暑さ対策には断熱材リフォームがおすすめ!劣化状況の確認方法まで徹底解説!
2021.07.30
暑くて仕方がない日々が続いていますが、何か良い暑さ対策はないのかなと思っていませんか?
毎年この時期になるとエアコンを最大限に効かせて、暑さをしのいでいるのではないでしょうか。
もっとパワーのある性能の良いエアコンに買い替えようと、ほとんどの方は設備の改善で暑さを解決しようとします。
それでは、高額なエアコン代が必要になり毎月の電気代を見て驚くことになります。
毎月のランニングコストを考えると、住宅リフォームで暑さ対策を検討することが最も効果的です。
暑さ対策を根本的に改善するには、普段は見ることがほとんど無い断熱材の性能が十分なのか確認することがまず必要です。
劣化して断熱性能が落ちている状況では暑さが家に伝わり室内温度は上がり続けてしまいます。
この記事では、断熱材リフォームでできる暑さ対策を徹底解説いたします。
部屋の暑さの原因は何?
部屋が暑くなる原因として、天井の断熱性能が落ちている可能性が考えられます。
直射日光に照らされた屋根の熱が伝わり、断熱性能が低下した天井を通過して室内の気温を上昇させてしまうのです。
天井の断熱材が劣化して厚みが無くなっていたり、雨漏りが原因で効果が無くなっていたり、ひどい場合はめくれて
欠損していることもあります。
天井の断熱材は非常に重要で、断熱性能が落ちていれば建物全体の温度も上昇させてしまいます。
2階の部屋でエアコンをつけても涼しく感じない場合は、天井が暑くなり過ぎて天井付近の暑い空気が
エアコンの冷たい風を打ち消しているからです。
部屋の上部の空気にムラがあると人は不快になり、涼しさを感じなくなってしまいます。
それほど天井の断熱材は、部屋全体の温度に影響を与える重要な要素です。
自宅の断熱材の確認方法
そもそも天井の断熱材が、どのような状況になっているのか分からないのが普通です。
小屋裏を覗いて確かめている人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
もし押入れやクローゼットの天井に設置してある点検口から覗ける状況なら、一度小屋裏を覗いて確認してみましょう。
小屋裏に登ると危険な場合があるため、光をあてて周囲を見渡すだけでも良いので状況を確認することが大切です。
ご自宅の断熱材を目視で確認できる唯一の場所なので、小屋裏を確認することで家全体の断熱材の状況が把握できます。
状況がよく分からない場合は、クラシタスにお声がけください。
一方、壁の内側に施工されている断熱材は、壁を剥がさなければ確認することができません。
しかし、小屋裏の断熱材とほぼ劣化状況は変わらないと考えれば、断熱性能を予測できます。
大抵の住宅では、最も一般的なグラスウール10K(熱伝導率0.05W/m・K)レベルの断熱材が使用されていることが多いです。
厚みが200mm未満の場合は、現在の断熱性能である等級4に満たないことになり、断熱効果が不十分ということになります。
・断熱欠損がある
本来小屋裏を覗くと、天井裏全面に断熱材が敷かれていなければなりません。
ある一部がめくれたり、破れてしまったりで断熱材が無い状況が断熱欠損で、その部分は全く断熱が機能していないということになります。
家を建てた時に施工していない部分があったり、置いているだけでズレていたりで天井裏が丸見えの状態なら施工不良も考えられます。
・断熱材が薄くなっている
台風の時期になると、横槍の大雨が降っていることがありますが、特に瓦屋根などはまれに雨漏りを起こしてしまうことがあります。
強い風も影響し、わずかな隙間から雨が侵入して断熱材を濡らしてしまうのです。
グラスウール断熱材はガラス繊維から作られていますが、布団の綿のようにふわふわとした弾力性があり断熱効果を発揮するのです。
雨水によって、その綿の形状が厚みもなく薄く押しつぶされていては断熱効果は期待できません。
このような状況になっている場合は、信頼できるリフォーム業者に相談し、アドバイスと提案をもらいましょう。
暑さ対策の断熱材リフォームとは?
小屋裏を確認し断熱材の状況に問題があれば、断熱性能を上げるリフォームをする必要があります。
低コストで考えるならば、安価なグラスウールを再度隙間なく敷き詰める方法があります。
グラスウールにもグレードがあり、断熱性の高い高性能グラスウールを使用することで効果をあげることも可能です。
小屋裏に適した断熱材リフォームは、断熱欠損ができない断熱材を使用することが理想です。
グラスウールよりは高額になりますが、発泡ウレタンフォームやセルロースファイバー断熱材は断熱欠損が無く効果があります。
発泡ウレタンフォームは、専用の吹き付け機械で施工するのですが、吹き付けガンから泡状になったウレタンが発射され
時間が経過すると泡が固まり完成します。
泡状なので細かい隙間など細部に吹き付けることができるので断熱欠損を起こしにくいメリットがあります。
また、セルロースファイバー断熱材は、新聞紙やダンボールなど古紙を綿状にした素材で、隅々まで充填できるため断熱欠損を起こしにくい断熱材です。
このように、小屋裏の断熱材リフォームには、さまざまなタイプがありますが断熱性を上げるためには、断熱欠損しないタイプの断熱材を選ぶことを
おすすめします。
また、壁の中や床の断熱材に関しては、壁や床を剥がすようなリフォームやリノベーションをする場合のみ、新しい断熱材を施工することができます。
壁の中が施工できなければ、小屋裏のみ新しい断熱材を施工するだけでも家の暑さは、随分緩和されますので検討する価値は十分にあります。
それほど屋根からの熱は強烈で室内の温度をあげてしまうのです。
ただ、建物の構造上断熱材の入れ替えができないこともありますので、業者に一度点検してもらうことが必要です。
暑さ対策に使う断熱材の種類を紹介!
そもそも断熱とは、熱が伝導や対流、放射による伝わりを防ぐことをいい、断熱材とは、熱を伝えないようにするために作られた材料です。
夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間を可能にし、室内の安定した温度を出来るだけ長く保つような役割があります。
断熱材は大きく分けて、繊維系断熱材、発泡プラスチック系断熱材、天然素材系断熱材の3種類に分けることができます。
繊維系断熱材とは、ガラスや岩を繊維状に形成した製品で繊維の隙間に空気を閉じ込めた構造の断熱材です。
発泡プラスチック系断熱材とは、プラスチックを発泡させ細かい気泡の中に空気を閉じ込めた断熱材で、グレードの高い高性能製品には
断熱性の高いガスを閉じ込めたものもあります。
天然素材系断熱材とは、無添加で自然素材で作られた断熱材で、環境に優しい製品ですが、コストがやや高額になります。
暑さ対策に使う断熱材の特長
繊維系・無機質系断熱材
・グラスウール
グラスウールは、ガラスを高温で溶かしミクロン単位の細い繊維にして綿状にしたものです。
リサイクルガラスを主成分とし、耐熱性や不燃性、耐久性などの点や、繊維が持つ柔軟性を併せ持った素材です。
最もスタンダードで低コスト、素材がガラス繊維なのでシロアリ被害や火災に強く防音効果もある断熱材です。
・ロックウール
ロックウールは、人造鉱物繊維で原料は、鉄を生産する際に出る「高炉スラグ」や玄武岩などの天然岩石です。
それらを1,500℃~1,600℃の高温で溶かしたのち、強い遠心力で吹き飛ばすことにより繊維状に加工しています。
原料が溶けた状態の温度が高いので、ロックウールは、熱や火に強い特長を持っています。
繊維系・木質繊維系断熱材
・セルロースファイバー
セルロースファイバーは、住む人と地球環境に優しいエコロジーかつ高性能な断熱材です。
セルロースファイバーは新聞紙やダンボールを裁断攪拌し、難燃剤と防虫性としてホウ酸を添加して作ります。
主原料のパルプ繊維の持つ大小さまざまな隙間に、さまざまな太さのパルプ繊維が絡み合うことで細かい空気の層が形成されています。
高性能なのでコストもやや高めですが、新聞紙やダンボールの原料は自然素材の木材から作られていることから人体にも優しく
アレルギー体質の人におすすめです。
・インシュレーションボード
インシュレーションボードとは、木の繊維から製造した建材のことです。
インシュレーションボードを作るには、木のチップを水とともに加熱して繊維状になるまでほぐし、その後で接着剤や合成樹脂と
混ぜ合わせて形をボード状に整えてから乾燥させます。
インシュレーションボードは、ファイバーボードの1種類です。
多孔で微小なスペースがたくさんあるため、熱伝導が低く断熱効果があります。
発泡プラスチック系断熱材
・押出発泡ポリスチレン
押出発泡ポリスレチン(XPS)とは、ポリスチレンを溶解し発泡剤や難燃剤などを混ぜて板状に押出形成することで製造されます。
これを好きなサイズにカットし加工することで製品になっていきます。
一般的に使われている発泡スチロールを使用した断熱材と理解すれば良いでしょう。
・ビーズ法ポリスチレン
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)とは、ドイツで生まれた代表的な発泡プラスチック系の断熱材です。
ビーズ法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂と炭化水素系の発泡剤からなる原料ビーズを予備発泡させた後に、金型に充填し、
加熱することによって約30倍から80倍に発泡させて作られます。
金型形状を変えることで、さまざまな形状の製品を作ることができます。
・ウレタンフォーム
吹き付け硬質ウレタンフォームとは、ポリウレタン樹脂を主成分として、発泡させたスポンジ状の断熱材です。
小さな硬い泡の集合体である硬質ウレタンフォームの中には、熱を伝えにくい空気が閉じ込められているため優れた断熱性が得られます。
・高発泡ポリスチレン
高発泡ポリスチレンとは、主に住宅の屋根、外壁、床に用いる断熱材の一種です。
ポリスチレン樹脂に発泡剤などを混ぜた板状のもので、耐水性、柔軟性に優れていて防湿フィルムも使用されています。
・フェノールフォーム
フェノールフォームとは、フェノール樹脂を発泡させ、微細な気泡に高断熱ガスを密閉することで高い断熱性能を持つ断熱材です。
天然素材系断熱材
・羊毛断熱材
羊毛断熱材は、天然素材である羊毛を使用して製造された断熱材で、セーターなどと同じ素材のウールです。
羊毛は、動物の体毛なので寒さから身を守る性能の高い断熱材です。
・炭化コルク
炭化させることで、コルクの持つ高い断熱性をさらに強化させた断熱材です。住宅の屋根、壁、床、天井の断熱材として使えわれています。
各素材のメリット、デメリット
たくさんの種類がある断熱材ですが、何を選べば良いのか分かりやすいよう代表的な断熱材のメリット・デメリットをまとめました。
グラスウール
メリット:価格が安い、防音性が高い、火や害虫に強い
デメリット:湿気に弱い、断熱材の中ではやや断熱性能が低い
ロックウール
メリット:防音性がある、害虫に強い。グラスウールより断熱性能が良い
デメリット:湿気に弱い、湿気を含むと重みで沈下しやすい
セルロースファイバー
メリット:高断熱性能である、調湿性があるので湿気に強い、綿状なので隙間まで施工可能
デメリット:コストが高い
硬質ウレタンフォーム
メリット:発泡プラスチック系では断熱性能はやや高め、隙間まで吹き付けられ欠損が無い
デメリット:コストがやや高い、燃焼した場合有毒ガスが発生する
フェノールフォーム
メリット:断熱性能は高い、防火性に優れている、燃焼事有毒ガスが発生しない
コストが高い、水に弱い、害虫被害にあいやすい
ビーズ法ポリスチレンフォーム
メリット:発泡プラスチック系では低コスト、湿気に強い
デメリット:断熱性能やや低め、熱に弱い
押出法ポリスチレンフォーム
メリット:ビーズ法より低コスト、加工性がある、湿気に強い
デメリット:断熱性能やや低め、熱に弱い、性能低下がやや早い
以上、それぞれの断熱材のメリット・デメリットをまとめてみました。
やはり性能の高い製品はコストも高くなるので予算も考慮して、選ぶことをおすすめします。
まとめ
夏の暑さ対策のリフォームのポイントのひとつは、劣化した断熱材を放置せず、新しい断熱材に入れ替えることです。
新築では無いので、施工できる範囲も限られますが、最も暑くなる小屋裏の断熱効果を上げることで、家全体の断熱性の向上につながります。
クラシタスでは断熱材の劣化状況の点検を行っております。そのうえで、どのような断熱材に入れ替えるのがベストなのかご提案いたします。
是非、私どもにお任せください!お申込みはこちらから。