をする必要があります。

浴室の場所を変更すると、間取りの変更や給排水や電気設備などの工事が必要になってきます。

工事を進めてしまえば、かえって使いづらくなってしまうケースもあり得るので注意が必要です。

工事を請け負う業者にきちんと希望を伝えて、専門家からのアドバイスを受けるように心がけましょう。

十分にすり合わせを行った上で工事を進めることで、想定外のミスを未然に防ぐ事が可能です。

工事が完了してからも漏水点検など定期的に必要であるため、維持管理の部分も含めて事前に計画を立てておくことがとても大切です。

 

2階に浴室を設置して理想的な生活を送ろう

 

2階に浴室を設置することは可能で、1階部分を広々と使え生活スペースと来客スペースを上手く分けられるというメリットはあります。

またシャワーの水圧が弱かったり、1階への音が気になったりするデメリットもあるのです。

ライフスタイルや家族構成に合わせて、2階にお風呂を設置すべきかよく話し合って決めていきましょう。

 

システムバスのバリアフリー化が必要である理由

 

高齢者の方や障がいを持つ方など介護を必要とする人にとって一般的なシステムバスには以下のような危険なポイントがたくさんあります。

・ 床から浴槽までの距離が高いため(浴槽をまたぐ際に転倒する危険がある)

・浴槽が深い(溺れる危険性がある)

・タイル貼りの床(転倒すると危険)

・出入口に段差がある(出入りする際につまづいてケガのリスクがある)

 

システムバスのバリアフリー化の内容

 

一口に浴室をバリアフリー化するといっても何をどうすれば安全性が高くなるのか解説します。

・一般的なバリアフリー化

 

浴室をバリアフリー化するのであれば、まずチェックしたい回収項目があります。

 

・扉を引き戸が折れ戸に変更する

・出入り口の段差を減らす

・出入りしやすい浴槽に変更する

・滑りにくい床にする

・手すりを設置する

・ヒートショック対策をする

などが挙げられます。

 

・扉を引き戸か折れ戸にする

古い浴室の場合扉が開き戸になっているケースがよくあります。

開き戸は開閉する際に力が必要なので、非力な高齢者にとっては開閉時にバランスを崩しやすく転倒するといった危険性があります。

また開き戸だと入り口のスペースが狭くなり、車いすや介護者が一緒に入れないというデメリットもあるので浴室の扉は引き戸か折れ戸にすると安全で安心です。

 

・出入り口の段差を減らす

浴室の出入り口には浴室内の水が脱衣所に流れて来ないように、あえて段差があるタイプがよく見られます。

段差は数センチですが、高齢者や障害者の人にとってはつまずきやすい危険なポイントです。

数センチの段差があることによって、車いすの出入りも困難であるためこの部分もバリアフリー化したい部分のひとつです。

従って浴室をバリアフリー化するならば出入り口をフラットにして、段差を無くすのも大切な改修ポイントといえます。

ただし、出入り口の段差が少なくなると、脱衣所側への水漏れが起きやすいので注意は必要です。

 

・出入りしやすい浴槽にする

浴槽がとても深い場合や床から浴槽までの高さがあるシステムバスだと、出入りする時に転倒するリスクが高くなります。

また介護者から見ても深い浴槽や、床から浴槽まで高さがあるシステムバスの場合だと介護中に腰を痛めたりするため、浴槽の高さは出来るだけ40cm以内にするのが良いでしょう。

バリアフリーに特化した浴槽としては、浴槽の30%を床に埋め込むタイプや浴槽のふちに座れるタイプなどがあります。

浴槽のタイプを変更すれば、転倒事故を起こすリスクも大幅に軽減できるので、そのようなタイプのシステムバスを選ぶことをおすすめします。

 

・滑りにくい床にする

築年数の古い建物の浴室といえばタイル貼りが一般的でした。

しかしタイルは水に濡れると滑りやすいので転倒の危険性は高くなります。

そこで浴室をバリアフリー化するのであれば、床を滑りにくい床材に張り替える必要もあります。

最近では、浴室の床材も豊富になっているので、デザイン性も高くクッション性の高いものや床から冷気を遮断するものもあります。

床を変えれば万が一転倒してもタイルの床の時のように、ケガのリスクが少なくて済みますし、ヒートショックの危険性も少なくなるでしょう。

 

・手すりを設置する

浴槽の近くや出入口付近など、立ったり座ったりする場所に手すりを設置すると転倒防止に役立ちます。

浴槽や壁などにつかまって力を入れてしまうと、手を滑らせて事故を起こす危険性もあるのでバリアフリー化をするなら手すりの設置することをおすすめします。

正しい手すりの場所は、目的により付ける場所が異なるので手すりの設置を検討している場合には以下のようなところに設置しましょう。

・出入り口付近の壁(浴室に出入りする際の転倒防止)

・浴槽付近(浴槽への出入りの補助)

・浴槽の中(浴槽内で溺れないようにするため)

などが挙げられます。

 

・ヒートショック対策をする

ヒートショックとは気温差の高い場所を行き来した際に、血圧の変動により倒れてしまう現象のことです。

最悪の場合、死に至る危険性もあるので浴室をバリアフリー化するのであればヒートショック対策も万全にしておきましょう。

浴室暖房をつけたり、断熱効果のある床材を使用したりするとヒートショックのリスクを軽減できます。

また、脱衣場にも暖房があればベストです。

 

必要に応じたバリアフリー化

 

一般的なバリアフリー化を解説してきましたが、次に利用する方の状態によって便利なバリアフリー化を紹介します。

 

・シャワーキャリーを設置する

 

シャワーキャリーとは、浴室専用の車椅子のことです。

シャワーキャリーを使えば服を脱いだあとシャワーで身体を洗い、浴室から出て着替えるといった一連の動作をすべて座ったままで行えるので、介護者の負担を大幅に軽減することができます。

またシャワーキャリーは利用者の状況に応じて、肘掛けを付けたり、リクライニング機能などのオプションを利用することも可能です。

足腰が不自由な方や普段から車椅子に乗っている方の入浴介助をする場合は、浴室のバリアフリー化と一緒にシャワーキャリーの設置をおすすめします。

 

・バスリフトを設置する

 

バスリフトとは、浴槽内に設置することができる電動式の昇降シートのことです。

バスリフトがあれば一人で立ったり座ったりの行動ができない方や、浴槽をまたぐのが難しい方、肘や腰を曲げるのが難しい方の身体的な負担を軽減することができます。

バスリフトの設置には比較的簡単な工事なので、自分のバスリフトを購入し浴槽に設置すればすぐ使えるようになるため手軽に浴室をバリアフリー化することが可能です。

 

まとめ

今回は、2階へ浴室を設置する場合と浴室のバリアフリー化について解説してきました。

浴室は家族にとってほぼ毎日利用するところです。

高齢者にとっても快適に過ごせる場所でなければいけません。

また、介護が必要な場合やご自身が高齢になった時のことを想定し、浴室をリフォームする時はよく考え検討する必要があります。

まずは業者と相談し、後悔しないように浴室リフォームを成功させましょう。