省エネリフォームで健康になろう!長く健やかに暮らせる良質な住宅を解説!

2022.01.10

省エネリフォームで健康になろう!長く健やかに暮らせる良質な住宅を解説!

 

健康になれる住宅といっても、どのような家が良質な住宅なのか良く分からないですよね。

健康になれる住宅とは、省エネリフォームをすることによって、病気になるリスクを減らす住宅に甦らせることです。

近年、家庭の中で人が倒れる理由のひとつは、冬の寒さが原因によるヒートショックで心筋梗塞や脳卒中を発症するためです。

まだ今は夏なので暑いですが、あと数ヶ月もすれば寒い季節に入っていきます。

このヒートショックの問題は、自分にはまだ関係ないと思っている人が大変多く危険だといわれているのです。

この季節だからこそ、次の冬に備えた準備が必要で住宅を改善する時期なのです。

そのような突発的な病気にならないためには、どのような住宅にリフォームすれば良いのか考えていきましょう。

病気のリスクを減らす住宅とは一体どのような住宅なのか、良質な住宅とはどのような住宅を意味するのか解説します。

 

省エネリフォームの意義と概要

 

健康になれる良質な住宅の解説の前に、省エネリフォームの意味について確認しておきましょう。

省エネリフォームの意義とは、地球温暖化防止への貢献です。

住宅が省エネルギー化されると二酸化炭素の排出量が減り、地球温暖化の防止に貢献することができます。

またエネルギーを効率的に使える住宅になるためには、石油や天然ガスといった化石燃料依存からの脱却にもつながるのです。

もうひとつの省エネリフォームの意味とは、良質な住宅へ転換していくことです。

現在日本に約5,000万戸ある住宅ストックのうち、国が定めている最新の省エネルギー基準での断熱性の水準を満たす住宅はまだ10%にも至りません。

省エネリフォームで断熱性能を高めるということは、住宅の資産価値の向上につながる可能性があります。

 

また、省エネリフォームで期待される効果の一つとして、快適性の向上が挙げられます。

住宅の断熱性や気密性を高めることにより、部屋間や部屋内の温度差が小さくなるため、住宅全体が快適な環境になり、また健康的な住まいを実現することができるのです。

カビやダニの繁殖を抑えられる可能性もあり、部屋間や各部屋の上下温度差によるヒートショックなどのストレスの緩和も可能になります。

 

他には、断熱性能を高めることで、これまでより冷暖房の効きが改善され、光熱費の省コスト化を実現することが可能です。

これによって、エネルギーの削減にもつなげることができるのです。

さらに耐久性の向上にも役立ち、結露による建材の劣化を抑えられ、住宅の耐久性の向上につながります。

これまでの新築主体から、住宅ストックの有効活用も求められる時代が到来しているのです。

省エネリフォームなどによって、地球温暖化防止に貢献するとともに社会的資産としての価値も向上する可能性があります。

 

 

 

省エネリフォームで健康になれる住宅を普及させよう

 

現在、日本の家庭内事故による死亡者数は約15,000人まで増加しています。

そのうち、浴室や脱衣所での入浴に関係する事故は、6,000人という統計が出ています。

その大きな原因としていわれているのが、住宅内の寒さによるヒートショックです。

住宅の断熱化は、住まいの省エネ性を高めることだけではありません。

住まいを暖かくすることで、入浴時や起床時の血圧上昇を押さえ心筋梗塞や脳卒中などの発症を防ぎます。

断熱性を上げることで、ヒートショックのリスクを減らせることは、多くの研究者の努力により徐々に明らかになりつつあります。

例えば、脱衣場が寒いと感じる住宅の居住者と寒くないと感じる居住者を対象に調査を行ったところ、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間が4年も異なることが分かっています。

では、北海道などの寒冷地は一体寒さをどのように凌いでいるのでしょうか。

実は、北海道や東北地方などの住宅は高断熱住宅の普及率が高く、冬季の脳卒中や心筋梗塞などの死亡増加率も低く、逆に温暖地の方が死亡率が高くなっているのです。

もちろん健康面だけではなく、高断熱住宅には経済的な価値があります。

省エネリフォームの費用の負担が、毎月の光熱費の削減により捻出できます。

高断熱の住宅が全国に拡大していくことで、地域全体の健康度が上昇し、増え続ける医療費に歯止めをかけることも可能です。

そのように考えると、住宅の環境は非常に大切で、これからは自分達の意識も転換していかなければならないのです。

 

省エネリフォームはどこからすれば良い?

 

省エネリフォームは具体的にどこからやればいいのか考えて行きましょう。

一般的には熱の流出入が最も大きい開口部をまず断熱改修するケースが多い傾向にあります。

冬は窓から暖かい空気が外に逃げ、夏は窓から熱い空気が入ってきます。

そのために窓を断熱改修することで、冬の寒さなどは改善できると考えられています。

実際のリフォームでは窓単体の断熱改修は少なく天井、屋根、床、外壁の断熱改修を一緒に行うケースが多くなっています。

例えば暖かい住宅にしたいのであれば、窓と天井屋根の断熱改修を行うことが必要です。

窓から流出しなくなった暖かい空気は、上昇する性質があり天井や屋根から出てしまうので、天井や屋根の断熱改修をすることで暖かい住宅を維持することができます。

省エネリフォームを実施して、どのような住宅にしたいのかといった思いを伝えた上で、実際に業者に相談しながらリフォーム箇所を決めることが重要です。

また、暖かい住宅の実現には断熱改修のみ行えばよいと思っている方も多いと思いますが、適切な断熱改修を行うことで住宅の暖かさは格段に向上します。

より暖かい住宅を確保する場合は、断熱性のほか高気密性・換気システム・暖房システムの性能が求められてきます。

 

省エネリフォームの施工箇所と改修内容

 

熱は窓やドアなどの開口部だけではなく、天井や壁、床といった住宅部位を伝わって移動するため、断熱改修によって熱の流入を抑制することが良質な住宅への転換において大変重要になります。

一般的な断熱改修には内壁を撤去して断熱材を充填する方法や、内からの撤去を行わず部屋の内側または外側から高断熱性ボードを貼る方法や床下から断熱材を貼り付ける方法などもあります。

それぞれの箇所によりどのような断熱工法があるのか簡単に解説します。

 

1.壁の断熱工法

 

・外壁外張り断熱工法

外側から断熱材で柱や梁も包み込むため、結露を抑制したり気密性を高めて住宅の劣化防止につなげる効果があります。

・外壁内張り断熱工法

一般的な断熱工法で、気密性を高め夏季は外気の流入を防ぎ冬季は暖房熱の流出を防ぎます。

 

2.窓の断熱工法

 

・アタッチメント工法

窓周りの冷たい気流を抑制し結露を防ぐことでカビの発生防止につなげる効果があります。

・カット工法・カバー工法

既存のサッシ枠の上から新しい窓を取り付ける工法で、窓の断熱性能と遮音性能を向上させる効果があります。

・2重化工法(2重窓)

既存の窓を残しもうひとつ内側に窓をつける工法で、窓周りの気密性を向上させ冷たい気流の侵入を防ぎ結露の抑制や防音性能の向上にも繋がります。

 

3.天井の断熱工法

 

・屋根外張断熱工法

壁の外張断熱同様屋根に断熱材を貼る工法で、結露を抑制し住宅の劣化防止につなげる効果があります。

・屋根遮熱工法

屋根材の下に遮熱シートを使用し小屋裏温度を低減させて夏季の温度上昇を抑制します。

・小屋裏吹き込み断熱工法

発泡ウレタン吹き付け工法などで、天井の機密性を向上させるとともに夏季の焼きこみ現象を解消します。

 

4.床の断熱工法

 

・床下充填断熱工法

床下に断熱材を充填させる工法により床面接触温度を向上させることで一階居室の温度変化を小さくします。

・床下気流止め工法

隙間を防ぐことで室内から外へ熱を逃げづらくし壁や床天井などの隙間から冷気侵入を防ぎます。

・基礎外張断熱工法

基礎を断熱することにより床下の気温を安定させ、床下環境を改善することで床下を収納庫として利用することも可能で住宅の劣化防止にもつながります。

 

それぞれの箇所でさまざまな工法があるので、どの工法が合っているのか費用はどれくらいかかるのか業者に相談してみましょう。

 

省エネリフォームの効果

 

省エネリフォームのメリットの中でもポイントとなるのが、家族の健康に配慮した快適性の向上です。

小さなお子さまに心配なアレルギーや、高齢者が気を付けたい入浴時のヒートショックは、住宅の断熱性能を高めることで発生の予防を期待できます。

省エネリフォームにより断熱性能が向上した住宅は、暖房していない部屋や廊下、トイレも以前より寒さを感じることなく、生活空間の幅が広がり快適な暮らしを実現できます。

築20〜30年の住宅では、断熱性能が低いので暖房をつけているリビングダイニングと暖房をつけていない廊下やトイレにでは、約6℃の温度差が発生しています。

断熱性能の高い住宅にリフォームすると、その温度差が約2℃前後に抑えられるため、住宅内のどこへ移動しても温度差が少なく、健康的で快適な暮らしができるのです。

 

また、住宅の断熱性能を高めることで壁、床、窓の表面温度が維持され体感温度に大きな差をもたらします。

例えば室温が20℃であっても断熱性能が低い住宅では、外気の影響により壁の表面温度が11℃まで低下しますが断熱性能が高い住宅では15℃にとどまるのです。

体感温度は室温と壁の表面温度を足して2で割った値で計算できるため、断熱性能の違いで約2℃前後の体感温度差が生まれるのです。

省エネリフォームの効果として健康な暮らしを実現することが可能です。

 

また、断熱性能が高い住宅では、アレルギー症状が改善していくとの調査結果が出ており、家族の健康をサポートします。

断熱性能が低いと室内に結露する確率が高くなり、カビが繁殖する恐れが出るためアレルギーの発生要因となります。

断熱性能を向上させることで、気管支喘息やアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などの症状が、右肩上がりに改善していくという調査報告も発表されているぐらいです。

省エネリフォームが小さなお子様や高齢者にとって、快適で健康な暮らしの実現をサポートすることが可能です。

 

 できるところから省エネリフォームしよう!

 

省エネリフォームをする前の住宅では、日常的に感じている数々のストレスや問題があります。

夏はエアコンの冷房があまり効かず、冬は色々な暖房器具をつけてもなかなか暖まらない。部屋ごとの温度差が大きく、ヒートショックの危険性があるなど、たくさんの課題があります。

 

また、夏は窓からの熱気が暑くてたまらない、冬には窓からの冷気を感じサッシは結露で水浸しで困っている方もたくさんおられることでしょう。

解決策は断熱性能を上げることなのですが、壁や天井に断熱材を入れ替える工事ができない場合の改善例として、窓のガラス交換や二重窓の工事をするだけでも、断熱性能はかなり改善されるのです。

大規模なリフォームだと費用もかかるので諦めている方や、構造上断熱材の入れ替え工事が困難でやりたくても出来ない方は、出来る範囲で可能な省エネリフォームを考えていくことも必要です。

省エネリフォームは、基本的には断熱材を高性能な製品に入れ替えることがベストですが、開口部である窓は外気の出入りが最も多い箇所なので、窓のみのリフォームでも効果は期待できます。

構造上困難な場合やコストをかけたくない方には、窓のみのリフォームもおすすめします。

少しでも健康になれる、病気のリスクを減らすためにできるところからリフォームを検討しましょう。

 

まとめ

 

省エネリフォームで、健康になれる住宅を実現させるには、どうすれば良いのか解説してきました。

省エネリフォームをすると、一般住宅でよくある「キッチンの足元が冷える」「トイレやお風呂、廊下が寒い」「リビングは涼しいけれど、寝室が蒸し暑い」などのお悩みを解消できます。

冬のお風呂で起きる「ヒートショック」を予防し、気温差による心臓や脳への負担を減らせるのも省エネリフォームよる健康になれる住宅のメリットです。

省エネリフォームは、健康的な生活を送ることが可能で、医療費の削減にもつながります。

いつも快適な温度に保たれていることで、仕事や勉強への集中力アップも期待できそうです。

家族の健康を考え、住宅を長持ちさせることができる省エネリフォームはコストをかけても価値のあるリフォームなのです。

住宅性能を上げる、省エネリフォームを真剣に検討する時代がきているのです。