蓄電池を設置するリフォームの基礎知識!種類・選び方・費用なども紹介!

2022.07.02

蓄電池を設置するリフォームの基礎知識!種類・選び方・費用なども紹介!

 

蓄電池といっても色々な種類がある中で選ぶのは大変難しく、購入できる金額なのかもよく分からない方がほとんどではないでしょうか。

太陽光発電の売電も落ち着いたこれからの時代は、自家発電をして蓄電池に貯めておくスタイルに変わりつつあります。

電気供給会社から電力を買うだけではなく、自らの力で発電し電力を活用していくことが必要です。

今回は、今話題の蓄電池の基礎知識について解説します。 

 

 

家庭用蓄電池の選び方と種類

 

家庭用の蓄電池を選ぶ場合の基準としては、電池の素材や設置方法、または接続方法などがあります。

それぞれどのようなものを選ぶかによって、蓄電池の種類を絞っていくことができます。 蓄電池は種類によって性能はもちろんのこと、導入コストやランニングコストが異なります。

そのため蓄電池購入後に後悔することのないよう、蓄電池の特徴についてしっかりと知識を得た上で選択することをおすすめします。

 

主な素材は2つ

 

蓄電池の主な素材は二つありますが、一つは鉛蓄電池、もう一つはリチウムイオン蓄電池です。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

・鉛蓄電池

 

鉛蓄電池は長い歴史があり、昔から蓄電池として利用されてきました。

現在でも自動車のバッテリーや非常用のバックアップ電源として利用されています。

重量が重いために取り扱いが困難な部分はありますが、寿命の割に導入する際のコストが安いため、ある一定の場所に設置して使用するには問題ありません。

鉛畜電池の注意点としては、常に一定以上の電圧を維持しなければ蓄電池の性能が著しく低下してしまうという点があります。

過放電によって電圧が下がりすぎないように、放電はすぐに充電するなどの工夫が必要です。

 

リチウムイオン蓄電池

 

リチウムイオン蓄電池は現在の主流の蓄電池です。

様々な場面で活用され小さな容量から大きなエネルギーを満たすことができるため、携帯電話やパソコンの電源としても利用されています。

コンパクトで高性能なため導入コストが高いのが難点ですが、性能の高さから注目度の高い蓄電池と言えます。

 

設置方法の違い

 

家庭用蓄電池は2つの設置方法があります。

一つは定置型蓄電池ともう一つは移動可能型蓄電池(ポータブル型)です。

それぞれの特徴についてみていきましょう。

 

・ 定置型蓄電池

 

定置型蓄電池とは、場所を決めて設置する据え置きタイプの蓄電池のことを指します。

設置する場所が屋外なのか、屋内であるかによってもタイプは異なりますが、設置に必要なスペースはエアコンの室外機よりもやや大きくなります。

そのため屋外に設置する方が多いようです。

また、蓄電池は高温や低温によって劣化の進行が激しくなるため、適度な温度管理が必要となります。

さらに屋外に設置する場合は結露対策も考えなければなりません。

定置型蓄電池を設置する際には、配線工事が必要で、分電盤を介して電力会社の電力網と接続する工事には特別な資格が必要なため、工事は業者に依頼することになります。

 

・移動可能型蓄電池(ポータブル型)

 

移動可能型蓄電池(ポータブル型)とは、持ち運び可能な小型の蓄電池のことを指します。 小型であるために好きな場所に持ち運んで使用することが可能で、停電などの災害時には携帯電話の充電や懐中電灯のような照明、介護用品のバックアップ電源などとして利用することもできます。

また、移動可能型蓄電池の設置には配線工事が必要ありません。

充電方法も家庭用コンセントから充電できるため、手軽に扱うことが可能です。

定置型蓄電池と比較すると電池としての容量は比較的小さいですが、非常用電源としては便利な蓄電池であると言えます。

 

蓄電池の接続方法

 

太陽光発電で自家発電した電力と、電力供給会社の電力網を流れる電力を併用するためには、分電盤への接続工事が必要となります。

この分電盤と蓄電池の接続方法によって定置型蓄電池は、次の二つに分けることができます。

一つは特定負荷型蓄電池、もう一つは全負荷型蓄電池といいます。

それぞれの特徴について見ていきましょう。

 

・特定負荷型蓄電池

 

特定負荷型蓄電池とは、蓄電池と分電盤を接続する場合に分電盤内の特定の回路のみに接続するタイプの蓄電池のことを指します。

すべての回路に電力を供給するという接続方法ではないため、自家発電した電力は特定の回路を通った先にのみ供給されるのです。

つまり特定負荷型蓄電池は、停電などの非常時にどの部屋で電気を使うかといった運用方法を事前に決めておくことができます。

また、特定負荷型蓄電池の電圧は基本的に100Vのみとなり、そのため家庭用コンセントにプラグを挿入して使用する電化製品は使用可能です。

しかし、オール電化や200Vのエアコンなどは利用することができません。

 

・全負荷型蓄電池

 

全負荷型蓄電池とは、蓄電池と分電盤を接続する際に回路を選択する必要がなく、すべての回路に接続するタイプの蓄電池のことを指します。

つまり全負荷型蓄電池では電力会社から供給される電池と同じ使い方をすることが可能です。

停電などの非常時には、家全体の電力をバックアップすることが可能で、普段通りに電気を使用することができます。

ただし、自家発電できる電力には限界があるため、電力会社からの電力が止まっている間の電気の使いすぎには注意が必要です。

 

家庭用蓄電池の種類を決める際の注意点

 

蓄電池は様々な種類があるので、どれを選べば良いか迷ってしまいます。

まず、家庭用蓄電池を決める際に最も重要なのは蓄電容量と出力です。

蓄電容量とは、電気を貯めることができる容量のことで、容量が大きいほど多くの電力を蓄えることができます。

一方出力とは、一度に使用できる電力量のことを表し、出力が大きいほど大きな電気を放電することができるのです。

家庭用蓄電池は製品によって蓄電池容量と出力が違い、蓄電容量と出力が大きければ大きいほど本体価格が高くなる傾向があります。

停電などの非常用電源として家庭用蓄電池を利用したい場合は、停電時にどれだけの電力が必要であるかを事前に把握しておくことが重要です。

 

 蓄電池は太陽光発電と相性がいい

 

蓄電池は前提として太陽光発電と相性がいいということがあります。

蓄電池の設置により高くなる効果には、太陽光発電による売電量を増やす効果と蓄電池を設置することにより家庭で使用する電力を太陽光発電でより多く補うことができる効果があります。

蓄電池には電力を貯める容量と電力を放熱する方式がそれぞれあり、ライフスタイルや電力契約と相性がいいタイプを選びます。

多くの太陽光発電設備の売電の高価買取価格が終了するので、安価で売るより蓄電して自宅で使用する事を考える人も多くなるでしょう。

 

蓄電池を設置すると貯めた電力を有効に活用できる

 

蓄電池で貯めた電力は蓄電池なしでは活用できなかった時間帯や、状況でフルに活用することができます。

蓄電池で貯めた電力は、今まで太陽光発電で賄えなかった深夜や朝方の電力、価格が高い日中の時間帯など段階的に高くなる電力として使えます。

蓄電池を使用することで今まで賄えなかった電力を使用できるようになるとその分費用が抑えられ光熱費が安くなります。

また蓄電池で貯めた電力は、電柱や電線のトラブルによる急な停電や落雷、台風や地震などの災害による長い停電時に非常用電源として活用することが可能です。

蓄電池の電力を非常用電源として活用できると、特に乳幼児や介護の必要な高齢者のいる家庭では必要な電気設備を使用することができて、安心して自宅で過ごすことができるでしょう。

 

蓄電池の設置費用の相場

 

蓄電池の設置費用の相場は、一般的に約100万円から300万円と言われています。

蓄電池を設置する費用の内訳は、本体価格、設置工事、費電気工事費が主な費用で蓄電池の種類や設置する場所の状況、電気工事内容などにより価格は変動します。

上記以外にも図面作成費用や補助金の申請書類作成手続き費用が見積もりに含まれている場合もあるので確認しましょう。

 

蓄電池の本体価格

 

価格の目安として蓄電池本体の価格相場は、1kWhあたり約10万円から30万円と言われています。

 

各メーカー参考価格

・京セラ    リチウムイオン型・・・7.2kWh  約80万円〜

・パナソニック リチウムイオン型・・・5.0kWh  約55万円〜

・NEC     小型蓄電システム・・・7.8kWh  約80万円〜

・シャープ   リチウムイオン電池システム・・・4.4kWh 約50万円〜

・東芝     リチウムイオン電池システム・・・6.6kWh 約70万円〜

 

蓄電池の本体価格は太陽光発電システムと同時に購入すると割安になる傾向があります。

 

蓄電池を選ぶ際の注意点

 

蓄電池を選ぶ際の注意点について解説します。

一つ目は、蓄電池の発電方法を確認しライフスタイルにあった蓄電池を選ぶことです。

蓄電池の発電方法は三つあり、シングル発電・ダブル発電・切り替え方です。

シングル発電は、太陽光発電で発電した電力を家庭で使い、余った電力を売電するタイプです。

ダブル発電は、太陽光発電で発電した電力を家庭で使い、余った電力を売電しながら電気代の安い夜間に蓄電池に充電した電力も売電する方式で、売電量を増やすことができるタイプです。

住宅用の蓄電池は、売電価格がシングル発電のほうが高いため、シングル発電が主流ですが、蓄電池の容量が大きい場合ダブル発電の方が有利になる場合があるので検討してみましょう。

二つ目は、メーカー保証がある蓄電池を採用することです。

一般的には10年保証が多く、価格が安い蓄電池は保証期間がなかったり短かったりしますのでしっかり確認しておきましょう。

 

設置工事費

 

設置工事費は設置する場所が屋外か屋内のどちらかで、蓄電池の重さや設置する場所の状況により異なります。

 

電気工事費

 

電気の主な工事は、蓄電池に電力を貯めるための配線や蓄電池に溜まった電力を住宅に供給する配線、また太陽光発電と接続する工事や監視モニターがある場合はモニターの配線工事が必要です。

行う工事の種類や設備機器同士の距離により、工事費用が大きく異なります。

蓄電池の設置工事費と電気工事費は、両方合わせて約20万円から40万円がかかると言われています。

 

蓄電池を設置した際に一緒にしておきたいリフォーム

 

太陽光発電と蓄電池を設置した際に一緒に行いたいリフォームは、キッチンや給湯暖房設備用電気で使用するタイプに変更することです。

これをすることにより、ガスによる光熱費を節約し災害時の安全性も高めることができます。

光熱費はガスの使用をやめることで、ガス基本料金がなくなり電気は蓄電池を使うことで節約になります。

 

キッチンを IHコンロ にする

 

キッチンをオール電化にし、調理機器の取り替えと食洗機の導入をおすすめします。

まず、調理機器をガス機器から IH 機器に取り替えましょう。

IH 調理機器は掃除しやすいことや火が無い安全性がメリットで、 IH 調理機器利用者は前年増加傾向にあります。

そのため最近の IH 機器は便利な機能が増え価格もかなり安くなりました。

IH 調理機器では火が見えないため、今までと変わらずに調理できるか IH 専用の鍋を揃えなければならないという不安もあるようですが、 IH 機器に変更した人の多くが問題なく対応できているそうです。

 

食洗機を入れる

 

食洗機は予約運転機能がついているものもあるので電気代の安い時間に運転することが可能ですまた手洗いよりも水道代がかからないので節水にもつながります。

 

エコキュートにする

 

電気を使ってお湯を沸かす設備であるエコキュートを導入することをおすすめします。

エコキュートは電気給湯器やガス給湯器に比べ、電気代が約半分から1/4程度に抑えることができます。

電気代のランニングコストを抑えることができるため家計にもやさしくなります。

 

まとめ

 

蓄電池の基礎知識として、種類や選び方、おおよその費用の相場などを解説してきました。

蓄電池は普及し始めたとはいえ、まだまだ各家庭にあるわけではありません。

しかし、これからの時代は自家発電で蓄えることが主流になりつつあるでしょう。

自分の使う電気は自分で作るのが、当たり前になってくる世の中になるのではないでしょうか。