リフォーム

高橋 様

見事な梁が支える築135年の
日本家屋その魅力を引き出す施工を

明治13年に建てられ、築130年を超える髙橋様邸。歳月を重ねたその日本家屋は冬になると給湯器は凍りつき、吹き込む隙間風に室温はぐっと下がります。広い建坪を活かし切れず「単なる物置」となっている土間正面の広いスペース。「この建物を現代に甦らせる事は出来ないだろうか」という常日頃の髙橋様の悩みが昨年の夏、弊社住空間アドバイザーの竹林に向けられました。
髙橋様と竹林は子供同士が同級生という間柄。互いにPTA会長を勤め、プライベートでも親交を深めてきた仲でもあります。又、髙橋様と弊社は、今は亡きお父様の代から続くお付き合い。特に近年は、竹林とのプライベートにおける距離感も手伝い、何くれとなくご依頼いただく良好な関係を築いてきました。この髙橋様の想いに対し竹林は真剣に応え、一年にも及ぶ工期の中で髙橋様には常に温かく接していただき、工事が終わる頃には家族のような関係になっていたそうです。

関わる人たちの想いがさまざまな形で結実「古」と「新」が調和する家に

今回のリフォームにおいての一番のポイントは「いかに梁を活かすか」という点でした。「この梁は生前、父がよく自慢していたんです」と髙橋様。
梁を隠さないという事は当然、天井は吹き抜けにする必要があります。そこで一番の課題となったのが「照明」でした。梁がむき出しになることによって、同時に配線も露出することになります。当初はそれを隠す方法に頭を悩ませましたが、「むしろ配線を表に出したらどうか」と発想を180度転換。結果、シックなダウンライトを用いることにより、レトロさの中にムードを感じさせる落ち着いた空間へと仕上がりました。
建具も使えるものは、出来る限り再利用。欠けた部分は修繕し、漆を思わせる深い赤で塗り直し。こうして趣のある板の引き戸(杉戸)が、すっきりと収まりました。
また、これまで自分の部屋がなかったお嬢様のために、新生リビングの梁の上部にロフトを設置。広い空間を確保しました。これも天井が高い合掌造りならでは、です。
「100年以上たった柱や梁に、新しい建材を馴染ませるのが難しかったですね」と竹林。実は、塗装職人が仕上がりに納得せず、大幅な塗り直しを行った部分もあったそうです。既成の規格品が使えないため、建具ひとつとってもオーダーメイド。そうした工程を積み重ねることで、塗装だけでなく、建具職人や大工も「もっとできるはず」と、モチベーションをどんどん高めていきました。結果、自在鉤を吊った火棚や折れ戸の食器棚など、職人手製のインテリアまでも誕生することに。モダンさの中に風合いをにじませる手製の設えは、見事な梁としっくり調和します。
髙橋様の「古きを遺す」という強い想い。それに呼応した竹林や職人たちの「もっとより良くできるはず」という志。これらが一体となり、趣き豊かな住み良い家が実現しました。